表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の指揮官  作者: 冬城 一夜
異世界での生活
20/33

18話 ナイトメアロード

朝、着替えてホールにいくと焼き立てのトースト、サラダ、目玉焼き、ポタージュがテーブルの上に置いてある。


エプロン姿で料理を運んでいるミミィ。


「ミミィ~嫁に来て下さい!!!」


にこっと笑顔を浮かべながら、躊躇い無く言う。


「ありがとう、そうだね、結婚したくなったら是非お願いしようかな」


爽やかな笑顔で返された挙句に頭まで撫で撫でと撫でられてしまう。


「んぅ………あれ?皆は?」


広いギルドホールにミミィと自分だけ、皆の姿は見えない。寝てるのかな?


「仕事だよ?ほら、そこの掲示板。大佐とホーネットはもうすぐ帰ってくるかな?」



――ギルメンバー活動報告――


ガボット  防御力が足りない為、山に篭ってきます     受諾任務:エァリル山脈の魔物討伐 RANK:B


ガウス   プロテインとカルシウムの不足を痛感したwww 受諾任務:湾岸都市海路の安全確保 RANK:C++


ミミィ   (ギルドホール)


ゲーニッツ 早朝の鍛錬


ホーネット 物資補充の為商会ギルドへ


紳士    英気補充の為                 行き先:魔境


カミーラ  早起きは美容の敵 お昼まで起こさない事


メルギス  愛しの君捜索中                行き先:王国


――――――――――――――


おぉ~なんか、家族の伝言板って感じだ。


んん、目玉焼き美味しいなぁ、はふぅ~やっぱりミミィはお嫁さんにしたいよね!


「ごちそうさまでした!」


「はい、お粗末さま」


撫で撫でとミミィにまた頭を撫でられる、むぅ、完璧な子供扱いだ!


けどさ、山篭りは分かるんだけど、なんでプロテインとカルシウムで海路?魚でも捕りに行ったのかなぁ?


「お刺身が食べたいって顔だね」


にこりと微笑まれる、いやいや、その顔でその笑顔とか……イケメン爆発しろと言いたいですが、ミミィさんは僕のお嫁さんなので我慢します。


「マスターは鉱山都市ケルディムに向かうんだったね、今あそこは魔物に鉱山が占領されているからね。気をつけてね」


相変わらずというのかな?この世界に来てもミミィの情報網は有るようです。


「帰還した」「……ただいま」


短くそう言って入ってくるゲーニッツ大佐とホーネットさん。2人とも掲示板へいくと自分の欄をギルドホールと書き換えていた。


「そだ!大佐、コレ」


そう言って黒いアタッシュケースを2つ大佐へ渡す。昨日の夜に夜更かしして作ったのだ!


「ふむ?……なるほど、承った」


アタッシュケースを怪訝な顔で受け取り、重量を確かめる、そして何かを納得した大佐。短く少し外すといって部屋へと入っていった。


「それで………準備は?」


ホーネットさんがこちらを、ちらちらと見ながら聞いてくる。


「いつでも行けるよ!朝御飯も食べたし!」


にこっと上目遣いに微笑むとホーネットさんが耳まで真っ赤にして視線を逸らす。


「…………手、握って」


すっと出される白いホーネットさんの手、ぎゅっと握ると少し冷たい気がする。


「あ、そだ。行ってきます!」


ぶんぶんとミミィに手を振る。


「ふふっ、行ってらっしゃい」


笑顔で手を振り返してくれる。


「彼方より此方へ此方より彼方へ、地平の果てと果てとを繋ぐ光の回廊」


謳うように紡がれていく詠唱、光る魔法陣がホーネットさんの足元に現れて光度を増して行く。





雪を被った山脈が聳え、その中腹ぐらいに大きな都市が1つ遠目に見える。いくつも煙突が有るようだが、煙が上がっている物は少ない。


その少し上のほうに大きな穴が見えるから、それが鉱山のようである。


「ここから歩けば日が沈むまでには着く……気をつけて」


「うん、ありがと!ぁ、帰りは旅路を楽しんで帰るからね!!」


躊躇いがちにこちらへ伸ばされてくる手、頭を撫でやすいように出してあげる。


ホーネットさんが撫で撫でと戸惑いがちに頭を撫でてくる。


「んっ……ありがとう」


「それじゃ行ってきます!」


手を振って小さな丘を駆け下りて道へと出る。


ぅーーん、なんにも無い!!いあ、風景はすごく良いし風の匂いとか土の匂いとか、すごいんだけど。


何を期待しているんだって言われそう。


ん~~♪んんっ~♪鼻歌を歌いながら道を歩く、魔物の気配とかもしないし、のんびりのんびり行くのだ!


遠くに大きな川が見える、キラキラと太陽の光を反射して綺麗に輝いて見える、イリーナが居たら釣りしたいとか言い出すのかな。


ガウスとかだと絶対飛び込んでクマみたいに魚捕まえるよねと妄想しながら歩いて行く。


………疲れたよ、パ●●ッシュ。僕もうだめだよ。


足痛いし!日頃からきちんと鍛錬とかしないとダメかな?けど一番悪いのは靴?道かな?もっと、こうきちんと整備するべきじゃないかな?


こぅ、馬でも居るといいのになぁ。乗ったことないんだけどねー!


ん??


視界の端のほう、森から少しでた所に黒い馬が見える。


いやいや、さすがに捕まえて乗ろうとか思わないよ!?野生の馬って臆病だっていうよね。


なんか?あれ?


馬近づいてきてる???


こちらへ向かって走ってきている馬、真っ黒で巨大な体躯にさらりとした毛並み。サラブレッドって向こうの世界だけだよね??


目の前まで来た大きな漆黒の馬、でっかいなぁ。


じっとこちらを見下ろしてくる瞳と見つめ合う。なんだろう?馬に見えないような威圧感のある風貌と視線。


小さく首を傾げると馬の顔が近づいてくる。べろんっと頬をなめられる。


「ひゃわっ!?」


びくっと驚いて声が漏れる、むぅ、なんか悔しい気する!


じっと変わらずに見下ろしてくる馬をまた正面から見つめる。


「美味デアルナ、気ニ入ッタゾ」


「っ!?!」


馬?が喋った!?


「我ガ背ニ乗ルコトヲ許ソウ 小サキ者」


「ぁ、うん、ありがとう」


思わずお礼を言ってしまう。目の前で膝を付いて乗れるようにしてくれる漆黒の馬。よじ登って背中にしがみつくようにする。


「ドコヘユク?」


「んっと、あの街」


鉱山都市を指差す。


「イソグカ?」


「ううん、夕方までに着ければいいよ?」


「ソウカ、デハユルリト散歩デモ」


ガカっと蹄の音がすると、空へ浮かぶ?え?空?


「え?え?馬って空飛ぶの?」


「オモシロイ主ダナ、我ハナイトメア。知ラヌノカ?ダガ契約ハ解除デキヌゾ?」


「うん?契約?乗せてくれるんでしょ?」


撫で撫でと鬣を手を伸ばして撫でる、さらさらだ!


「知ラヌノカ?」


かなりの速度が出ているはずなのだが、空気抵抗も息苦しさもなく、普通に背中に乗っていられる。


ナイトメアが蹄で空を蹴る度に、赤黒い炎ような物が溢れる。綺麗だなぁ。


「何かしないといけない??」


「ソウダ、愛ヲ込メテ世話スルコト。ソシテ月ニ1度主ノ血ヲ与エルコト」


「血?ぅーー、あんまり痛いのはやだなぁ」


「口ヅケデモカマワヌゾ?」


「うん?それぐらいなら血よりはいっかな?」


撫で撫でと鬣を撫でながら、その横、首にちゅっとくちづけてやると、ナイトメアが嘶く。


近くの森から怯えるように多くの鳥が飛び出っていく。


ぅーーん、もしかして凄いのと契約しちゃったのかな?


馬に乗ってみたかったし、良いよね?!


乗馬って一度でいいから、してみたいですよね。

怖そうですけども。あとお尻やら股間が痛くなるって聞きます。


初めて読んでくださった方、いつも読んでくださってる方、感想をくださる方ありがとうございます

すごく元気がでます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ