第十七話
「蓮哉くん強くなったねー」
お爺さんが俺の落とした竹刀を拾って近づいてくる。
俺はそれよりも、先程からとても手が痺れている。
竹刀を弾き飛ばされた衝撃が強すぎたのだろう。
「いえ、まだまだです」
「そうかな? まぁそうか。最低でも私が死ぬ前に超えて欲しいものだ」
「はは、頑張ります」
死ぬ前に、か。
いや、お爺さん何歳だよ。多分60歳は超えてるだろ。それなのになんで身体が衰えてないんだ……。
「あぁ、そうだ。私の『ステータス』? を見るかい?」
「あ、はい! 見せてください!」
「おぉ、めっちゃ気になります!」
「私も、お爺様の『ステータス』気になります」
あんなに早い動きが出来たりできるお爺さんのステータスはとても興味深い。
今後の参考にもなるだろう。
「それで、その『ステータス』? ってどうやって見せるのかな?」
「えーと、『ステータス』を見たいと思えば、目の前に『ステータス』が現れますよ。ちなみに、それは他の人には見えないので紙に書いてください」
奏がいつの間にか紙とペンを持ってきている。
それをお爺さんは受け取って、紙に書き始めた。
「こんな感じだよ」
────────────────
名前:天野 吉蔵
年齢:68
種族:人間
職業:無職
Lv.4
HP:1250
MP:250
SP:140
STR:45
VIT:36
DEX:31
AGL:35
INT:36
LUK:61
スキル
・剣術 Lv.5
・槍術 Lv.4
・弓術 Lv.4
・格闘術 Lv.3
・気配察知 Lv.4
・危機察知 Lv.2
・瞬歩 Lv.2
・身体強化 Lv.3
・身体制御 Lv.2
ユニークスキル
なし
魔法
なし
称号・加護
・武術の達人
────────────────
お爺さんからステータスを書いた紙を見せてもらうと、とてもスキルが多いのに目がいった。
「スキル、多いですね」
「あー、剣術とかは分かるんだけどね。下三つのスキルのことは分からないよ」
えーと、下三つって言うと『瞬歩』『身体強化』『身体制御』か。
「『瞬歩』ってあの急に目の前に現れたやつじゃないですか?」
あの時はマジでビビった。
急に消えて、目の前に急に現れるし。
あれが瞬歩なのだろう。
「あれはただ移動しただけなんだけど……『瞬歩』って言うのか」
「ただ移動しただけですか……こっちからは消えたかと思いましたよ」
「それよりも、『身体制御』や『身体強化』も気になるね」
『身体制御』は名前からして身体を思った通りに動かせるスキルだと思うけど、『身体強化』は身体を強くさせる?
あ、そういえばお爺さんはステータスが俺よりも下なのに力で勝ってたよな。
「多分、『身体制御』は身体を上手く使えるスキルで、『身体強化』は身体を強化するスキルだと思います。実際、俺とかステータス値がほとんど三桁ですし」
てか、よく考えてみると俺のステータス三桁あるのになんで負けたんだよ。
『身体強化』ってそんなに強いスキルなのか?
「そうなのか……そうだ、蓮哉くんのステータスも見せてくれないかな?」
そういえば、英司さんたちを助けてから見てないな……見るついでに見せてみるか。
「はい、いいですよ」
ステータスを表示するように念じ、出てきたステータスを見ると同時に紙に書く。
────────────────
名前:上村 蓮哉
年齢:17
種族:人間
職業:冒険者 Lv.3
Lv.12 (1up)
HP:1000【+100】 (100up)
MP:6850 (550up)
SP:50
STR:113【+10】 (11up)
VIT:87【+10】 (7up)
DEX:159【+10】 (18up)
AGL:172 (19up)
INT:116 (12up)
LUK:87
スキル
・速読 Lv.2
・調理 Lv.3
・記憶 Lv.1
・斧術 Lv.3 (1up)
・身体強化 Lv.2
・気配察知 Lv.2 (1up)
・危機察知 Lv.1
・麻痺耐性 Lv.1
・ストレス耐性 Lv.2 (1up)
・直感 Lv.2 (1up)
・剣術 Lv.2 (new)
ユニークスキル
なし
魔法
・無属性魔法
・火属性魔法
・土属性魔法
称号・加護
なし
次のレベルまで残り250経験値
────────────────
うん、順調に上がってるな。
それに、スキルの数も増えた。
だが……やはりスキルのレベルが高くないとあまり意味ないな。
「はい、これが俺のステータスです」
書いた紙をお爺さんに渡すと、それをじっくりと見られる。
なんだろう、なんか恥ずかしいな。
「蓮哉くん、めっちゃ強いじゃないか」
「そうですか?」
「少なくとも、私に『身体強化』が無かったら力で負けていただろう。まぁそれでも技術では勝つんだけどね」
「はは、確かに。勝つイメージがありませんし」
まぁ魔法を使えば別なんだけどな。
技術はどうにも出来ない。でも、これからお爺さんに教わって上手くなれる。
「さて、蓮哉くんの『ステータス』も見せてもらったし、『職業』とか『魔法』について教えてもらおうか」
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