第十一話
ショッピングセンターを出て、三十分くらい歩いた気がする。
その間に、なんとゴブリンやオオカミ、スケルトンなど、合わせて十二体と遭遇した。
モンスター一体に遭遇したら俺たち五人が一人ずつ順番に戦っていき、二体だった場合は二人で戦っていった。
おかげで、俺たちのレベルは上がり、ステータスも増え、明らかに身体能力も上がった。
「ふぅ、三十分くらいしか歩いてないのに疲れたなー」
愛花さんの家に行く道の途中にあった、誰もいなくなってしまっていたコンビニに入ると、葵が地面に座ってしまった。
「確かに疲れましたねー。まぁ、歩いた時間はそれほどでもないですけど、それよりモンスター多すぎですよぉ」
「それに比べて人は少ないわよね」
確かに。ここに来る途中見かけたのは親子連れ数組や何人かの人たちだ。
もちろん、その人たちにはショッピングセンターに避難している人たちがいると情報を渡したりした。
だが、今は夏休み中。それも今日は日曜日だ。人はもっといるはずだ。
「多分家に籠っていたり、ショッピングセンターにでも集まっているんだろう。それよりも、俺たちはまず家族と合流しないと」
「うん、そうだね。まずは家族と合流しないと」
「愛花さんの家はあとどれ位?」
「えーと、あと少しです!」
確か自転車で五分って言ってたよな……。それで俺たちは三十分も歩いた。
うん、モンスターを倒したり、他の人にショッピングセンターのことを教えたりして時間をロスしすぎたな。
「ん、みんなこれで水分補給。今日は暑いから」
「おぉ、ありがとな」
奏は俺たちにコンビニの飲み物が入っている棚からお茶を取り出すと、俺たちに渡した。
「あ、あの。これってお金とか……」
「別にいいんじゃないかしら? 今じゃ商売も成り立たないだろうし」
「確かになー。別に取っても大丈夫だろ」
ペットボトルの蓋を開け、一口飲んでみる。うん、結構停電してから時間経過してるからぬるいな。
「これ飲んだら行きましょうか」
「おう、そうだな」
その間に俺はステータスでも見とくか。
────────────────
名前:上村 蓮哉
年齢:17
種族:人間
職業:冒険者 Lv.2
Lv.11 (1up)
HP:900【+100】 (100up)
MP:6300 (550up)
SP:40
STR:102【+10】 (11up)
VIT:80【+10】 (7up)
DEX:141【+10】 (18up)
AGL:153 (19up)
INT:104 (12up)
LUK:87
スキル
・速読 Lv.2
・調理 Lv.3
・記憶 Lv.1
・斧術 Lv.2
・身体強化 Lv.2
・気配察知 Lv.2 (1up)
・危機察知 Lv.1
・麻痺耐性 Lv.1
・ストレス耐性 Lv.1
・直感 Lv.1
ユニークスキル
なし
魔法
・無属性魔法
・火属性魔法
・土属性魔法
称号・加護
なし
次のレベルまで残り358経験値
────────────────
お、魔法がちゃんと記録されてるな。
だけど、やっぱり使ってない魔法は書かれてないな。
「うーん、無属性、火属性、土属性の他に水属性、風属性か? 他にあるのは」
うーん、まだみんな休憩中だし残りの属性も取得しちゃうか!
ペットボトルに入っているお茶を全部飲み干すと、その中に水が入るようにイメージする。
イメージしていると、だんだんと空中に現れた水が、ペットボトルの中に入っていき、数秒でペットボトルを満杯にした。
「お、溜まったなー、これって飲めんのかな?」
ペットボトルに溜まった水の匂いを嗅いでみるが、無臭だ。多少さっきまで入っていたお茶の濁りもあるが、多分無色だろう。
ペットボトルに口をつけて一口飲んでみるが、うん。普通に飲めるな。ぬるいけど。
「兄さん水魔法使ってるの?」
「あぁ、残りの属性も手に入れようと思ってな。奏はどうしたんだ?」
「暇だったから来た」
「そうなのか」
他のみんなを見てみるが、葵は外に出て叫びながら魔法の練習をしていた。
だが、魔法を打つ前に詠唱をしているのか、打つのが遅い。
そして、愛花さんと千桜は、コンビニのスイーツを食べて雑談していた。
「うん、みんなもうお茶飲み終わってるじゃん」
「だね。もう行く?」
「んー、じゃあ俺が風属性の魔法使えるようになったら行くか」
「ん、分かった」
さて、じゃあイメージしますか。
風属性の魔法……んー、どうしようか。何があるか……あ、そうだ。ただ自分に風を吹かせればいいか。
イメージとしては、扇風機だな。その風が自分に吹いてる感じで……。
そうイメージすると、顔に扇風機の弱くらいのただの風が吹き始めた。
「よし、成功したぞ」
「兄さんお疲れ様。でも、こうするともっといいよ」
奏がそう言って俺に手を向けると、俺の風よりも涼しい風が吹いてくる。
「おぉ! 涼しいな!」
「でしょ? こんなことも出来る」
奏がそう言うと、今度は涼しい風の他にミストが噴射されてきた。
おぉ! めっちゃ涼しい!
これが二属性を同時に使える利点か……!
「いいなぁ、二属性使えるのって」
「使いたかったら兄さんも練習してね?」
「そうだなー」
さて、風属性も使えるようになったし。そろそろ行きましょうかね?
「さて! みんな! もう行くぞー!」
俺がみんなに向けてそう言うと、愛花さんと千桜はこちらに来た。
さて、あとは葵だけど……。
コンビニの外に目を向けてみると、葵がこっちに走ってきている。
「蓮哉! モンスターの大群に何人かが襲われてる! 今すぐ助けに行こう!」
葵はコンビニの中に入ると、大きな声で俺にそういうのであった。
みなさん!読んでくださりありがとうございます!
ブックマークや評価、感想など、是非ともよろしくお願いします!
感想とかなんでもいいので!
アドバイスでもいいですしw
ランキング上位目指すぞー!




