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第十話


「さて、魔法はこれくらいでいいだろ……」

 

 まさかあれから結構な時間を魔法に費やすとは思ってなかったぞ……一時間くらいか? まぁ今は多分三時位だし時間的には大丈夫か。

 

「えー、蓮哉もうちょい時間欲しい」

「いや、お前な……家族を放っておいて何やってんだよ、助けに行くんじゃないのか?」

「あ、あぁそうだった」

 

 はぁ、こいつ絶対魔法に夢中で忘れてたな……。

 

「これから行くぞ」

「うん、そうだね」

「じゃあお前らも魔法の練習やめろー。これから家回って家族を助けに行くぞー」

「はーい! わかりました!」

 

 お、すんなりと女性陣は魔法の練習辞めたな。まぁ葵はあれだから仕方ないっか……。

 それと、えっと、まず誰の家からだっけか……。

 

「えっと、誰の家からだっけ?」

「あ! 私の家からです」

「おぉ、そうだそうだ。それじゃ愛花さんの家に向けて出発だな」

「ん、じゃあ先頭は兄さんと愛花で」

「そうだな。その後ろを千桜と奏で、殿が葵だな」

「OK、任せといて」

 

 葵は大きく胸を張って胸を片手で叩くが、なんだろう? 少し心配だ。

 

「じゃ、愛花さん。道案内よろしく」

「はい!」

 

 そうして、俺たちは最初に愛花さんの家に向かうことになった。

 

 

 

 数百メートル歩いたところで、すぐにモンスターに出会った。

 全身が骨で出来たモンスター。名前はスケルトンにしとこうか。

 

「あ、あのモンスターの名前は『鑑定』で見たらスケルトンでした」

 

 ……マジでスケルトンだったのかよ。いや、ゲーム的に言うとスケルトンだよなって思ったけどまさか本物だったとは。

 

「へぇ、スケルトンってアンデット系のモンスターなのに昼間にも出てくるのかー」

 

 葵がスケルトンを分析しているが、確かにアンデット系は昼間出てこないイメージだよな。

 

「さて、それじゃあレベルが1の人から攻撃していこうか」

「ん、じゃあ私から」

 

 奏がそう言って一歩前に出ると、手のひらを前に出すと、すぐに魔法が発射された。

 

「ちょ、二属性の魔法を同時発動!?」

 

 奏から出た魔法は、ファンタジー風に名前を付けるとするなら『ファイアーボール』と『アースボール』だ。

 その名の通り炎の玉と土の玉なんだが……同時発動は流石に制御は難しいはずなんだがな。

 試したけどなかなか出来なかった。

 

 それが当たったスケルトンは、バラバラに散り、復活することは無かった。

 

「ん、レベル上がった」

「いいなぁ、魔法の同時発動とか憧れるなぁ」

 

 お、どうやらレベルが上がったみたいだ。

 葵は同時発動とかできなかったしな。てか、ちゃんと出来たのは奏だけだし。

 

「なぁ奏。なんでそんなに魔法使えるんだ?」

 

 俺は愛花さんに先導されながら奏に聞いてみる。

 

「『魔力視』あるし、『SP』で『並列思考』ってスキルとった」

 

 なるほど、『並列思考』ってスキルは多分火属性の魔法の準備をしつつ、他の思考で別な魔法を考えるってわけか。

 

「へぇ、なるほどな。でも、なんでそこで『魔力視』も必要だったんだ?」

「自分の魔力見て、均等に魔力いってるかどうか見るため……『魔力視』で魔力調節できる」

 

 な、なるほど。どっちの魔法にも均等に魔力を分けるためだったか。

 あれ? 今気づいたけど魔力が見えるってことは――

 

 俺はそこまで考え、右手に魔力を集中させて魔法を放とうとする。

 

「兄さん? なんで魔法使おうとしてるの?」

 

 やっぱりか……。魔法使うために魔力を集めてると、すぐに奏は分かるのか。

 

「え! 蓮哉魔法使おうとしてたのか!? そうか、『魔力視』って魔法使おうとすると分かっちゃうのか!」

「そうゆうことだな。相手が魔法使おうとすると奏は分かるみたいだ」

「ねぇ、それって奏が魔法を消そうと思ったら消されないのかな?」

 

 愛花さんが話に入ってきて、その可能性を俺は考える。

 魔法を消すか……。そうなると、発動前の魔力が集中してる状態から魔力を乱されたりすると魔法が発動されないな。

 

「ん、多分できる」

「え?」

 

 奏がそう言うと、俺の右手に溜まっていた魔力が無くなった。

 

「……えぇ?」

「どうしたの蓮哉?」

「まさか! ほんとうにやっちゃったんですか!?」

 

 千桜と愛花さんに聞かれるが……うん、確実にキャンセルされた。

 

「あ、あぁほんとに魔法をキャンセルされた」

「うお! マジかよ! 奏ちゃんやるぅ!」

「ほんと、凄いわね。あんたの妹は。さっきまでの私たちの努力が無効にされちゃうじゃない」

「そうですね! 私はなんも取り柄ないので見習いたいです……」

 

 はぁ、どうやらうちの妹はこのパーティ? 最強になってしまったようだ。

みなさん読んでくださりありがとうございます!


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