濃厚旅行 山梨~静岡~東京の、山梨編
濃厚な旅でした……。さっそくあなたに、お土産話を……。
今回の旅行は、私の「富士山を見てみたい」という一言から始まりました。
私は福岡県出身で滋賀県在住なので、富士山をちゃんと見たことがありません。
すごく晴れた日に、新幹線や車の窓から遠くに見える小さな富士山を一瞬だけ見て「おおお!! 富士山!!」と感動したことが2~3度あるだけです。
ど~ん!とそびえる大きな富士山を、一度でいいから見てみたかった。
付き合っている彼氏さんが「それなら富士山と、温泉の旅をしましょう」と言ってくださって、今回の旅行を計画してくれました。
そうこうしているうちに、小学館で私の担当をしてくださっている編集さまが「一度、お会いしましょう! 会って、2巻の打合せをしましょう!」と言ってくださいました。
私が書いた「姫さまですよねっ!?」という本は、コロナ真っただ中に出版されました。本来なら東京で行われるはずの授賞式もなく、直接会う打ち合わせも皆無のまま、本を出してもらいました。経験豊富な編集さまも、一度も作者に会わないまま刊行したのは、初めての経験だそうです。
前代未聞のリモート出版を経て「とにかく! 一度、お会いしましょう!」という運びになりました。
編集さまが提示した日時は、富士山&温泉旅行の2日後です。「私が富士山&温泉の旅から、そのまま東京へ移動したら、いいんじゃね?」と、軽いノリで日程を決めました。
旅行が近づくにつれて、不安が大きくなります。私はビビり&引きこもりなので、旅行が苦手です。行けば楽しいのですけれど、キンチョーしてしまう。行く前から帰るまでずっとキンチョーしているので、帰ると必ず寝込みます。たとえ1泊の旅行でも寝込むのに、今回は5泊!! しかも後の2泊は一人旅&お仕事!! 寝込む! 絶対に寝込む!! ってか一人で東京なんて、どうすりゃいいんだ!? また怖い目に遭うのかっ!? 東京へ行くたびに、コワイ目に遭うのだが!?
今まで東京旅は、3回しました。
一度目は、島田紳助さん(!)と松本人志さん(!)の番組に出るため(!!)。この話は、いつかまた書きます。その時は、ビジネスホテルに宿泊しました。部屋は新しくてキレイなのに、禍々(まがまが)しい雰囲気で「無理!!!」となって、でも部屋を変えてもらうという発想がなくて「酒飲んで泥酔して寝る作戦」を決行した結果、金縛りになってサラリーマンのおじさんが「おじさん、君と一緒に寝ちゃおうかなぁ♡」と枕元に現れるという、怪談みたいな結果に終わりました(涙)。たぶんその部屋で、おじさんが自殺でもしたのでしょう(涙)。
二度目はネットのオフ会に参加するため、上京。オフ会は無事にすんだものの、みんなと別れてホテルに帰る道に迷い、韓国人のカワイイ男の子(20歳)に「ずっと一緒にいたいです♡」と付いてこられるワケのわからない展開になり、尻尾を巻いて逃げ出すという疲れる結果に終わりました。
三度目は食事をするため入ったお洒落バーで、見知らぬ男性から急に酒を奢られて、借りは作りたくないので奢り返したらロックオンされて、メンドクサイので酒の飲み比べをして男性を潰したら、バーのマスターから「今夜、ボクとどう? ボクと一緒の夜は、長いよ♡」と誘われ、また尻尾を巻いて逃げ出すという……(涙)。
またまたそういう怖い目に遭うかもしれないと思うと、キンチョーで胃が痛くなる……。でも私、もう50歳です。そんな浮かれた羽目には、ならないはず。でも何か、何か事件が起こりそう……。
キンチョーのあまり日程を一日間違えて、無駄に24時間長くキンチョーして、自分でも情けないです(涙)。過度にキンチョーすると、どうなるか? そうです。生理が来るのです! ただでさえ貧血気味なのに、さらに予定外の生理が!! 50分に一度はトイレに行かないといけないので、旅行を楽しむ余裕もない! もちろん温泉にも入れません!! 私はいったい、何なんだ!?
キンチョーと生理と胃痛でフラフラになりながら、やっと旅行が始まりました。夕方に車で出発して、雨の高速道路をひた走ります。雨と闇で、富士山は見えません。何とか山梨県のホテルに到着して、20畳ほどある部屋に案内される。広い!! 私は一人でないと寝られないので、彼とは別部屋です。だだっ広い部屋で、ベッドとトイレの往復を繰り返す。それにしても、広い! 部屋が広すぎる! 狭いおうちに帰りたい!
50分に一度の往復を繰り返すうちに、カラダの異変に気付きます。おしっこの回数が、ハンパない! なんでこんなに出るんだ!?
原因は、ペットボトルの水でした。高級なホテルで出された、高級なペットボトルの水。天然水なので、ごく微量のミネラルが含有している。クソ貧乏な私のカラダは、このミネラルに反応したのです。塩みたいな成分がほんのちょっぴり入っているので、ノドがかわく。ノドが乾くから水を飲むと、またノドがかわく。それを繰り返しているうちに、おしっこが止まらなくなる! 貧乏が憎い!!
ヘロヘロになりながら、朝を迎えます。タバコを吸うために、エレベーターで喫煙室へ向かう。自分の部屋ならすぐに吸えるのに、ホテルはメンドクサイ……。ぼうっとしたままエレベーターを待っていると、大浴場の温泉に行くご婦人方と一緒になりました。ふと窓の外に目をやると、朝日をバックに雄大な山影が見えます!
「富士山!!」
私は思わず声をあげました。するとご婦人が「あれは雪がないから、富士山ちゃう!」と、全否定された。
「でも富士山……」
「ちゃう! 雪があらへん!」
なぜか叱られる私。そして後で、やっぱり富士山と判明。朝日をバックにしていたから、山頂の雪が見えなかっただけ。あの時のご婦人に、謝ってほしい……。でも二度と会うことはナイでしょう。
朝ごはんは、豪華なバイキングです。優しい彼が料理を次から次へと運んでくれて「食べなさい! たくさん食べなさい!」と勧めてくれる。山梨名物のほうとうや、直径5ミリくらいの小さなちいさなレンコンの漬け物、新鮮な野菜サラダ、焼きたてのフレンチトーストなど、盛りだくさんです! 近所の牧場で放し飼いにされているニワトリの卵の目玉焼きは、黄味が濃ゆい! そして美味しい! 新米のおにぎりも美味しくて、いくつでも食べられます! モチモチでピカピカ☆
「おいしい! ぜんぶおいしい!」
モリモリ食べる。お腹がはち切れそう!! そしてこの後ずっと、美味しいご馳走が続きます。新蕎麦やリンゴ、シャインマスカット、ヌーボーの山梨ワインにお刺身、うどんやほうとう、お肉も野菜もドッサリ! しぼりたての牛乳で作ったソフトクリームに、もちもちのパン、地酒の日本酒や、ウィスキーもたらふく堪能します! 夢中で食べて飲んだあとに「写真撮るの、忘れてた……」という失敗を繰り返すハメになります。 何回も失敗するのに、学習しない。
何回も失敗と言えば、見知らぬおばさんに「富士山ちゃう!」と叱られた後に、レストランの支配人様からも叱られました……。朝食バイキングの後です。デザートに、しぼりたて牛乳でできたソフトクリームを、ホテル最上階の展望席で食べたかったのです。最上階で富士山を見ながら、食べたかった。
「ごちそうさまでした! 美味しかったです!」
お礼を言いながらソフトクリームを持って、レストラン入口にいる支配人様の前を通過しました。すると支配人様が他のお客様を放置して、私を追っかけてきた!
「こぼさないでください! こぼしてエレベーターの中がベトベトになると、後の掃除が大変なんです! 絶対にこぼさないでください! どうぞお願いします!」
言ってることはもっともですが、めっちゃキレ口調。明らかに、怒ってる。横で彼は、大爆笑です。
「まだこぼしてないのに叱られるなんて、よほどこぼしそうな顔してるんだね!」
こぼしそうな顔って、どんな顔だよ? これでこぼしたらガチで叱られるので、一滴もこぼさずに美味しく頂きました!! こぼしそうな顔はしてるけど(だから、どんな顔だよ)、こぼしませんでしたから!!! でも叱られた!! なんでだ!?
色々な場所で美味しい料理を楽しみながら、同時に富士山を堪能します! どこから見ても、良い! どお~ん!と、雄大で美しい! これぞ日本! よっ! 日本一っっっ!!
テレビや映画で見る富士山は、美しい空を背景にした左右対称の芸術品のような富士山です。でも実際に見た富士山は、商店街の軒先から見えたり、国道沿いのガソリンスタンドの向こうに見えたり、庶民的な富士山です♪ 何てことのない風景に、溶け込んでいる富士山。普段着の富士山を見ているようで、すごく楽しかったです☆ 旅の間じゅうずっと見ていましたが、お天気や時間で刻々と姿を変える富士山。次から次へと現れる新しい富士山に、感動の連続でした♪ 富士山、サイコー!!
そうこうしているうちに一日が終わり、生理の量が減ってきました! 大量出血したので貧血でフラフラするけど、トイレを探してさ迷ったり、ズボンを上げ下げしなくてイイのは助かります! 行くはずだった「ほったらかし温泉」に行けなかったのは残念ですが、ホテル内の温泉には入れたので、ヨシ!! 温泉から見える富士山は、絶景でした!!!
話は変わりますけれど、あなたは旅行の際に、お着替えってどうなさいます?
ホテルで出される浴衣をパジャマにします? 旅行中のお洋服って、どれくらいの頻度で変えます?
私は基本、タートルネックのセーターに、ジャージです。これに肌着と五本指のソックス、気が向いたら、下着のパンツをはきます。足元は、スニーカー。日数分の着替えを持参して、お風呂に入ったら新しいのに着替えて、翌日はそのままお外へ出かけます。見た目はずっと同じですが、毎日洗い立てに着替える。今回は、5日分の着替えを持参。さすがに東京へジャージで行く勇気はナイので、セーターと、下着じゃないほうのパンツを2枚ずつ。ものすごい大荷物で、大変でした!
皆さんはどうやって荷物を減らしているのか、ぜひとも教えてください!!
荷物といえば、化粧品も一抱えあります。普段はノーメイクですけれど、打ち合わせにスッピンは失礼な気がする。最低限の加工はしないと。化粧水や乳液も必要だし、ホテルは乾燥するのでボディクリームや、かゆみ止めのクリームも持参。今回も、2日目から足やお腹がかゆくてクリームを塗りました。乾燥か? 部屋が乾燥しているせいなのか?? 小分けで持っていっても、それなりの量です。本当にみなさん、どうなさっているのですか?????
なぜ急に荷物の話になったかと言うと、今回も右往左往したからです。以前の旅行では真冬の海に浮かれてはしゃいだ結果、浜辺で転んでビショビショになり、クツから着替えまで全部! 新しいのを買うために、お店を探しまくりました! 渥美半島に、クツや洋服を売っているお店はないことを痛感しました! またババシャツを求めて、しまむらを探し求めてさ迷ったこともあります。
今回もいろいろ持参したのですけれど、途中で足りなくなった。まず生理痛の痛み止めと、生理用ナプキン。普通の方なら十分足りる量を持参したのですけれど、予想外の大量出血と痛みで、ぜんぜん足りない!
あわててドラッグストアに駆け込んだら、ワゴンセールで95円のナプキンがある! 男性にはピンとこない話でしょうけれど、普通は298円で売っているナプキンが、たったの95円! しかも大量にある! お一人様1個かぎりかと思って尋ねてみたら「お好きなだけ、どうぞ♪」と言われた! どうやらパッケージが新しくなったようで、古いデザインだから投げ売り状態らしい! これ幸いと、大量に買い込む! しかし痛み止めは、売ってない。売ってないことはナイのですが、私の常用しているロキソニンは、登録販売者か薬剤師がいるお店でないと売っていない。
「大きな病院近くのドラッグストアなら、売ってるはず!」
というワケで、大きな病院を探します。山梨まで来て、病院探し。いったい何やってんだか……。何とか大きな病院を探して、無事にロキソニンをゲット! そして浴びるように痛み止めを飲む! 薬剤師さんから「お茶やコーヒーで服用すると、効き目が悪くなりますから、苦い飲み物は一緒に飲まないでくださいね♪」と注意されたけど、大丈夫です! お茶やコーヒーじゃなくて、ワインや日本酒で飲み下しますから!! (← 良い子は絶対マネしないでください)
そういえば、ドラッグストアで……。
私はトイレに行こうと、フラフラ駐車場を歩いていました。そこは車用の出口が2か所あるドラッグストアで、建物の陰に出口がある。
「こっちにも車の出口があるんだ~。出る時は、こっちから出たほうがいいかな?」
そう思う人は、私だけじゃなかったようです。車を運転していたおじいさんが、私と同じことを考えたようで、急にハンドルを切った。そしてフラフラ歩いている私に突っ込んできた!
驚いた顔のおじいさんとバッチリ目が合った時に「この旅行、終わった」と思いました。死ぬほどではないが、無事ではすまない確信があった。でも無事でなかったのは私でなく、運転していたおじいさんのほうでした。おじいさん、ものすごい勢いでブレーキを踏んだのです! 車体がガクン!と前のめりになって、急停車しました。おじいさん、ムチ打ち確定……。
「ごめんね!」
首を押さえながら謝るおじいさんの車と私の距離、わずか10cm。本当に間一髪でした。あぶなかった……。おじいさんも、お気の毒に……。
これが旅の2日目の出来事です。まだ3日もある。そして後のほうが、話の内容が濃厚になります。wwどうぞ、ごゆるりとお付き合いください。




