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ニコラドさんは色々詳しい ③

「ニコラドさんは、結構色んな人に魔法を教えたりしているの?」

「今は弟子や魔法師組合の連中に教えたり……、あとは弟子に頼まれてたまに学園で臨時で教えたりするぐらいだな」

「魔法師組合?」

「なんか、ディオノレはベルレナに教えていることと教えていないことが極端だよなぁ。魔法師組合っていうのはその名の通り、魔法師たちの組合だな。互助機関というか、そういうものだ」

「ニコラドさんはそこに所属しているの?」

「ああ。一応、俺もえらい立場なんだぞ?」



 ニコラドさんは笑いながらそう言った。



 魔法師組合と呼ばれる団体でえらい立場らしい。えらい立場ってどのくらいえらいんだろう?

 ニコラドさんって、お弟子さんが学園長をやっていたり、魔法師組合で立場を持っていたり――、わたしが思っているよりもずっと凄い人なのかもしれない。




「結構学園で生徒たちが学費や生活費、あとは小遣い稼ぎをするためにもそういう組合を利用するんだ」

「結構働いている学生さんって多いの?」

「そうだな。貴族はともかく、平民に関しては学園に通うお金を用意するのも大変だったりする。だからこそ、自分の生活費のためにも働く学生も多い。学園のある都市は色んな組合があるからな。そこで依頼を受ける生徒も多い」

「組合ってそんなにいっぱいあるの?」



 わたしは組合と呼ばれるものがそんなに沢山あると知らない。

 アイスワンドでは狩人組合があったもんね。そしてニコラドさんは魔法師組合に所属している。

 組合ってそもそも国ごとなのかな? それとも国をまたいであるのかな?

 冒険者たちは国をよく移動しているみたいだけど、それは世界中に冒険者の組織があるってことだよね。






「そうだな。色んな組合がある。魔法師組合は、色んな国に支部があるぞ。だからベルレナがもし俺とディオノレの母校以外に通うことになったとしても、手助けは出来ると思う」

「色んな国に支部があるって、ニコラドさんはそこでえらい人ってことは凄いね!!」

「ははっ、もっと褒めていいぞ」

「うん。凄い!!」

「あとは貴族でも戦闘経験を積みたいとかで冒険者として依頼を受けたりもしているみたいだな」

「冒険者として依頼を受けるのと、魔法師組合でお金を稼ぐのって何が違うの?」

「何に特化しているか、何をしたいかって話だな。冒険者は冒険者ギルドに所属している者たちが、あらゆる依頼を受ける。魔法師組合はあくまで魔法師たちの集いだからなぁ。魔法の研究をしたり、学生で出来る仕事も魔法に関するものばかりだな。魔法の研究の手伝いとか、そういうのが多い」




 ニコラドさんはそう言って説明してくれる。



 両方とも学生でもお仕事が出来るみたい。でも中身は色々違ったりするんだなと不思議な気持ちになる。




「それって一つしか所属出来ないの?」

「組合は別に兼業でも大丈夫だぞ。ただあまりにも貢献していないと一度資格は消されるから、一から登録しなおしになるはずだ」

「じゃあ、全部に所属とかは出来ないってことだね」

「そうだな。でも有名になりすぎると面倒だから、ベルレナの場合は理由がなければどこにも所属しなくていいと思うけどな」

「面倒なの?」

「ああ。ベルレナはディオノレから魔法を習っているだろ。絶対に目立つ。それにベルレナは可愛いからな。見た目だけでも目立つはずだ。目立ったら色んな連中がちょっかいをかけてくる可能性があるからな」



 ニコラドさんはそう言いながら面倒そうな顔をする。




 ニコラドさんも色々大変な経験してきたのかな? ニコラドさんもかっこいいし、魔導師だし、魔法師組合でえらい人だっていうなら色々経験しているんだろうなと思う。

 まぁ、でもわたしにとってパパの方がかっこいいけどね!!





 パパは人と関わるのを面倒がって基本的に外と関りが少ないけれど、ニコラドさんって聞いている限りずっと色んな人と関わってきていたみたいだし。その分色々大変だったのかなって。

 でも何かしら大変なことがあってもニコラドさんは人と関わり続けているんだよね。それってニコラドさんが人と関わることが好きだからなのかな。





「ちょっかいをかけてくるっていうのは?」

「自分の派閥に所属しろとか、自分の物になれとか、あとは飼い殺しにしようとしたり……、ベルレナは平民として学園に入学することになるだろうから、何かしらそういうやつもいるかもしれない」

「んー、やだなぁ」

「そういうやつがいたら、多分ディオノレが暴れそうだからな……」

「パパはわたしのこと、大好きだもんね!」

「まぁ、あいつ、すっかり親バカになってるからな。でも魔導師が暴れるってことは国が滅びてもおかしくないようなそういう大惨事だ。ベルレナにとっては魔導師が身近過ぎて実感はわかないかもしれないけれど、一般的に見て魔導師が動くってことは国の存亡にかかわったりもするからな?」



 ニコラドさんはそんなことを言う。




 一般的に見て、国の存亡にかかわるかぁ。でも確かにアイスワンドに初めて行った時に、マドーキさんもただの家族旅行でわたしたちがアイスワンドに行ったこと驚いていたしね。

 わたしはパパがどんな力をふるっても怖くない。パパのこと、大好きだから。



 でも例えば、学園に入学した後、何かがあってパパが力をふるったら――周りがパパのことを怖がるかもしれないよね。

 わたしの自慢のパパが怖がられるなんてわたしは嫌。



「何かあったらニコラドさんとお弟子さんに相談したらいいってことだよね。パパにいきなり相談したら、パパが飛んできちゃうかもだから」

「そうだな。ディオノレが飛んでくる前に片付けられればそれが一番いい。それに今はジャクロナも飛んでくるだろ。魔導師二人が飛んで来たら大騒ぎだぞ。あー、でもディオノレより先に俺がベルレナから相談を受けたらあいつすねるかもしれねーな。まぁ、それはそれで面白いからいいか」





 確かにパパはちょっとすねちゃうかもしれない。でもあとから説明すればパパはすぐに笑ってくれるはずだから、大丈夫なはず!

 



本日、書籍発売しました。

よろしくお願いします


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