表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/303

ニコラドさんは色々詳しい ①

「良い家族の絵だな」

「うん!! 凄く素敵な絵でしょ? パパとママのことを本当に素敵に描いてもらったの!!」




 わたしは今、遊びに来ていたニコラドさんに描いてもらった絵のことを自慢していた。

 ニコラドさんは、飾られている絵を見て笑ってくれた。



「それにしてもディオノレもジャクロナも……二人が親をやってるのは何度見ても不思議だな」

「ニコラドさんはパパとママのこと、昔から知っているもんね」

「そうだな。ジャクロナはディオノレに喧嘩を売ってきていたからな。……本当にあれが好意の裏返しとは今思い出しても思えないけどな」

「そんなに?」

「ああ。結構派手にやっていたぞ。ディオノレにとってもジャクロナにとってもちょっとしたことだったかもしれないが、周りからしてみれば逸話に残ってたりするからなぁ」

「パパとママの魔法の打ち合いが?」

「そうだな。俺はいくつかの地域に残っているのを知っている。だからそれがこうやって親になっているなんて、不思議だなって。まぁ、滅茶苦茶面白いけどな!」



 ニコラドさんはわたしとパパとママの家族の絵をじーっと見ながらそんなことを言いきった。




 パパとママのことが残っている地域かぁ。そういう地域に行けたらきっと楽しいだろうな。




 転移魔法の使える人は、本当に色んなところを自由気ままに動き回ることが出来る。だからこそ、色んな場所に、それこそパパやママたちが想像もしていない場所に二人の逸話が残っていたりとかもするのかな?

 そういうのを見つけてパパとママに教えたら、二人はどんな反応をするのかな?

 そんなことを考えるだけでなんだか楽しい気持ちになった。





「そういえばディオノレたちは研究しているのか?」

「うん! 何しているか分からないけれど、二人ともこもっているよ。なんか気になる魔法でもあるのかなって思う。パパもママも魔法のことを考えるのが、凄く好きだから」




 パパもママも部屋にこもって、多分魔法の研究か何かしているのかなと思う。

 時折意見を出し合ったりしているみたい。パパもママも魔導師として魔法に詳しいからね。





「そういうところは本当に相変わらずだな。ベルレナもあいつらがあまりにも籠ってたらちゃんといえよ」

「うん。大丈夫。ちゃんと籠りすぎてたら呼びに行くようにしてるよ。それにパパもママもよく散歩やお出かけに連れてってくれるしね」

「ディオノレとジャクロナは二人とも中々表に出てこないやつらだったからな。そうやってベルレナの影響で外に出るようになったのも良いことだな」




 ニコラドさんはそんなことを言う。



 パパもママもよくお散歩やお出かけに連れてってくれる。わたしが行きたいと言ったらすぐにその場所に連れてってくれたりするんだよね。

 本当に昔は二人とも全然表に出てこなかったというのが、わたしにはあまり想像が出来ない。



「ニコラドさんは、毎日人と会ったりするの?」

「そうだな。ほぼ毎日会ってるな。色々仕事もあるし。あとは弟子に泣きつかれたりとか」

「ニコラドさんに泣きつくことって、なんか大変なことが起こってそう」

「ははっ、そんなに大変なことじゃねーよ。あいつらにもどうにもできない魔物が出たとか、弟子の面倒見ているやつが調子に乗ってるから力を見せてほしいとか、たまにそういうことを頼まれるぐらいだ」

 ニコラドさんはおかしそうに笑いながらそう言って、わたしの頭を撫でた。

「ニコラドさん、凄く頼られているんだね!」

「もう七十を超えてんのに泣きついてくるからなぁ。そういえば、ベルレナ。学園への入学、まだ二年以上あるけど早めに試験の対策はしておいた方がいいと思うんだ」

「試験って難しいの?」

「ディオノレに色々教わっているベルレナなら簡単だとは思うけれど、でも対策はしておいた方がいいだろうな。どの学園に行くかにはよるけど」





 ニコラドさんはそんなことを言う。




 確かに入学するために試験があるなら、対策しておいた方がいいと思う。いざ、入学したいと思っていても試験に受からなかったら困るもの。



 でもベルラだったころは、入学試験のことをあまり知らなかったかも。そう思ってニコラドさんに聞いたら、王侯貴族は貴族ばかりが通う学科にしか基本入らないので幼い頃から習っている教養で試験を合格できるみたい。

 そっか。わたしが通うとしたら貴族たちの多い学科じゃないもんね。





「わたしは今のところ、パパやニコラドさんたちが通っていた学園に通いたいなって思うの。ニコラドさんの弟子の人が学園長やっているところ!」




 今のところ、わたしはパパが通っていた学園に通えたらなという気持ちが強い。何かきっかけがあって、別の場所に通いたい! ってもしかしたらなるかもしれないけれど、今のところはそう思うの。




「そうか。じゃあその学園の対策を中心に、もしベルレナが他の学園に通いたくなった時用に、沢山試験勉強するか? 一つにしか通わなくても沢山知識を持っているのはいいことだぞ」

「うん、そうする! ニコラドさんが教えてくれるの?」

「ああ。俺が教える。ディオノレもジャクロナも、外と関わりなさすぎてそういう学園の試験問題なんて知らないからな」



 ニコラドさんはそう言って笑ってくれた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いつも癒されてます。 学園編、楽しみにしてます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ