パパを秘密基地に招待する ②
11/12二話目
パパを招待する日、わたしはパパに「準備が出来たら迎えに来るから待っててね!」と言って朝からユキアと一緒に秘密基地にやってきた。
というのも、パパのために食事を色々と準備をしたいからね。お菓子とかの準備とかして、わたしのおもてなしをパパに楽しんでもらわないと。
秘密基地の中で料理やおかしなどを作る。簡易的な料理道具も手に入れているから出来るんだよね。でもちゃんと火の扱いには気を付けないと。燃え移ったら大変だもの。
「あまーい、おかしをつくりましょ~」
そんなことを言いながらお菓子を作ってみる。あと料理も。折角のお茶会だからね!! パパをおもてなしだーって思うとワクワクしている。
お菓子とかの準備をした後は、お着替えをする。
パパを屋敷に迎えに行く前に可愛い恰好をしておかないとね。それでね、ユキアにも白いレースの使い魔用の服を着せている。ユキアは少しだけ窮屈そうな顔をしていたけれど、そのまま着てくれた。
使い魔用の服も色々あるんだよね。
ロナさんと一緒に出掛けた時に、ユキア用の服も買ったんだよね。
わたしも可愛いドレスを身に纏っているの。ピンクの刺繍のされた可愛いドレス。こういうドレスを着るのもとっても嬉しいよね。一人で着やすいドレスだけど、凄く可愛いの。
一人でおめかしして、ユキアと一緒に屋敷にパパを迎えに行った。ロナさんにも招待状を渡したけれど、もう来ているかな?
そんなことを考えながら屋敷に戻る。
屋敷に戻ると、パパがいつも通りの服装でいた。パパにもおしゃれしてほしいな。折角前に購入しているし。そういうわけでわたしはパパに「着替えようよー」と言って着替えてもらった。いつもと違う恰好のパパはとってもかっこいい。
わたしはパパを見てにこにこしてしまう。
ロナさんにもね、おしゃれしてきてねって言ったから可愛い恰好できてくれたの。
「パパはかっこいいし、ロナさんは可愛い!!」
かっこいい人も、可愛い人も、見ていると嬉しいよね。
パパとロナさんがわたしのお茶会に来るためにおめかししてくれたのも凄く嬉しいの!!
わたしは秘密基地まで歩く間、ずっと二人の手を握っていた。左手でロナさん、右手でパパの手を握ってる。
なんだかそれだけでも楽しくなってくる。
秘密基地に辿り着いて、中へとパパとロナさんを招待する。ロナさんは家具を置きに来る時に一緒に来てくれたけど、わたしはその後に沢山飾り付けをしたから、飾り付けされた部屋はロナさんも初めてなの。
「ようこそ、パパ、ロナさん。『ベルレナのお茶会』をはじめるよー」
わたしがそう言いながら、ベルラだったころに習ったカテーシーをする。パパがわたしの頭を撫でてくれる。なでられただけでもなんだかパパが喜んでくれているんだなと思って嬉しい。
「凄いな。これを一人で準備したのか?」
「うん。あ、でも家具とかはね、ロナさんに手伝ってもらったけどね。パパをびっくりさせたいなーって思って。あとパパをおもてなししたいっていうそういう気持ちでいっぱいになったから」
わたしがそういえば、パパは笑っている。
「凄いわね。こんな風に飾り付けするなんて。紙でできているの?」
「そうだよ。ロナさん。わたし、招待するなら精一杯おもてなししたいなって思って。飾り付け、凄く楽しかった」
ロナさんにもそういえば、ロナさんも笑ってくれた。
それからわたしとパパとロナさん、あとユキアでの小さなお茶会が始まる。ユキア用のものは小さめの机に水と、ユキアも食べれるお菓子をおく。ユキアがおいしそうにバクバク食べている横で、わたしたち三人はお茶を飲む。この紅茶はね、わたしがいれたの! わたしがおもてなしをする側だからね。
料理とお菓子もだしてね、一緒に食事をしながらおしゃべりしている。
「それでねー……って、わたしばかり喋ってるね」
なんだか楽しくてわたしばかり喋っていて、ちょっとはっとした。でもパパもロナさんもわたしの話を聞くのが楽しいから大丈夫って笑っていた。
「パパもロナさんも優しいよね。でもわたし、パパとロナさんの話も沢山聞きたい!!」
とはいっても二人ともそこまで自分から喋る方じゃないので、わたしが質問して答えてもらうって形になった。
パパもロナさんもわたしの質問を色々答えてくれる。
パパとはずっと一緒にいるし、ロナさんにも出会ってから結構質問しているけれど……、なんかいっぱい質問が溢れてくるね。わたしはパパとロナさんに対して興味があるんだと思う。
それにしても今日のロナさんはいつもより可愛い気がする。わたしがお出かけの時に好きだって言おうっていったからかな? あとでタイミングを見て離れてみたら告白するかな?
好きだっていうならその現場を見て見たい気もするけど……、わたしがいる場だとロナさんもパパに気持ちを伝えない気がするんだよね。やはり頃合いを見て一瞬だけでも席を外してみようかな。




