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海へ遊びに行こう ②

「ふふふ~ん」



 わたしは朝から鼻歌を歌いながら、屋敷のすぐ周りを散歩中である。ユキアも一緒にいるよ。

 朝早くから目が覚めたのでぶらぶらしながら外の空気を吸っているの!



 もう少ししたらパパのことを起こしにいくんだ。

 今日はね、パパと一緒に海へとお出かけをする日なの。そう思うと凄く楽しみで仕方がない。

 だって大好きなパパと一緒に海に行けるんだよ。それが楽しみじゃないはずがないもんね。



 ユキアも海に行くの初めてだからか、嬉しそうに鳴き声をあげている。



 それにしても本当に楽しみだよね。

 鼻歌を歌うわたしの真似をして、ユキアも鳴き声で鼻歌を歌っていた。可愛いなぁとわたしはユキアの頭を撫でる。

 海で何をしようかな。パパと一緒ならば何処で何をしてもきっと楽しいものね!

 散歩を終えた後、キッチンに向かって甘くておいしい果汁の飲み物を飲む。

 楽しみだなとワクワクしていたら勢いよく飲みすぎて、気管に入ってしまった。




「げほっ」

《大丈夫??》

「う、うん。ちょっと勢いよく飲みすぎちゃって」




 一息ついて、もう一度飲み物を飲む。

 ふぅ、今度は詰まらなかった。

 そうやってゲホゲホしていただろうからか、やってきたパパが「ベルレナ? どうした?」と心配そうにやってきた。



「ふふ、大丈夫だよ。ちょっと喉に詰まっちゃっただけだから」

「そうか」



 パパはほっとした様子で、わたしの頭を撫でてくれた。

 パパって本当に心配性で、わたしのことを大切にしてくれている。そのことがわたしは嬉しくて、いつもにこにこしてしまう。




「ねぇねぇ、パパ。今日は何処の海に行くの?」

「秘境の誰も居ないところの海だな」

「誰も居ないって危険な場所?」

「危険といえば危険だが、俺が一緒なら平気だ」

「ふふ、パパと一緒なら無敵って感じだよね」



 パパって本当に最大の味方で、凄く強くて、本当に無敵だって思う。

 まぁ、パパが凄いからってそのことで自分が凄くなったって勘違いしたら駄目だけどね。

 朝食を食べて、ちょっとした準備をしてからパパと一緒に海へと移動することにする。



「わぁ」




 パパの転移魔法によって、わたしの目に映っているものが変わった。




 そこは風が吹き荒れる崖の上だった。普通の人のだったらこういうところにやってくることはまず出来ないだろう。そういう場所に立っていることが何だか不思議で楽しかった。

 それにしても崖の真下が海なんだなぁ。わたしが今足場にしているのは巨大な岩か何かみたい。




「ねぇねぇ、パパ、此処ってどこなの?」

「コワダ島と呼ばれている小さな島だ。人は恐らく住んでいない。俺が昔来た時には誰も住んでなかった」

「へぇ……」



 全然聞いたことのない島だった。



 ちなみにユキアは転移魔法で移動する時は、ユキアは『使い魔のネックレス』の中に居てもらっていたのだけど、今はそこから出て来てもらった。

 ユキアはこういう崖の上に来たことがなかったのか、少しびっくりした様子だった。




「ねぇねぇ、パパ。此処の島って浜辺はないの?」

「一部にだけあると思うが。とりあえず海の方に降りるか」

「うん!」



 パパは魔法を使って、海の上にわたしとユキアを降ろす。海の上にわたしは立っている。それにしてもわたしも自分の魔法でこういう風に海の上を歩けたらきっと楽しいのにな。




 わたしはパパとユキアと一緒に海の上を歩き、その誰も住んでいない島の周りを歩く。それにしても此処ってほとんど浜辺ないんだよなぁ。小さいものはあるけれども、本当に狭くて、不思議な感じ。それにその小さな浜辺のところは周りの海は波が激しくて、岩もいくつかあって、此処に船がたどり着くことは難しい場所みたい。

 わたしはパパの魔法で海の上にいるけれども、普通の人はこんなこと出来ないからね!





「わぁ、なんか渦が巻いているね! ぐるぐるーって回ってる」

「そうだな。ああいう渦は、魔物が起こしているものと自然現象のものがある。船があれで沈没したりとかな」

《あんなのに落ちたらひとたまりもなさそう》




 わたしのはしゃいだ声にパパが答え、ユキアはぐるぐる回っている渦を見て怯えた様子を見せている。わたしは大丈夫だよとでもいう風にユキアの頭を撫でた。




「船かぁ。船も乗ってみたいな」




 パパの魔法があれば、船とかそういうものに乗る必要はない。だけどちょっと乗ってみたいなと思って呟く。

 船に乗って、川や海の上を移動するのって危険も伴うものらしい。本とかでも特に違う大陸への移動は命の危機もあるものらしい。パパが一緒だったら何の心配もいらないだろうなと思う。わたしもパパみたいに何が起きても大丈夫なようになりたいなって思う。




「今度、船にも乗るか」

「うん!」




 そんな会話を交わした後、小さな浜辺に降りた。驚いたのだけど浜辺に降りようとした瞬間に砂の中から大きな魔物が出現してびっくりした。なんだろう、貝殻みたいなのの中に身体のほとんどが覆われていて、攻撃しにくそうな魔物だった。




 パパがわたしに倒してみるかと問いかけてきたので、わたしは魔法を使ってその魔物を倒したの。殻に覆われているから少しだけ難しかったけれど、ちゃんと倒せてほっとした。わたしも少しは強くなれているのかなって嬉しいよね。



 それにしても中々辿りつくことが難しい場所で、加えてこういう危険な魔物がいるのって本当にこの島って結構危険だなって思った。




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