表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/303

パパとロナさんとお買い物 ④

 一人でお買い物をしたり、街を見て回るのは何だかワクワクした気持ちになる。なんだろう、パパと一緒に街を見て回るのももちろん楽しいよ。でもね、こうして一人でぶらぶらするのも本当に楽しいなと思うの。



 それにしてもこうして一人でぶらぶらしていると、興奮を覚えてしまう。

 わたしはパパとロナさんに何を買おうかなと見て回る。



 パパとロナさんは恋人ってわけでもなくて、パパとロナさんの距離はロナさんがパパのことが好きなだけだからなぁ。だからお揃いとかはなしの方向で……。だってパパがちょっと嫌がりそうだし。

 パパがロナさんに恋心を返したら別だけど、そういう気持ちの押し付けは駄目だろうし、そういうの難しいよね。




「お嬢ちゃん、何か探しているのかい?」



 雑貨屋を一人で見て回っていると店員のおばあさんに声をかけられる。人のよさそうなおばあさんの言葉に、わたしは答える。



「パパと、あと知り合いのお姉さんに何かあげたいなって思っていて」

「そうなのかい」

「うん。喜んでくれるもの渡せたらなーって」




 わたしはパパのことが大好きだし、ロナさんのことも好き。だからこそ、何かプレゼントしてそれで喜んでくれたらきっと幸せだろうなとそんなことを思う。

 ロナさんは鏡とかでも喜ぶかな? 髪飾りとかでもいいかも……。あとは肌に良いものとか……。パパはおしゃれに興味はそこまでないけれど、どうしようかな。

 美味しそうなこの街のお土産のおやつみたいなのでもいいかもしれない。一緒に美味しいおやつを食べるのも良いものね。あとはパパは魔法の研究をしているとすぐに食べることを忘れたりもするから、その合間で食べられるものとかもいいかも。




「むー」




 何をあげたらいいだろうかと、そんな風に悩んでわたしは迷ってしまう。




 なんだろう、こういう雑貨屋に素敵に並べられているものを見るとなんでもかんでも素敵なものに見えてしまうというか……。



 わたしとロナさんでお揃いの髪飾りとか、小物とか使うのも良いかもしれない。少なくともわたしはロナさんとお揃いだと嬉しいもん。

 でもわたしばかり嬉しいってなっちゃうかな? 




 一旦、雑貨屋でぴんと来るものがなかったので、わたしはまた別のお店を見に行くことにする。

 歩きながら美味しそうなジュースが販売されていたので、購入する。

 うん、美味しい。

 わたし、甘い果実を使った飲み物ってとても好きだ。お店の前で「美味しい」って思わず嬉しくなって笑ったら、何だかお客さんが少し増えた気がする。ちょっとした宣伝になったのだろうか?




 次はどこを見ようかなと歩いていたら、声をかけられる。




「なぁ、お前、一人なのか?」




 それは同じ年ごろの男の子だった。わたしに話しかけてきて何か用なのだろうか?




「うん。今はパパへのプレゼント探しているの」

「なら、俺と一緒に来ないか? お勧めのところ、教えてやるよ!」




 何だかキラキラした目の男の子にそんな風に言われたけれど、パパに知らない人についていったりしないようにと言われているからなぁ。同じ年の男の子でも、パパが居ない状態でついていくのは……何かあったら大変だもん。

 というわけで、「ごめんね」と謝って断っておく。

 しゅんとした顔をされてしまったけれど、わたしはパパとの約束を守りたいからね!




 それにしても、なんだろう、パパが与えてくれたこのベルレナとしてのホムンクルスの身体は綺麗で可愛いから結構注目を浴びている。




 ベルラだった頃から可愛い見た目の子供は一人で歩くと変な人が来る時があるって言われていたし、ちゃんとそのあたりは気を付けないと! なにか大変なことになってもパパがすぐに助けてくれるだろうけれど、わたしに何かあったらきっとパパは凄く怒ると思うし。




 でもこの街って結構治安がよさそうだよね。

 わたしぐらいの年頃の子供が、子供だけで動いているのも見かけるもん。




 わたしは次に本屋に入った。自分で本が欲しいなと思ったのと、もしかしたらパパが気に入るものもあったりするかな? とちょっと思ったから。

 パパは屋敷に沢山の本を持っているから、本を渡すとなると難しいかな。でもロナさんには面白そうな小説買ってもいいかも! 読まないというならわたしが読めばいいしね。




 わたしは料理の本を手にとる。



 パパに美味しいものを沢山食べさせてあげたいから、こういう本を見るのは好きなんだよね。

 なんか戦争時などの食事のレシピの本とかもあるんだ……。戦争って、国と国同士が喧嘩するってことだよね。うん、怖い。あとは世界中を移動している冒険者や旅人もこういった携帯食食べてたりするらしい。わたしは多分、そういう食事をする機会はないだろうけれど、こういうのも学んでおいたら何かに繋がったりするのかな?



 本屋さんでは結局自分用に三冊と、ロナさんも読むかなと一冊小説を買った。

 収納庫にしまうと目立ってしまうので、一旦手に持っている。



 アクセサリーの売ってあるお店に入ろうとしたら……わたしがお金を持っていないと思われたのか入れなかった。わたしが冷やかしで入ろうとしたように思われたようだ。

 子供で、貴族じゃない身なりだとそういうこともあるんだなという勉強にはなった。




 色んなところを見て回って買い物を進めていたら、後ろからついてきている人がいることに気づいた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ