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血と鉄の女傑


 転移で戦艦と一緒に転移する感覚は、正直に言うと違和感しか感じない。


 周囲の海水ごと転移するため、転移を始めれば甲板の上は海水でびしょ濡れになる。艦橋の窓にへばりついた真っ白な海水たちが流れ落ちていったかと思いきや、窓の向こうにあらわになるのは全く別の海なのだ。まるで、潜水艦のように海中へと潜航して、地球の反対側にある海で浮上したようにも思えてしまう。


「転移完了。機関部に極めて大きなダメージを確認」


 艦橋にいるホムンクルスの機関長が、魔法陣に表示される真っ赤な数値とグラフをチェックしてから報告した。


 転移に必要になる魔力の量は転移する対象に質量に比例するため、艦艇が転移を使うためには、フィオナ機関1基を使い捨てにしなければならない。


 そのため、一般的な軍艦は艦を動かすためのフィオナ機関と、転移で使い捨てにするためのフィオナ機関を搭載している。とはいっても、駆逐艦や潜水艦のような小型の艦艇は転移用のフィオナ機関まで搭載するような贅沢はできないため、転移ができるのは巡洋艦、戦艦、空母などの大型の艦艇のみである。


 このチャン・リーフェンも、本来であれば転移用のフィオナ機関も搭載している。転移するのであればそれを使い捨てにできるのだが、ジャングオで受けた応急処置の際に搭載されたのはたった2基のフィオナ機関のみ。本来であれば機関室に4基搭載し、更に転移用のフィオナ機関を1基搭載する事ができたのだが、用意できた旧式のフィオナ機関は2基のみであり、しかも襲撃してきた大和型戦艦との砲撃戦で片方が損傷してしまったため、チャン・リーフェンは最後の1基を使い捨てにする事しかできなかった。


 つまり、今のチャン・リーフェンは航行不能という事だ。


「ガルゴニス様、フィオナ機関は完全に大破しました………」


「仕方あるまい」


 乗組員たちは非常に優秀だ。それに、このチャン・リーフェンも大和型戦艦の46cm砲による砲撃に耐え切った。


 我らは生き残る事ができたのじゃ。


 そう思いながら、艦橋の窓の向こうに見える奇妙な色の海原を見据えた。


 抉られた艦首の向こうには、小さな大陸と巨大な大陸が見える。奇妙な色の海原は、その大陸の中間部にある巨大な海峡の中だけを満たしている。


 蒼い海原ではなく、桜色の海原だ。


 100年以上前に勃発した災禍の紅月の際に、あの海域は無数のホムンクルス艦隊とテンプル騎士団の主力艦隊が激戦を繰り広げた海域となった。その戦いで大量のホムンクルス側の艦艇が撃沈され、桜色の体液が海面へと流れ落ちた結果、海水があのような色に変色してしまったと言われている。


 既にウィルバー海峡という名称がある海域だが、その戦闘以降は”桜海おうかい”と呼ぶ者も多い。


 まだ桜海を見た事がないホムンクルスたちは、目を見開きながら蒼と桜色のグラデーションとなっている海原を凝視していた。


 それゆえに、彼女たちは気付いた。


 海水の色が、幻想的な桜色から蒼へと戻っていく境目に――――――巨大な海上要塞が屹立していることに。


 まるで巨大な金属製の円盤から、海中へと6本の巨大な足が伸びたような形状の要塞だ。円盤の上には合計で10基も巨大な4連装砲――――――ジャック・ド・モレー級の主砲と同じものだろう――――――が搭載されていて、その傍らには無数の対空砲がある。円盤の中心部から伸びているのは、戦艦の艦橋よりもはるかに高い司令塔だ。灯台としても機能させるためなのか、最上部は紅く点滅しているのが分かる。


 その要塞の周囲にも、円盤型の要塞を小型化したような形状の海上要塞が建造されていた。


「前方の要塞より発光信号を確認。『所属を明らかにせよ』とのことですが………」


殲虎公司ジェンフーコンスー所属という事と、航行不能という事を伝えろ」


「かしこまりました」


 同盟組織なのだから、我らを受け入れてくれる筈じゃ。


 しばらくすると、数隻の駆逐艦と海防戦艦がこちらへと近付いてきた。今のチャン・リーフェンは機関部が大破しているため、他の艦に曳航してもらわない限り動くことはできないのだ。


 巨大なワイヤーが船体に引っかけられるのを艦橋から見下ろしながら、私は祈った。


 我らを救ってくれた戦士たちが無事でありますように、と………。


















 

 


 発射された徹甲弾が、敵艦の艦橋を穿つ。装甲の破片やガラスの破片が甲板へと飛び散り、ジャック・ド・モレー級よりも小さな船体がぐらりと揺れる。


 砲撃を終えた砲身が元の角度へと戻りつつ、別の角度へ旋回していく。砲塔の内部ではテンプル騎士団が独自開発した装填装置により、44cm砲の徹甲弾が再び砲身へと装填されている事だろう。


 今のネイリンゲンは、前方の大艦隊を攻撃する事に夢中になっている敵艦隊を、時間限定で一方的に攻撃できる権利が与えられている。当たり前の話だけど、戦艦とか巡洋艦はすぐ近くに現れた敵を迅速に攻撃する事はできない。敵を発見した見張り員が艦内にいる艦長へそれを報告し、艦長が艦内の様々な部署へと命令を下してから、やっと艦艇は別の行動をとることが許される。


 それに対し、ネイリンゲンは最初から敵の大艦隊のど真ん中に転移する準備を終えた状態でここへと転移した。砲手たちは敵艦隊を砲撃する準備を終えた状態で待機しているし、見張り員たちも砲手たちへ敵艦隊の位置を報告する準備を終えた状態で艦と共に転移している。少なくとも、ネイリンゲンに気付いた敵艦隊が迎撃準備を終えるまでの間は反撃される恐れはないし、こっちは好きなだけ攻撃できる。


「艦首魚雷発射管、1番、2番、撃てぇっ!!」


発射アゴーニ!』


 艦首に搭載された魚雷発射管から、対艦攻撃用の533mm魚雷が立て続けに放たれる。後部のスクリューから純白の泡を生成しながら躍り出た2発の魚雷は、ネイリンゲンの艦首の向こうで砲塔を旋回させていた巡洋艦の艦尾を直撃した。スクリューや舵もろとも艦尾を魚雷に直撃された敵艦は、巨大な水柱と火柱を噴き上げながら鳴動する。爆発の運動エネルギーに突き飛ばされた哀れな巡洋艦は、2発の魚雷に抉り取られた艦尾から浸水が始まったらしく、右へと回避したネイリンゲンが脇を通過する頃には既に艦尾が海中へと沈み始めていた。


「取り舵20、最大戦速を維持!」


『了解、とーりかーじ20!』


 艦橋にいる航海長が伝声管へと叫んだ直後、艦橋のすぐ前で旋回した第三砲塔が火を噴いた。


 ネイリンゲンの第三砲塔は艦橋のすぐ前にある。第三砲塔の前方には高い第二砲塔があるため、第三砲塔が砲撃できるのは側面のみだ。


「第一、第二砲塔、12時方向の敵戦艦へ砲撃用意」


「徹甲弾装填! 目標、12時方向の敵戦艦!」


 別の敵艦を撃沈したばかりの第一砲塔と第二砲塔が、ぐるりと艦首へ向けられる。


 戦艦ネイリンゲンの舳先の向こうには、こちらに艦尾を向けたまま呑気に砲撃を続ける大型の戦艦がいた。大型とは言っても、前弩級戦艦のサイズを少し大きくしたような形状だ。相変わらず前部甲板と後部甲板には1基ずつ連装砲があるし、両舷からは無数の副砲の砲身が突き出ている。


 次の瞬間、こっちを向いた状態だった後部甲板の主砲が火を噴いた。30cm砲の徹甲弾がネイリンゲンの艦橋を掠め、後方の海面へと激突して純白の水飛沫を噴き上げる。さすがにネイリンゲンが敵艦隊の中心部で大暴れしていることに気付いたらしく、手の空いている他の艦も砲塔をこっちへ旋回させ始めた。


 だが――――――右舷や左舷から砲撃してくる敵艦の砲弾は、ネイリンゲンにはなかなか当たらない。


 艦首の向こうに着弾する砲弾もあるし、艦尾の更に後方を射抜く砲弾もある。


 今のネイリンゲンは、味方艦隊がいる方向へと最大戦速で突進している。今までは36ノット程度が最大戦速だったが、新型複合機関の圧倒的な出力の恩恵で、何と45.5ノットも出す事ができるようになっているのだ。全長304mの戦艦が出す速度ではない。


 そのせいで、あろうことか敵艦の主砲の砲塔は、旋回速度が遅すぎてネイリンゲンへの照準が間に合っていない。艦長が砲撃準備を命じても、ネイリンゲンは敵艦の主砲が旋回している隙に全く別の位置へと移動し、もたついている別の艦を主砲で撃沈してしまっている。

 

 敵艦がネイリンゲンへ砲撃を命中させるよりも先に、第一砲塔と第二砲塔が徹甲弾を斉射した。


 合計8門の44cm砲から、従来の装薬に高圧魔力を添加した特殊な装薬の爆発で徹甲弾たちが躍り出る。被弾して爆発したのではないかと思ってしまうほどの衝撃が艦橋を通過していったかと思いきや、凄まじい弾速で飛翔していた砲弾たちが、あっという間に敵艦の後部甲板や煙突を抉った。


 後部甲板の主砲が潰れ、徹甲弾に直撃された煙突が折れる。爆炎が次々に船体から溢れ出し、火達磨になっていく。


 轟沈していく敵戦艦の脇を通過するネイリンゲンの甲板で、既に砲弾の装填を終えた第一砲塔と第二砲塔が別の角度へと旋回を始めていた。


 もう既に、敵艦を何隻も撃沈している。


 オルトバルカへ侵攻する大艦隊の真っ只中を、ネイリンゲンはたった1隻で戦艦とは思えぬ速度で突き進んでいる。


 かつて、モリガンの傭兵と呼ばれた10名足らずの傭兵ギルドの兵士たちが、無数の敵を屠ってきたように。


 この艦に与えられている名は、そのモリガンの旧本部があったオルトバルカ南方の街の名前だった。


「艦首魚雷発射管、3番、4番、発射用意!」


「前方の敵艦が回頭!」


 魚雷の発射を命じようとするよりも先に、見張り員が叫んだ。ぎょっとしながら前方を凝視すると、ヴァルツ軍の戦艦がゆっくりと回頭し、副砲がずらりと並んだ左舷をこちらへ晒している。前部甲板と後部甲板の砲塔も旋回しており、一斉射撃の準備をしていた。


 ネイリンゲンの甲板の上を、左右から飛来する砲弾たちが通過していく。第二砲塔の上を掠めた30cm砲の徹甲弾が、砲塔の上に搭載されていたボフォース40mm機関砲を吹き飛ばす。けれども砲塔には全く損害がない。歩兵が放った銃弾が戦車に弾かれるように、砲塔の分厚い装甲は造作もなく砲弾を弾いてしまう。


「構わん、このまま魚雷を撃つ!」


「目標、12時方向の敵戦艦!」


「魚雷発射管、3番、4番、撃てぇっ!!」


 ジャック・ド・モレー級の艦首には、対艦ミサイルが装備できなくなったことによって低下した攻撃力を補うために魚雷発射管が4門ほど搭載されている。そのため、正面にいる敵艦に533mm魚雷をお見舞いし、吹き飛ばしてやることが可能だった。


 艦首の魚雷発射管から発射された533mm魚雷が、敵戦艦の左舷へと向かって行く。あのままこっちに艦尾を向けていれば命中率は下がっていた事だろう。敵艦の艦長は、回頭して道を塞ごうとしたのが失策だったことに気付いたに違いない。


 ドン、と敵戦艦の左舷に水柱が噴き上がったかと思いきや、船体を覆っている装甲の一部が弾け飛び、船体が真っ二つに折れ始めた。


 乗組員たちが必死に海面へと飛び込んでいるのを見つめているうちに、ネイリンゲンは沈んでいく敵艦を追い越していた。


 ゴン、と船体の側面に小型の砲弾が着弾する。見張り員が「敵の駆逐艦、3時及び9時方向!」と叫ぶと同時に、僕も敵の駆逐艦が攻撃してくるのに気付いた。先ほど撃沈した戦艦よりも小ぢんまりとしていて、前部甲板には小型の単装砲がある。多分、戦車砲くらいのサイズの主砲なのだろう。30cm砲の徹甲弾ですら通用しないネイリンゲンには脅威ではないが、そのまま砲撃を続けられて設備を破損する羽目になったら面倒だ。


「副砲で応戦せよ!」


「第一、第三副砲は左舷、第二、第四副砲は右舷の敵を攻撃! 撃ち方始め!」


 戦艦ネイリンゲンの後部甲板には、副砲である20cm3連装砲が左右に2基ずつ搭載されている。戦艦を砲撃するための武器ならば威力不足だけど、装甲が薄い上に船体が小さな駆逐艦ならばオーバーキルと言っていいだろう。


 ガギン、と20cm砲の徹甲弾が駆逐艦の船体を撃ち抜いた音が艦橋の中まで聞こえてきた。ちらりと一瞥すると、先ほどまで必死に小さな主砲を放っていた駆逐艦の船体に3つの大きな風穴が開いていて、炎が噴き出ている。


 反対側を攻撃していた駆逐艦も、たった今轟沈した味方艦と同じ運命を辿った。艦橋、煙突、船体の右舷に大穴を開けられた駆逐艦が、何度も爆発を繰り返しながら火達磨になり、海の中へと沈んでいった。


 何隻沈めたのだろう。


 間違いなく大戦果だ。まだ乗組員たちの錬度は高いとは言えないけれど、士気は上がっているに違いない。


 とはいっても、敵艦隊の中央に単独で転移するのは僕の独断だ。下手をすれば軍法会議かもしれないけれど、覚悟は決めている。


「前方、テンプル騎士団主力打撃艦隊を捕捉!」


「よし、あと一歩だ!」


 双眼鏡で前方を確認しながら叫ぶ。確かに、次々に主砲で撃沈されていく敵艦隊の向こうに、蒼と黒の洋上迷彩で塗装された超弩級戦艦たちが見える。彼女たちも敵艦隊の中央突破を敢行するつもりなのか、密集隊形でネイリンゲンの方へと向かってくるのが分かる。


「第一、第二砲塔、12時方向に友軍艦艇を捕捉。誤射に注意」


『了解!』


 もう少しで味方艦隊と合流できる。転移直後の奇襲で敵艦隊の中央部は大損害を被っているし、ネイリンゲン単独でかなりの損害を与えながらここまで進んできた。味方艦隊の中央突破の難易度は下がっていると言えるだろう。


 右舷へと旋回した第一砲塔と、左舷への旋回を終えた第二砲塔が同時に火を噴く。前部甲板が爆炎に覆われ、それを置き去りにした合計8発の徹甲弾が左右の敵艦を貫通する。


 砲撃を終えた砲身が一旦下がり、砲塔内部の装填装置によって新しい砲弾が装填される。砲弾と装薬の装填を終えた砲身からまた仰角を上げ、観測員の指示を受けた砲手たちが仰角と砲塔の角度を微調整。敵艦への照準が完了したのを確認してから、発射スイッチを押して砲撃する。


 次の瞬間、前方の敵戦艦が砕け散った。砲塔、艦橋、マスト、煙突が木っ端微塵に砕け散り、船体が左右へと抉られていく。ネイリンゲンの主砲は左右の敵を砲撃したばかりだから、この艦の砲撃ではない。


 目の前の敵艦を轟沈させた艦の正体を理解すると同時に、轟沈した敵艦が大爆発を起こした。残骸が海の中へと沈んでいき、フィオナ機関から漏れ出た高圧魔力が発火して、海面を火の海にしている。


 やがて、その爆炎の中から巨大な戦艦が現れた。


 蒼い洋上迷彩で覆われているのは、ネイリンゲンと同じく304mの巨体だ。前部甲板と後部甲板には2基ずつ55口径44cm4連装砲が搭載されており、艦橋や煙突の周囲には副砲や対空砲が所狭しと並んでいる。他にも艦橋のサイズ以外は全く同じ外見の艦は存在するけれど、その先頭を進む超弩級戦艦には随分と強烈な威圧感があった。


 100年以上も艦隊の先頭に鎮座し、総旗艦でありながら先陣を切り続けた女傑なのだから当たり前だろう。


 ネイリンゲンの右舷を、戦艦ジャック・ド・モレーが通過していく。ネイリンゲンよりも高い位置にある艦橋を見上げると、艦橋にいる見張り員やジャック・ド・モレーの航海長たちがこっちに手を振っているのが見えた。


 僕は彼らに敬礼を返す。ジャック・ド・モレーの後に続く他の同型艦や、航空戦艦型のジャック・ド・モレー級たちも、同じように僕たちに手を振りながら隣を通過していった。


 最後尾に行ったら反転命令を出そうと思ったけど、それよりも先に総旗艦ジャック・ド・モレーから命令が下される。


「艦長、ジャック・ド・モレーより入電。『ネイリンゲンはこのまま沿岸部へ急行し、スペツナズの上陸支援と艦砲射撃を敢行せよ』とのことです」


「了解。これより本艦は沿岸部へ向かう」


 まあ、さっき大量の敵艦を撃沈してきたからね。


 近くにある伝声管の蓋を開け、僕は言った。


「スペツナズ、上陸準備」



















 やっと出番だ。


 読んでいたラノベに栞を挟み、これを貸してくれた乗組員のベッドの上にそっと置く。海戦になれば前世の世界で廃れた戦艦たちが大暴れするのを見れるんだが、残念なことに陸軍所属の俺たちに出番はない。ラジオで音楽でも聴くか、ラノベを読みながら待機しているしかないのである。


 ポーチの中にStG44のマガジンを放り込み、ホルスターの中にサイドアームのトカレフTT-33を入れておく。メインアームはStG44になるが、少しばかりカスタマイズしておいた。銃身の左斜め下に木製のフォアグリップを搭載し、ストックに強装弾のマガジンが1つ入った革製のポーチを巻き付けてある。銃口にはちょっと大型のマズルブレーキを搭載しているので、少しは反動が小さくなっている事だろう。


 ジェイコブ、コレット、マリウス、エレナ、ジュリアの5人もメインアームやサイドアームの点検を終え、ヘルメットをかぶっていた。


 テンプル騎士団のヘルメットは、イギリス軍が第一次世界大戦や第二次世界大戦で採用した『ブロディ・ヘルメット』を彷彿とさせるデザインをしている。形状はそっくりだけど、よく見ると防塵用のゴーグルを引っかけるための金具や、頭部に角があるホムンクルス兵のための穴がある。色は部隊によって異なるが、スペツナズ用のヘルメットは黒と灰色のスプリット迷彩となっている。


 第二分隊の連中も準備を終えたらしく、ヘルメットをかぶった状態で待機していた。


 仲間たちの顔を見渡し、全員が術撃準備を終えた事を確認してから、俺はStG44を肩に担いで笑った。


「――――――さあ、殺しに行こうか」


 


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