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34 真っ白な世界

 どのくらい時間が経ったのだろう?


 目を開けるとそこは真っ白で何も無い場所だった。


「ここは一体何処だ?」 


 疑問を口にしても誰も答える者はいない。


 ふと、気が付くと前方にキラキラと輝く物が目に入った。


「あれは!?」


 近寄ると真っ白な木の枝にペンダントがかけられているのが目に入った。


「…これは、ライトエルフの王の証」


 こんな所にあったのか、とそれを手にした途端、僕は、いや私は全てを思い出した。






 あの日。


 ダークエルフの女王から会談を持ちかけられ、すぐに側近と共に対応を練った。


「おそらく彼女の目的はこの『王の証』だろう。だが、これを彼女に渡すわけにはいかない。それにこれが彼女の手に渡ったら、邪魔な私も消されるだろう」


「陛下。それならばその『王の証』を偽物にすり替え、尚且つ私と陛下が入れ替わるのはどうでしょうか?」


「だが、そんな事をすればお前の命が…」


 側近の申し出は有り難かったが、みすみす彼を危険に晒したくはなかった。


「大丈夫です。陛下が無事であれば、私も再びこの世に生を受ける事が出来ます。ダークエルフの女王は陛下を害したら側近の事は放置するに決まっています」


 私は迷ったが、生き延びるためにはそれしかないと判断した。


 私と側近が入れ替わるには大規模な魔法を使う必要があった。


 私はライトエルフの王のフィルバートではなく側近のフィルバートとして、側近のレオナールはライトエルフの王のレオナールと周知させた。


 ただ一つの懸念は、復活した際に記憶を失っていないかという点だった。


 そして、その懸念は当たっていた。


 だが、まさか身体まで小さな妖精になってしまうとは想定外だったが…。


 だが、こうして記憶を取り戻した以上、私はライトエルフの王としてダークエルフの女王と対峙しなくてはならない。


 私はペンダントを首にかけると、元の世界へと戻っていった。


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