第13話「カラオケに行くそうです!!」
「今日はみんなでカラオケだ~!!!!」
「「いぇ~い!!!」」
今日は土曜日で学園は休みなのでみんなでカラオケに来ていた
提案主は火希さんでなんでも「テストが終わったからもうぱ~っと遊びたい!」ということらしい
メンバーはいつも通り僕、雪華さん、火希さん、弘人、磯谷さん、朱音くんだ
「じゃあまずはトップバッター!あたしとひろくんだよ!!」
「俺の完璧な美声を聞かせてやる!!」
そう言うと火希さんと弘人はマイクを持って立ち上がった
画面を見ると男女ユニットの恋愛デュエット曲が予約されていた
「~~~♪」
「~♪!!」
火希さんは声がもともと可愛いのでこういう恋愛系の曲が似合うのだがそれ以上に弘人が上手かった
火希さんの声質に合わせてちょうどいい感じで歌っているがタイミングもピッチもぴったり合っている
それから少しすると明るい曲が終わって火希さんがソファーに座った
「はぁ~歌った~!!ひろくん上手くない?」
「まぁ俺はほまに合わせて歌っただけだけどな、それよりほまのが声に曲が合ってて良かったぞ」
「そうでしょ~!」
火希さんは弘人に褒められてうれしそうにしている
僕はこの時「このふたりホントに付き合ってないのか?」と思った
「それじゃあ次は私が歌おうかな」
火希さんと弘人が終わると次は雪華さんが歌うと言い出した
今まで雪華さんの歌声は聞いたことが無かったため少し期待している
すると雪華さん二本マイクを持って僕の方向を向き、マイクを差し出してこう言った
「ねえ清水くん!一緒に歌お!」
「え...わかった、いいよ」
僕は雪華さんのお誘いに断る意味は無いのでマイクを受け取って立ち上がった
************
「~~~♪」
「~~~~♪」
「...はぁ~!久しぶりにカラオケに来たけどやっぱ楽しいね!」
歌が終わって雪華さんは楽しそうに目をキラキラさせていた
さっき歌った曲はまたしても恋愛の曲だったから正直歌いずらかった
すると雪華さんが座っている僕に近寄ってきた
「てゆうか清水くんめちゃくちゃ歌上手だね!」
「あ、ありがと」
「たしかに清水歌上手かったな、音程もリズムもずれてなかったし」
僕は雪華さんと磯谷さんに褒められて少し照れくさくなっていた
すると火希さんがとある提案をしてきた
「ねぇ!そんなに上手だったら文化祭でひろくんと一緒に出てみたら?」
「文化祭?」
「うん!うちの文化祭は出たい人が生徒会に言ったらステージに出れるんだよね」
「あ~そう言う事か、まあ俺は全然いいぞ」
「私も見てみたいな」
火希さんは僕と弘人で文化祭のステージに出る提案をしてきたのだがそれに弘人は乗り気のようだった
そして何故か雪華さんが僕たちの文化祭に出るのに乗り気だった
そんな雪華さんを見て僕は少し気まずくなってこう言った
「...あの雪華さん、ちょっと近いかも...」
「ふえ?...~~~~~~」
雪華さんは僕が指摘すると顔を真っ赤にしてすぐさま離れていった
その後は少し気まずくなったので僕はドリンクを取りに行くと言って戦線を離脱した
++++++++++++
「...はぁ~」
私はさっきの自分の行動を反省していた
無意識とはいえ顔の目の前まで近づいてしまったからだ
その様子を見た鹿野ちゃんは私の隣に来た
「まぁ華恋ちゃん...正直あの状態は清水くんの反応はしかたないと思うよ...」
「...だよね」
「でも清水はそういうのに鈍感な所はあるけど人並みには照れるって感情があるから仕方ないよ」
めずらしく鹿野ちゃんや朱音くんが清水くんの味方になっている
「...帰ってきたらちゃんと謝ろう」
私はそうやって決心して帰ってきた清水くんに謝って気まずい雰囲気が無くなってからカラオケを再開した
;;;;;;;;;;;;
「じゃあ私たちはこっちだから、真名と朱音くんお疲れ~!!」
「ん、お疲れ」
カラオケが終わって時刻は午後6時、僕は真名と一緒に帰ってきた
僕と真名は他のみんなとは少し違う方向なので途中からふたりになる
「ねえ真名」
「ん?どうした?」
「ありがと」
「どうしたの急に」
「ほら...僕って引き籠もってるだけだったじゃん。それを変えてくれたのが真名だったから」
「そうだね...でも最後に決断したのは朱音だからホントに変えたのは自分の中の自分だよ」
「...でもその後に綺麗な世界に変えてくれたのは真名だから感謝してるんだ」
僕を変えるのは僕しか居ない。そんな事は分かっていたがそこまでいくのに手助けをしてくれた真名がいたからこそ今の自分があるのだと思う
そして僕と真名が一緒に道を歩いていた時に目の前から車が近づいてきているのに気づいた
「真名!!」
「!!!」
僕は真名が車に当たらないように肩を掴んで自分の方に引き寄せた
すると僕の胸あたりに真名の顔が埋もれたので急いで剥がした
「ご、ごめん!!急に抱き寄せて」
「あ、別に大丈夫、ここ私の家だからここでお別れだね。ばいばい」
「ん、ばいばい」
気がついたら真名の家の前に着いていたので僕と真名はそこで別れた
;;;;;;;;;;;;
私はさっきまで朱音と帰っていたのだが目の前から来ていた車に気がつかなかったのだが朱音が抱き寄せてくれたおかげで轢かれずに済んだ
そして私の家に着いたので私と朱音は別れたのだが
「...びっくりした」
私はさっきに事でどきどきしていた
これは車に轢かれそうになったことでは無いと思う
どちらかというと朱音に抱き寄せられた時からだった
「...わかんないな」
そう言って私は家の中に入って行った
ほ~っほっほ、わたしの恋愛貯蔵庫はまだまだいっぱいですよ




