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マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる  作者: 入栖
■2章 マジエロ★シンフォニー -美少女遊戯(エロゲ)学園の劣等生-
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84 学園ダンジョン②

姉さんのサンドイッチで経過したのは1晩だけです。安心してください。

 十一層から二十層までの道のりはさほど辛くは無いと思っている。モンスターの強さは暗影の遺跡パンツダンジョンや亀で稼いだダンジョンと同じであろう。しかし十一層からどうやっても避けられず、なんらかの対策が必須な物が出てくる。それが。


「早速見つけた……やっぱ暗影の遺跡で指輪を手に入れといて良かったな」


 目の前にある罠をひょいと跳び越えると、そこらに落ちていた石ころを投げる。するとその場所の横で『ガチ』と何かがハマる音がしたかと思うと、横壁から木の丸太が現れ、前を通り過ぎる。それも壁などなかったかのように。

 それは、地球では考えられない、明らかな超常現象ではある。だが、ななみ曰くこれが普通らしい。ダンジョンでは世界も異常だけど罠も異常、しっかり覚えとかなきゃまずい。


 俺は古ぼけた指輪に手を添える。

 いやあ、自分の評価が下がることを覚悟してまで、入手した甲斐があったってものである。この指輪が無ければ、ソロ四十層など夢のまた夢だろう。


 しかしこの指輪は四十層までしか効果が無い。四十一層以降は中級の罠が登場するから、この指輪では力不足だ。今回は四十層までしか進まないからなんとかなるが、今後はななみに頑張って貰わないといけない。でもエロ罠にはかかって欲しいような……何だこの矛盾。


 十一層から出現するモンスターは、十層に出てきたモンスターから一新される。ただ、そいつらも十五層ぐらいまでに総入れ替えされるが、その中で一匹だけ対処がめんどくさいモンスターがいる。しかもちょうど目の前にいるんだよなぁ。


 出てきたそいつは犬のような頭をしていた。


 開いた口からは舌がベロンと飛び出ていて、その舌の横辺りには、鋭い牙も見える。また、原始人が持っていそうな棍棒を所持しているが、ガリガリの体を見るに、殴られても余り痛くなさそうだ。


 この世界で初めて見るが、こいつこそ様々なファンタジー系のゲームに出てくるコボルトだろう。基本的にザコ扱いされているコボルトだが、マジエロにおいてもザコであった。


 では何が厄介か? と問われれば速さだ。

 それなりに速いのである。コボルトは力が弱い代わりに、その分のステータスを速度に振っているようなキャラだ。倒すのは簡単である。攻撃してきた所を第三の手で防ぎ、その隙に第四の手で殴るか、居合いで終わり、とのことである。また速いとはいっても、クラリスさんや先輩などとは比べるにすら値しないぐらいの速さであろうが。


 しかし逃げる前提だと話は違うんだよな。


 足がそれなりに速く、しかも耳が良く臭いを追える生物であるため、非常に逃げにくい。しかしわざわざ狩るのもな……。


 目の前にいるコボルトは、棍棒を構えながらこちらの様子を窺っている。


 コボルトは知性もあって、むやみやたらに攻めてこない。隙を見計らって攻撃してくる。しかもこちらから攻撃しようとすると、逃げに走ることもあるらしい。そして逃げたかと思えば後ろから攻撃してくるとかなんとか。


 なんとこざかしいモンスターであろうか。

 まあ実際に出会ったのは初めてだし、ほぼ先輩の受け売り知識だから、後ろから攻撃うんぬんは定かではない。でも先輩の言うことは全部信じることにしてるから、きっとそうなんだろう。


 しかし、だ。いつまでコイツは様子を窺っているんだ?

 睨み合いは、単純に時間の無駄である。俺はすぐさまポケットに手を入れて、準備していた陣刻魔石を手に取り魔力を送る。そしてコボルトに向って投げた。


 それをコボルトは簡単に避けてしまった。しかし、魔力を送っていたことで、その陣刻魔石はコボルトの横で発動する。


「ーーーーーーーーーー!」

 あたりが甲高い音に包まれる。

 そして大きな獣耳をたたんで押さえるコボルトを、第三の手でぶん殴り、魔素や魔石を無視して先へ進む。


 すばらしい。さすが音の陣刻魔石である。下級の陣刻魔石では安い部類の陣刻魔石ではあるが、効果は抜群である。使い方次第では火、水、土、風の基本四属性よりも汎用性があると思う。

 どれぐらい効果的かって、クラリスさんに勝利できるぐらいに有用であろう。その後めちゃくちゃボコボコにされた。


「はぁ、この陣刻魔石、とても使い勝手はいいんだけどなぁ」

 有用、有効。でも有料。安いと言っても、陣刻魔石自体がそれなりの値段だから、コストが馬鹿にならないし、先へ進むには他の属性の陣刻魔石も必要である。そこまで多く持てなかったのが残念だ。


 入学祝いに外車くれるような家庭じゃなかったら、この四十層ソロ攻略を諦めるか、亀狩りを中断して金策しなければならなかっただろう。ほんと、毬乃様様である。


 これから先は厄介な敵が増えるし、単純に強い敵も増えるし、陣刻魔石(お金)を垂れ流しながら進むことになるだろう。しかし、このダンジョン攻略を終えたとき、垂れ流した金なぞ気にもとめなくなるようなアイテムを貰えたり、三会イベントが発生してくれるはずだ。失敗したらやばいな、どっかの先生ルイージャほどではないが。


 十一層のランニングを終えて次の階層へ向う。ここも、もちろんランニングコースであろう。


 個人的には十一~二十層の戦闘も時間短縮のためにカットする方向である。というより、カットしないと間に合わないと踏んでいる。


 戦闘すると仮定して、十一層から二十層までで何より厄介なのが、十三層から登場するブラッディバットであろう。名前にもあるように、血を吸う赤色のコウモリである。何がやっかいかって、複数体登場してくる上に飛んでいるときたもんだ。先輩に聞いたところによると、体感で八割ぐらいは複数体と言っていた。


 リュディがいれば魔法でたたき落として貰えるし、ななみがいれば爆発で落として貰えただろう。だけど俺は石ころ投げる原始人である。かといって陣刻魔石はもったいない。なにより狩りする時間がもったいない。

 出される結論は逃げである。時間さえあれば少しぐらいなら狩って進んでも良いんだが。


 丁字路を曲がり前を向いた瞬間、うわぁ、と思わず声を上げる。前にいたのはコボルトが三体である。言い換えればめんどくさいが三体である。


 すぐさまポケットに手を突っ込み、音の陣刻魔石を取り出し発動させた。俺は耳を押さえてのたうち回る三体を横目に、ランニングを再開する。

 そしてふと思った。


 あれ。俺、このダンジョン来てから、ボス戦以外ほぼ全部逃げてね?



そうでもしないと間に合わないので残当。


そう言えば、一部サイトで未だにショーツの広告が出るんですけど、そろそろ私が買わないことを学習してくれませんかね。……ガーターベルト10%OFFで、思わずサイトに飛んでしまったのが原因だろうか。

エロかった(買ってはいない)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] これってどこで1日休憩取ってるんだろう? ボス部屋で休憩取ってるって感じるんだけど 48話でボスが再召喚されるってあったけどこのダンジョンでは適用されない感じかな?
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