ダンジョン編 10 四階層で合流
――勇者たちは四階層で合流した!
勇者
「いてててて……」
調合師
「勇者ケガしてるの……? ちょっと待ってて」
勇者
「ああ」
調合師
「このバリウムを……」
勇者
「人間ドックか」
調合師
「じゃあヘリウム」
勇者
「じゃあ、ってなんだよ声高くなるだけだろうが」
闇魔道士
「おい狂戦士、そちら側はモンスターが出たのか?」
狂戦士
「ゴーレムと裸のおっさんが出た」
闇魔道士
「何があったんだ」
狂戦士
「まあ俺が両方シメてやったがなぁ! 流石俺様狂戦士!」
勇者
「ゴーレム倒したの俺だろうが」
女騎士
「なんか楽しそうだな」
勇者
「楽しくねえよ! 俺なんかバンバン殴られて死にかけたんだぞ」
女騎士
「裸のおっさんにか?」
勇者
「そっちじゃないわ!」
狂戦士
「そういうテメェらの方は何か出たのか?」
女騎士
「えへへ、塩キャベツにマグロにつみれ汁に白玉、そしてビール」
勇者
「料理の話じゃねえよ、と思ったけど何食ってんだよ! お前らだけずるいぞ!」
狂戦士
「俺様にもビール飲ませろや!」
闇魔道士
「まあ待て貴様ら、今は中継地点である5階を目指そうじゃないか」
*このダンジョンの5階層は総合レジャー施設になっていて宿泊もできる。
狂戦士
「うるせえ俺様は今飲みてぇんだよ! さっさとよこせ!」
闇魔道士
「うわよせ! そんな乱暴にされると、くっころぉ!」
女騎士
「はっ! 闇魔道士から高濃度のクッコロニウムが分泌されている!」
調合師
「わけが分からないわ」
勇者
「お前ら止めろ喧嘩すんな!」
狂戦士
「すっこんでろや!」
勇者
「うわ!」
――狂戦士に突き飛ばされた勇者は、暗くて見えなかった穴に落ちて行った!
狂戦士
「あっ」
女騎士
「大変だ! 勇者がくっころ穴に落ちてしまったぞ!」
調合師
「どうしよう……!」
ワイモンスンペ
「大丈夫だ心配するな」
闇魔道士
「ワイモンスンペ!」
ワイモンスンペ
「この穴は遠回りになるが5階層に繋がっている。勇者が死ぬことはない」
闇魔道士
「本当なのか……?」
ワイモンスンペ
「大丈夫だ、俺を信じろ」
女騎士
「そうだな、ワイモンスンペが言うなら信じよう」
調合師
「ワイモスンペが言うなら……。それじゃあ先に進むの?」
闇魔道士
「ああ、ワイモスンペが言うなら大丈夫だ。おい女騎士、ダンジョンガイドに4階層の事は書いてあるか?」
調合師
「旅行のガイドブックみたいね……」
女騎士
「この4階層は広いことで有名みたいだな。『迷わないように注意』と書いてある」
狂戦士
「おい、そろそろ言っていいか?」
闇魔道士
「どうした」
狂戦士
「お前らさっきからおかしいぞ」
ワイモンスンペ
「何がおかしいんだ?」
狂戦士
「テメェだよ!!!」
つづく
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