第60−2話 出さない、顔には……ピキピキッ
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一時間後くらい。
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「あららやっぱり、メラクさん。ごきげんよう」「よっす」
私のことをここまで勢いよく呼ぶお方は先生を含めましても一人しかおらず。
そう、この男の子はA組の総大将、と私が勝手に思っているガキンチョだ。つい最近まで絶賛疎まれていたのだが、昨日少し仲良くなったのである。
しかし、さすがは総大将である。こんなところまで悠々とやってくる。そして私に声をかけやがる。ちなみに言うと、彼の学校での評判はなかなかのものなので、教室を出たところで先生も思わずびっくりしている。
評判通りと言うべきか、彼が私に声をかけた途端に、周りが一気にヒソヒソし始めた。
「うわ、こわー」「私たちのクラスに来て恥ずかしくないのかな」「ステラ様かわいそー」
ピキピキッ、と私の口元も思わずイライラし出す。
みんなして少し言い過ぎだろう。聞こえてないとでも思っているのだろうか、それとも聞こえてもいいと思っているのか。
他人事だけど、さすがに頭にくるし、それを顔に出さないように顔に力を込める。表情筋に力を込めて、コラ口動くな。
メラクは何も聞こえていないのだろうか。呑気に私に手を振っている。私も手を肩あたりまで上げて、優雅に手を振りつつ……。そうはいっても、どうしてわざわざこんなところまで。どう考えても声をかけに来ただけではないのでしょう。
「メメがさ、ステラも一緒にご飯どうっていうんだけど、これそ?」
それはナイスですわ!
メラクの言葉は、まさに私が欲しているものだった。メメさんと違っていいタイミングでいい言葉を言いますのね、あなた。
誘われて行くと言って、そしてこの集団から抜けるのはとても自然な流れだ。さすがの彼女らも退けてくれるに違いない。
「もちろん、い――」
「ステラ様があなた達なんかとご飯食べるわけないでしょ」「そうよそうよ」
本当にもう、なんなんですのよ! 私の言葉を作らないでくださいます!?
ピキピキッと、流石に顔が引き攣った。
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