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かつて最強と呼ばれた男は前世の知識と共にTSお嬢様を満喫するようで  作者: 赤木林檎
第2章 低学年編

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第60−1話 顔には出さないぞ……ピキッ

お読みいただきありがとうございます。


「ステラ様がそんな危ない場所で遊ぶなんてありえませんこと」

「ですわよね、まったく。変なことを言っているものですから」

「ましてやステラ様があんな野蛮なことするなんてとても思えませんわ」


 クラスに入るなり、色々と私のことを心配なさるご様子。

 それもそうで、お着替えから何から何までメイド達にやらせますようなお嬢様ステラ様が、突然下町で走って転んでしているなんてまったく思わないだろう。


 もちろん運動神経達者な私が転ぶことはないのですが。


「はあ。えぇまあ遊びましたわよ」


 しかしそれは昨日まで。私としても、完璧お嬢様を演じるのも少し疲れたのだ。だから多少はボロと自分を出しつつ学校生活を送るのだ。


「嘘ウソ、ありえないですのよ。ステラ様がー!」

「どうしてどうしてそんなことが起こり得ますの?」

「どうして、って……そりゃ下町に行ったからですが……」

「あんなところにいく意味なんてありませんでしょう?」

「ええっと――」


 そうして、朝の時間はこの話で持ちきりになった。もちろん私は周囲をみっちり囲まれてた。え、やっぱり?


「はーい、朝の時間ですよ。みなさん席座ってくださいね」「はーい」


 セリア先生の言葉で、ようやく皆が各々の席に戻る。


 おかしいぞ、お嬢様モードをちょっと緩めてもどうして私の話で持ちきりに? いつもこうなるのが嫌でお嬢様を演じるのが嫌だったのに。これ、トイレにすら頑張って会話を繋げないと行けないんだぞ。


 話に対する周りの反応も相まって、私はいつものごとく少しイライラしながら朝の授業を迎えることになった。あ、もちろん顔には出しませんわ。


――――――――


 ゴーンゴーン


 人の気分に関わらずトントン拍子に授業は進み、本日幾度目かの授業の終わりを告げる鐘がなる。


 授業に関して言うと、さすが威厳ある学校といったところか。質、スピード、何をとっても一流だ。そのため、授業時間は皆が自然と授業に集中せざるを得ず、結果としてそこそこ私としては楽な時間だ。まぁそもそも、私にとってこの学年の授業内容はまだ聞かなくてもわかるし。


「はーい、授業はここまで。お昼休みですが、みなさん次の授業に遅れてはいけませんよー」「はーい」


 問題は、この鐘は同時にお昼休み開始を告げる鐘であるところだ。

 ワラワラと自由にみんな動き出し、当然ワラワラと私の元にやってくる。

 うーん、今日は久々にメメと食べたかったのになぁ。まあいつものことだし仕方ないかぁ。


「それでさっきの続きを聞かせてくださいませ」

「もう、ステラ様はお疲れかもしれないのにそういうのはどうなのよ、ねえステラ様」

「でもこんなことってなかなかありませんから」


 別に友達と遊んだからって、話もしたくなくなるほど疲れるなんてことはないのだけれど。本当に言いたい放題だよなぁ。


「あのねぇ、あなた達」

「どうかしたの? ステラ様、あ! お昼ご飯ですね」

「……いやまあ」


 そうなんだけど……私は今日は久々にメメと食べたいのだけれど……


 どうにかして、この囲いから離れて、メメとご飯を食べれないものか。

 でも無理矢理に押し退けるのも流石に怪我人が出る。だってみんな、体幹がまるでなってない。凝視するまでもなくわかるほどには、軸がヘンテコなのだ。少しは私を見習いなさいな。


 意味のない戯言を考えながら席を立ち、ゆっくりと教室の外へ向かっていく。私がトテトテと歩くお嬢様だと思われているのか、周りがゆっくり歩くものだから私もゆっくり歩かざるを得ない。トテトテト……


「おい、ステラいるかー!」


 私が教室から出ようと教壇を通り過ぎたとき、教室の外から声をかけられた。

 この声はさては……みんなのせいでよく見えないので背伸びして……


 ゲッ、と思いつつ、もちろんお顔はなんら変えないように……ピキッ。


――――――――


お読みいただきありがとうございます。


もし面白いと感じてくださいましたら、是非ともブックマーク、そして下にある「☆☆☆☆☆」をクリックして応援していただけると嬉しいです。


多分、おそらく、あと二話くらいの量で一区切りつけます。断定はしません、だって度々変更あるので……

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