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かつて最強と呼ばれた男は前世の知識と共にTSお嬢様を満喫するようで  作者: 赤木林檎
第1.5章 幼児編 幕間

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第48−3話 幕間の間 二人は頑張っております

お読みいただきありがとうございます。


――――――――


「では、これで今日はラストです。最後ですから頑張って取り組んでください」

「「ふぁぁい」」


 太陽がすっかり斜めを向いて、明るい世界はすっかり赤い世界へと早変わり。

 次第に暗くなる前に家に帰らないとまずいし、帰さないとまずいので、本日最後の問題である。


 私は、二人の解いている隙に本のやりとりをするため席を立つ。

 

 カウンターへと向かいつつ、保護者として二人をチラチラとも眺めつつ。


 俯瞰的になったこのタイミングで、私は今日一日のステラ様とメメ様の言動を振り返ることにした。


 相変わらずステラ様は解くのが早いし正確だ。

 もはや一般成人程度ではあるのだが、子どものひらめきミラクルパワーとかそういうことのせいだろうか。いや、それで説明するのも無理がある。まるで大人の精神が体に宿っているかのような、そんな気持ちになることがあるのだが、そんなことあるわけはない。

 んー、こんな稀有な子も世界を探せば一人はいるということで。


 メメ様はというと、色々と意識は削がれるものの、集中力自体は光るものがある。どこかのステラ様と違いとても教えがいがある。

 この成長具合を見るに、私の教えがあればまず間違いなく合格はするだろう。ただし特待生はまた別のお話。

 んー、特待生になれるかどうかは今後の私の教え方次第ということで。


 先週借りた本を返し、新しい本を取りに行く。確かこの本の続きだったはず。ってステラ様はこんな本読んでるのか。確かこれ、物騒なお話だったはず。注意すべきか?


 ……いや、まあ自由にさせましょう。今更感がすごいですし。


 本のやりとりは受付に任せつつ遠目で二人を観察する。ステラ様もメメ様も、動くこともせず大真面目に問題に向き合っているようだ。私がいなくてもサボらず取り組むのは二人のいいところです。むしろいない方が真面目にやっている気がします……


 メメ様には今までのおさらい問題を出した。本調子ならできるはずだが、今日の一日は少しハードだったかと思う。疲れているのかなかなかペンは動かない。

 今回はステラ様には特別に難しい問題を出した。そう簡単に解けたとは言わせない。


 さて、お二人のどちらが先に声を上げるのだろう。達成の声、それとも挫折の声、どちらの可能性も考えられる。

 もう少しで行きますから待っていてくださいね。


――――


 たくさんの本の手続きがようやく終わり、私は二人の元に戻った。そろそろどちらかが私に声をかけてくる頃合いだけども……


 二人とも、まだ声を上げる様子はない。それどころか下を向いたままだ。

 これはまさか……


「「……スピー」」


 ……やっぱり?

 いや薄々おかしいとは思っていたんです。ステラ様にしても遅いですし、メメ様はやけに静かですし。


 二人の様子を近くで見ると、それはもうしっかりお休みしてしまっていた。

 まあ今日は頑張っていたので無理はない。


 しかし、ステラ様まで居眠りされるとは。先週とは逆で少々詰め込み過ぎたようだ。やはり根を詰めすぎるのは良くない。

 反省し、ミラとも話し合って、問題を調整していこう。


「「スピー」」

「にしても二人してそんな可愛く寝ましたか」


 彼女たちの代わりに片付けを始めることにした。

 ひとまず、今日はお疲れ様でした、ということで。


「ステラ様、メメ様。二人ともよく頑張りましたね」


 今日もよく頑張った二人の子どもの頭を、起きないようにそっと撫でた。


お読みいただきありがとうございます。


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