第48−1話 幕間の間 二人はお受験勉強中
お読みいただきありがとうございます。
ステラの一人称を書かないとステラの書き方を忘れてしまいそうなので、今日はそういう番外編です。
「さあ今日も勉強のお時間ですよ」
「「はーい」」
それはとある休日の図書館にて。
私とメメは、アルカからお受験対策のお勉強を教わっていた。
「まずは二人ともこれをみてください」
「「はーい」」
アルカから渡されたのは一枚の図形である。
格子状に点が並べられており、その点を頂点とした三角形や四角形が並べられている。
「では、これを観察して――」
「解けましたわ」
この問題内容はシンプルで、渡された図形を見てそれを同じように自分の紙に書けばいいというもの。
今までにも何度かやった問題なので、私は聞く前に回答を叩きつけた。
「説明をきちんと聞いていない、マイナス十点」
「そんな理不尽な」
しかしなぜか減点を食らってしまった。世の中の不条理を子どもの頃から味わうことになろうとは。ぐれるぞ。
「いいですか、よく聞いてくださいステラ様?」
「はい」
「態度とかそういうのもテストでは見られているんです。調子に乗って不必要に点数を落とす真似はよしてください」
「むー」
「むー、じゃありません」
「めー」
仕方がないので本番はお行儀よく行くとしよう。べーー、だ。
「ではメメ様、ステラ様は放っておいて今から問題をいいますから、よく聞いてくださいね」
「んな理不尽な」
どうやら私はしばらくお休みタイムをいただいた。いつものことなので、私はいつも通りメメの応援をすることにした。
まず、ミラはメメに懇切丁寧に問題を説明した。
そして、メメはそれを噛み砕いて理解した後に問題に取り組み出した。
「ええとね、点がここにあって、ここからいちにいさん……」
「いいじゃありませんの。前より俯瞰的に見えてますわね。にいさんしのゴーろくはち!」
「ステラ様はちょっと黙れってください」
「な理不尽な」「今のは明らかにあなたが悪い」
アルカ今、結構きつめに命令しようとしたよな? 私見逃さなかったぞ?
多分黙れって言いかけましたわよね! しれっと誤魔化そうとしたの私わかっていますわよ!
ですがまあ、確かに集中力割きますからね。私の非も認めましょう。ただでさえメメは子どもで集中力がないんだし。
そうはいうものの、メメはこれでも随分と集中するようになったものだ。私の言葉を聞くことなく問題に集中している。
ここまでメメが集中して取り組んでいるのは、ひとえに特訓の成果である。アルカとミラが協力してくれなければこうは行かなかった。
ミラが教材を選び、アルカが指導にあたる。私とメメに対して、時に優しく時に厳しく。あと私にはとくに厳しく。
その甲斐あってか、私たち、主にメメは目に見えて成長していた。主人である私だけでなく、私の友達にまで同じように対応してくれるなんて、とってもありがたい話だ。感謝してもしきれない。
「ステラ様が随分暇そうなので追加問題を作りました。これでも解いておいてくださいませ」
うーん、撤回。感謝撤回!
せっかく私はメメが頑張って問題を解くのを楽しく見ていましたのに。
アルカから渡された一枚の紙を見る。どうやら即席で作った問題らしい。
ううんと、図形の中の三角の数を数えてくださいと。
「アルカ、ひとつ聞きたいのだけれど。これって明らかにお受験の難易度ではありませんよね」
「さあどうでしょうか」
「理不尽な」
「理不尽ではありません」
「じゃあ、ふりじん?」
「いや、理不尽です。いや理不尽ではないんですけど、いやじゃなくて……理不尽です」「まったくですわ」
大小様々な三角を、重なりも考慮して個数を数える問題だ。うん、よくある大人も間違えがちなパズル問題ではありませんの。
こんなのお受験なんかで出てたまるもんか。
子どもにできるわけがないでしょう?
「それはそうと、できましたわ」
「それはそうと? いや、なぜできるんですか……」
なぜかというともちろん子どもではないから、なのですが、もちろんそれは秘密です。
「もういいです、ステラ様はそこで少しじっとしておいてください。ちょっかい禁止です」
「はーい」
こうして、主人である私はメイドから教育を放棄されることになった。
どう考えても私が悪いのですが。ものは言いようですわね。
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お読みいただきありがとうございます。
私、ファミ通文庫のラノベも結構好きなんですよね。んでたまに読むんですよ。そしたら書き方がそっちに寄るんですよね。分かりやすい。
続きは明日出すかと。




