第26.5話 幕間の間 ステラ様が服を脱がせたがっている
お読みいただきありがとうございます。
また番外編かよ、と思われるかもしれませんが、どちらかというとこれの方が描きたかったことなのでお許しあれ。
先に忠告しておくと、いつもとは毛色を少し変えております。
「うう、ステラちゃん……どこー」
「はあ……」
こちらカルトラ、現状はこの通り。見てもわからないって? 仕方ないので説明しますね。
まず、子どもらで集まっていたところに雑用係がワインをぶっかけてステラ様がびしょ濡れになりました。それで会場から退場……駄洒落じゃないよ、うん。
つづいて、アイラ様が「お姉さんとして探してまいりますわ」的なことを言ってこちらも会場から退場。じわじわくるなこれ。
で、一人寂しく泣いているのが我が主人、ノルン。今のところ登場人物で男なのはノルン様だけなのに、泣いているのもこれだけときた。情けない。
「ノルン様、落ち着いてください。私の見立てではステラ様は看護室にいらっしゃいます」
ワイングラスが盛大に割れたのだ。怪我をしていないか確認するのが鉄板だろう。それに、あそこにはシャワーもあった気がするので、おそらくそこに違いない。
「しかし、この建物は本当にお広いですね、迷子になってしまいますよ」
ところでアイラ様が向かった先はどこなのだろうか。まあ、アイラ様はこの建物にも慣れていることだろうし、案外しっかりしてそうなので、適当に帰ってくることだろう。適当に後で探そう。
「確かこの辺に看護室が……あった」
目線の先に、看護室のマークが見えた。よし、これでステラにあってノルンの機嫌を直せば今日の任務の大体は終了でしょう。一番重要なのはノルン様の機嫌をとることです。それ以外は後でどうにでもなりますから
「……っひゃん……」
「!?」
看護室から微かに声が聞こえた気がした。探索に慣れた俺が耳を澄ませてやっと聞こえるくらいの声。だからまだノルンには聞こえないだろう。さてはこれはアルカちゃんの声か? よく聞こえない。
「ノルン様、少し失礼」
仕方がないので、少し裏技を使うことにする。まず、ノルン様のお洋服を治すふりをしてノルン様に触れ……
「『ロブセンス、及びシェアセンス。スタックシステムを用いて同時発動しろ。俺の耳となりつつ、しかしそれを決してノルンに届けるな』」
ノルンから聴覚を少し奪い、同時にそれを自分の聴覚の足しにする。これは単純なシステムが故に中流以上はみんな使える、しかし結構便利なシステムなのである。同時に魔術を出すことで本来想定し得ない動き、各魔法の利点だけを詰め込んだオリジナル魔術を簡単に実現することができる。
そうして、よくよく耳を澄ませる。
「や、やめてくださいステラ様。わかりましたって、自分で脱ぎますから。」
「いいからこっちも脱ぎなさいよ。ほら、早く早く。もちろんレーナもよ、ほらほら」
「うう、脱ぎますからぁ」
……………………何してるんだよ。いやマジで何してるんだよ。
気になる……すごく気になる…………
「カルトラ、急にどうしたの?」
「ああすみません、ノルン様。少しお洋服が乱れていたものでして」
しかし、今の俺は教育者、立派な人間、そして彼はウブウブで健全たる男の子……
「あーそういえば、看護室はあっちだった気がします。今とは反対方向ですね。ノルン様、私はまた道を間違えました。さあ折り返しましょう」
「えー。そっか、ありがとう、カルトラ」
「いえいえ、お気になさらず」
こうして今日も、カルトラはなんだかんだ正しく執事を全うする。
お読みいただきありがとうございます。
もしかして卑猥と感じる方もいるかもしれません。
まあでも流石に私の感覚では性的感情を刺激する程度の低い描写だと思うので、R15ですらないと思うのですが、有識者の皆さんどうですか?
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