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3 初めてのモンスター

本日最後です!

 城壁の方へ進んでいる途中。

 草原に変なものを見つけた。


「青色の……ゼリー?」


 プルンプルンと震えるゼリーのようなモノが……。


「あ、動いた……生き物なのか?」


 ゆっくり移動している。

 何だろうこれ……。


 ツンツンとつついてみる。


「プニィィィーーー」


 ゼリーがいきなり跳ねて吹っ飛ばされる。

 これは……まさか……。

 モンスターなのか!?

 確か、こういうゲームって、モンスターを倒して強くなっていくって話だったよな。


 ゼリーがピョンピョン跳ねながらこっちに近づいてくる。


 そして……。


「うわ……」


 今度は、何となく予想できていたので、体当たりは何とか回避する。


 う~ん。

 どうやら、戦うしかないようだな。

 

 何か武器は……。

 さっきの宝箱にナイフが入っていたような。

 

 …………。

 

 う~ん、あのナイフ何処に言ったんだ?

 今来てる服を探してみてもポケットすらない。


 う~ん、ナイフどこだ~? ナイフ~~!


 そう考えてると突然目の前にウィンドウが表示される。

 さっきの、システムメッセージが表示されたやつとは違い。

 アイコンが一覧になっているモノだ。まあ、4つしかないけど。

 ナイフのアイコンに、右下に1の数字。

 服のアイコンに、右下に1数字。

 赤い液体が入った薬ビンのアイコンに、右下に10の数字。

 青い液体が入った薬ビンのアイコンに、右下に10の数字。

 

 う~ん、このナイフのアイコンのだろうなどう使うんだ?

 何となくそのアイコンをダブルクリックしてみる。


 するとボンという効果音と共に手元にナイフが現れる。

 おお~こうやって使うのか。


「これならいける!」


 またもや向かってきたゼリーにタイミングを合わせてナイフを付き刺す。

 ザクっという効果音と共に、赤い『2』の数字が血飛沫の様に跳ね地面に消えていく。


 それでもゼリーは、まだまだ戦意も落ちずに体当たりしてくる。


「ぐっ」


 今度は、攻撃に備える事が出来たためか吹っ飛ばされなくてすむ。

 そのためだろう、俺からも赤い『3』の数字が飛んでいくのが見えた。


 う~ん、何だ?

 まあ、考えるのは後だ!

 今は、ゼリーを倒す事に集中しよう!


 俺は、またゼリーに攻撃する。『2』の文字。

 ゼリーの体当たりは、避ける。何となくパターンが読めて気た気がする。

 俺の攻撃。『2』

 ゼリーの攻撃。少しかすって『1』

 俺の攻撃。今度は、何か派手なエフェクトと共に、黄色に赤の縁取りがされた『5』の数字が飛び出した。何だろうこれ?

 ゼリーの攻撃はもう、大分なれて余裕を持って避けられる。

 

 そして、次に俺がゼリーに攻撃して『2』の数字が飛び出したと同時にゼリーが弾ける。

 

「これで、倒したのか?」


 砕け散ったゼリーをしばらく見ていたが、また攻撃してくる様子も無い。

 本当に倒したのか……。


 よし、これならモンスターと戦えそうだな。

 確かこういうゲームってモンスターを沢山倒して強くなるんだよな。


 さっきのゼリーをもっと一杯倒してみよう!



 そんな事を考えて、2匹目のゼリーに攻撃を仕掛けたところで問題が発生した。


「え!? ナイフが!?」


 ゼリーから『2』と言う数字が飛び出していくと同時に、手に持ったナイフが光の粒になって消えていく。


 まあ、そんな事はお構い無しにゼリーの体当たりは飛んでくる。


「うわ、まった! ストップ」


 そんな事を言っても、止まってはくれない。

 しょうがないので殴ってみる。


 ペチン 


 すごいショボイ効果音と共に灰色の『0』の数字が表示される。

 すぐにゼリーは反撃してくる。

 

 俺の攻撃『0』、ゼリーの攻撃を回避を10セットくらい繰り返した所でいい加減気がつく。

 

 この数字ってダメージなのか!?

 『0』ってのはダメージを受けてないって事なのか!?

 これじゃあ、何回攻撃してもダメじゃないか!


 どうしたら?

 何か必殺技みたいなものは無いのか!

 

 そんな事を考えた時だった。

 

 お馴染みのウィンドウが表示される。

 また、アイコンの一覧だ。

 今度は、1つしかないけど……。

 丸の中に『G』の字のアイコン。


 なんだか分からないが、ダブルクリック。


『 使用コストを設定してください。(MAX50) 』


 う~ん、コストを設定するのか。

 最大50までか……。


 まあ、試しに10ほど使ってみよう。


『 コスト10で Gアタック を発動します。(Y/N) 』


 YESのボタンをクリックする。


 すると……。

 右手が金色の光を帯びる。

 

 これで殴ればいいのか?

 試しにゼリーを殴ってみる。


 チャリーン

 

 どこかで聞いた事があるような音と共に沢山の『1』の数字がゼリーから飛び出してゼリーが砕け散る。



 おお~さすが必殺技だ!

 1発じゃないか!

 強い! これならいけるぞ!

 よし次だ!



 次に必殺技を使ったときは、コストのMAXが40になっていた。


『 使用コストを設定してください。(MAX40) 』

 

 10使って、その次の時は……。


『 使用コストを設定してください。(MAX30) 』


 10ずつ使ってるからだろう、減っていた。

 それでも気にせず。

 必殺技で4匹、最初とあわせて5匹のゼリーを倒した瞬間、ファンファーレのような音が聞こえて頭の上に小さな花火のようなエフェクトが……。


 それと同時に表示されたウィンドウには……。


『 レベルUPしました! Lv1→2 』


 なんてメッセージが。

 レベルUP?

 強くなったって事でいいのか?

 


 まあ、いいや。

 あと残りコスト10あるから、残りコスト0の時はどうなるか試してみよう。


 必殺技をもう一回使ってゼリーを倒す。

 これで残りコストは0だ。

 

 次のゼリーで必殺技を使ってみたら……。


『 使用コストが足りません! 』


 まあ、想像通りのエラーメッセージだ。



 これで、必殺技も使えなくなった。

 だけどまだ希望はある!

 レベルUPで強くなっているはずだ!


 ペチン 『0』


「………………にげろ~~~~」


 



 そして、目の前には城門がそびえたつ。

 数人が入り口の審査(?)のような物を受ける順番を待っている。 


 ちなみに、ゼリーからはなんとか逃げ切る事ができた。

 レベルアップの恩恵が逃げ足の方に来ていたのだ。





 う~ん、これからどうするか。

 審査も特に問題なく……と言うか素通りだった。

 何をしてたんだろう?


 まあ、いいや。

 俺はこれからの事を考えながら城壁の中の街並みを見回す。

 まさに中世ヨーロッパって感じだ。

 

 街のメインストリートを歩きながらぼんやりと考えていると……。


「ちょっと、そのこお兄さん~。宿ならうちの宿がいいよ~HPもMPも一晩で完全回復だよ~」


 なんて宿屋の呼び込みの言葉が聞こえてくる。

 HPとMPが完全回復?

 そういえば、このゲームを教えてくれた知り合いが言ってたのを思い出す。


「MPが足りなくてスキル使えずに全滅した~。後一発だったのに……」


 とか……。

 もしかして、さっきのコストってのはMPの事なのかもしれないな。

 と言う事は……宿屋に泊まれば回復する!?


 よし、善は急げだ!



「すみません~泊まりたいんですが~」


「あ、お兄さんこっちですよ~」


 丁寧な感じで宿屋の中のカウンターまで案内される。

 


 されたのだが……。


「おめ~金がたりねぇじゃねぇか~~それじゃあ、泊める訳にはいかねぇぞ!」


 お金が無かった……。

 俺がそのままガックリとうなだれていると、不憫に思ったのか宿屋のおっさんが、


「まあ、馬小屋なら泊めてやってもいいぞ! どうする?」


「お願いします」



 そして、俺の始めてのVRMMORPGは、馬糞の匂いがきつい馬小屋で終了した。

 どうやら、宿屋で寝ると自動的にログアウトになるようだ。


 う~ん、これから何時も馬小屋で泊まる事になるんだろうか?

 なんとかして、宿代だけでも稼がないと……。

※青色のゼリー

ザコ敵として有名なモンスター『スライム』です。

ヒロがゼリーと呼んでいるのは、名前を知らないからだったりします。

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