WRの目覚め ~日光市~
飲み物を飲んで休憩した律は屈伸をする。
緊張で足の筋が固くなっていたためであった。
屈伸をした後はしばしWRを見つめ、そしてサイドスタンドを上げた状態で左ステップに足を乗せ、その上で即座に乗り込んだ。
律ならば左ステップに足をかけずとも乗れるが、そう乗って見たかったのだ。
WRの重量からくるバランス感覚を身に着けた律はそれができるようになってきていた。
(よし……いけるぞ)
律がそんなことをしていると、休憩時間が終わり、再び集合の合図がかけられる。
入門コースの後半戦、コース走行となった。
「えー、ではですね、ここから本格的に初心者用コースを走って参りたいと思います。まずはコース内のいくつかのポイントを確認しながら皆さんと周り、それぞれの走行方法を軽く練習し、その場所が攻略できるようになってもらってから、最後はそのコースを周回してもらうことになります」
指導員はWR250のエンジンをかけると、サッと跨り、参加者にコース内に入るよう促した。
「中級者以上の方は難易度の高いコースに向かっているのですが、一部区画は共用です。彼らがきたら進路を譲ってください。これから向かうコース自体は我々だけが走ります。ではいきましょう」
指導員の案内の下、律を含めた参加者は低速でコース内に進入していく。
モンキーオフロードコースにおいては上級向けや初心者向けなどいくつかのコースが用意されている。
上級向けとなると下り坂を大ジャンプするかのような場所や急な坂のガレ場区間などもあり、それなりの経験が無いと危険。
また、それらには「これコースなのか!?」」といった林道を模した区画もあり、何度来ても楽しめるともっぱら評判である。
他のオフロード系のこの手の練習、遊び場などと比較すると、それぞれどのコースにおいて1週が凄まじく長いことに定評があり(フラットダートでも1周約10分)、燃料タンクの容積が心許ないバイクでは1日走っていられないなんてことがあるぐらいだ。
また、フラットダートと言ってもそれなりに凹凸がある。
乾いていると硬い土の路面となっており、そこにわだちなどが存在しているわけだが、そこにハンドルを取られて転倒するという可能性も十分にある。
そのため、経験0にていきなりコース内に入っていくには危険があるため、まずは最低限の走行テクニックを身に着けてからコース内へと入っていたわけである。
「初心者向けのコースでも、長く、やや急な下り坂があります。下り坂の際にはスタンディング走行を心がけてください。座ったままだと地面の凹凸に対応できず非常に危険ですから!」
コースを走りながら指導員が大声で後に続く参加者に説明をする。
ボヨンボヨンと跳ねるサスペンションに律は「さっきとまるで状況が違うッ」と最初は焦りを見せるものの……
(あれ?)
指導員がややスピードを乗せていた影響か、他の者達より苦戦しなかった。
WRはここに来てようやく本領を発揮し始めたのだ。
地面とのトラクションを考慮し、あえてシフトを低く2速にして走る律は、いつの間にかWRの最適なエンジン回転数を維持していた。
(さっきとはまるで別物だ……どうしてこんなに)
先ほど、低速では何度も苦労した様子のWR250Rは今度は逆に他のものを追い越さんばかりの安定性を見せる。
固めのサスペンションは地面の凹凸を完璧に捉えながらも、腕に全く負担をかけない程度に衝撃を吸収する。
エンジンはフワッと回転数が上がるが、路面状況に合わせて後輪が滑るということもなく、座った状態でもフラットな路面は普通に走れそうな感覚すらした。
指導員は「スタンディング走行で」というのでスタンディングしているが、このコースにおいてスタンディングが必須な場所は少ない。
ハンドルは左右に揺さぶられるが、優秀なサスペンションと軽量な車体は上手くバランスをとってくれている。
(こいつとならどんな場所でも行けそうだ……いいなぁこれ……)
ここに来て律は3速にあげる。
スコンと入るシフトチェンジペダルに感動するが、WR250Rは少しエンジン回転数を落とすも路面に食らい付いて安定したままだった――。
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その後、コース内にて危険なポイントなどを教えてもらい、何度かその区間だけ練習走行した律は、いよいよ自由走行となり、アシスタントなどが見守る中、WR250Rを走らせた。
きちんとした状態でのオフロードデビューである。
まず確認したかったのはスタンディングしない状態でのWR250Rの状態。
やはり予想通り、ニーグリップなどをきちんと意識できていれば普通にある程度なら何とかなった。
コースは急な下りやガレ場などを走らない初心者向けのものであるが、それでもCB400なら間違いなく攻略不可能な地形。
律はそこをかなりの速度を出して走らせ、周囲を驚かせる。
「おお、ゼッケン13番の唯一のWRの人、良く回してんな」
アシスタントの一人は律がそれなりにエンジンを回し、WRの特性を活かしていたことを褒めていたが、律にはその言葉は届いていなかった。
「やっばい、超楽しい! 傾けなくともバイクが曲がる!」
オフロード車特有の細いタイヤや重心バランス、そしてスタンディング姿勢などを利用すると特に傾けずともバイクは平然とそれなりのカーブを曲がることが出来る。
傾けて曲がるオンロードも非常に楽しいが、これはこれでまた楽しい。
それなりにスピードを出しているので、凹凸の際などはバイクが跳ね上がって地面から離れることすらあったが、きちんとした姿勢が出来るようになってきていた律には特に問題なかった。
入門コースにおいては速度を乗せてカーブを曲がる方法などはあえて教えていなかったものの、アシスタントは律のペースが速いことでアドバイスを送る。
律がリーンウィズにて曲がろうとするため、危うさを感じてのことであった。
「ゼッケン13番の人! カーブ曲がる際はリーンアウトか曲がる方向に足出して曲がったほうがいいよ!」
その声が何とか聞こえた律であったが、「リーンアウト」が何なのかわからない。
教習本にも書かれるテクニックの1つだが、リーンウィズしか教習所ではやらせてもらえないのですっかりその存在を忘れていた。
加えて元々入門コースは最も基本の不整地での直線と下り坂をまず攻略してもらうための課題設定であるため、そういった話は除外されていた。
それらは午後に律が受ける予定の「初級者向け」の方で教えることとなっている。
しかし足を出して曲がるということなら何となくわかった。
勢いをつけた状態で曲がろうとすると、流石のWR250Rもトラクションを失う。
その状態で右カーブなら右足を、左カーブなら左足を出して傾いたバイクの姿勢を制御することでまるでドリフトするがごとく後輪を滑らせながら高速で曲がることが出来た。
リアに適度にGをかけるがごとく、WR250Rを振り回すようにして小回りする。
これが出来るようになったため、カーブの進入速度がさらに高まる。
特に教えられたわけではなかったが、オフロード時のカーブの基本テクニックをそれまでの経験と多少のアドバイスだけで律は出来るようになっていた。
「ふーむ。彼、それなりに走りが出来上てるね」
指導員は短時間で進化していく律の走りを見て微笑ましい顔でもって視線を送る。
視線の先の律はスタンディング走行などを織り交ぜながら、非常に早いペースでコースを周回していた。
「バイクのバランスの状態が体で理解できてる感じがしますね。ここで傾けすぎると倒れる…ということが本能的にわかっている感じです。倒れる前の段階でバイクを制御しようとしているのが見えます」
隣で同じくそれを見ていたアシスタントもまた、律の走行する姿に注目していた。
「あの走り方だと走行中に倒れた事がないんじゃないかな。無茶しないラインでよく走ってる。若いっていいよなぁ」
今回のライディングスクール参加者最年少の律。
20代ではあったが、他の者とは明らかに違う走りを見せた。
それはWRの性能差もあったが、それだけではなく律のセンスの部分も影響していた。
本人も多少自覚していたが、律は「これ以上傾けたらトラクションを失う」というのが何となく走行中のバイクの状態から理解できる。
そのため、まだ未熟な頃のツーリング中にややカーブの進入速度が速いとアウトに膨らみ、危ない思いをしたこともあったが、それで完全なコースアウトをしたことも、カーブを曲がりきれず走行中に転倒した経験もなかった。
かなり路面状態が悪い状況でもそれが出来た。
自分が曲がれないと思う速度まで上げない。
それはカーブに進入する前の段階でどの速度なら曲がれるかを意識的に理解できているということである。
ある程度のライダーならそんなものは基本的な能力ではあるが、律は路面状態すら見ただけで認識することが出来、砂などがあってもそれに合わせた走行が出来る。
今まさにその能力が発揮され、入門コースの参加者の中で最も早いペースで走行し続けた。
スクールでの指導員の教えなどにより、律は多少滑っても立て直すことが可能となっており、立て直すことでWR250Rが魅せる挙動がとにかく楽しい。
「ブン回すってこういう事ね! CRFはもっと安定感があったが、こっちはまるで暴れ馬を制御しているみたいで楽しいッ! 午後も受けておいて正解だった! もっと走りたい!」
残り時間の少ない中、律は2周し、ライディングスクールはそこで終了となった。
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午前のライディングスクールが終わった。
参加者は最後に軽いレクリエーションをした後、解散となった。
入門用のため、低速でコースを走り抜けるための入門コースではオフロード用のブレーキングやカーブの曲がり方などは教えていなかったものの、律は何となくでそれを実践し、その事を終わった後で指導員から一言褒められた。
律が午後に初心者用のスクールにも参加する事を告げると、そこで改めてそういった走行方法を教えてもらえると言われ、テンションがあがる。
律はまず午後のスクールが始まる前に休憩して昼食を採り、少し休んでから次の講習に向かうことにした。
WRT250Rは燃料の追加などのために一旦返却し、CB400にて近場のコンビニへと向かい、そこで昼食を買い込んで再び戻る。
日陰で昼食を食べ、光や綾華、優衣などにWR250Rに乗った事やスクールに参加して今遊んでいることなどをメッセージ送信にて報告。
すると光からは「なんでトリッカーでもセローでもないんだよ(笑)」と大笑いされた。
律は偶然そうなったと言ったが、光はそれに目覚めたたらCBにはもう戻れないなと冗談半分で返信してきたので、律は一瞬凍りつく。
確かに、CB400が遠ざかっているような気がしたが、パワー的な部分などで優位性があり、律はまだCB400を諦めてなどいない。
とはいえ、次に買うバイクはこういう路面でも進めないと駄目だなということは今回の体験にて理解できた。
優衣は律に対し、「WRって良くわからないけど、そういう背が高いバイクに乗れるのって羨ましいな~」と素直な気持ちを吐露していた。
確かにWR250Rは彼女にとってはシート高が高すぎた。
平然と跨っている写真を他の参加者が撮影してくれていたのを送信していたが、律はなんだかんだで両足のつま先が地面に着く。
これは参加者の中で最も背が高かった律のみ可能であった可能性が高く、律も(確かに日本人には厳しいよなあ)と思わざるを入られなかった。
なお、光や優衣に対し、綾華は返答が無かった。
ジムカーナの真っ最中によるものだと光は言っていたが、先週の件も影響しているのではないかと律も心配になる。
一応、謝罪というわけではないが転倒の報告やら何やらで連絡はとっていたが、どうも最近調子が悪いらしく、返答が鈍い。
実は綾華、A級の昇格に失敗していた。
気負いすぎた部分もあったのかもしれないが、当日ミスを連発し、昇格を逃してしまう。
次の昇格チャンスまで再び何度もジムカーナに励まねばならないので、煮詰まっている部分があった。
確かに律がこなかった不満もなかったわけではないが、光は「いや、ここまでは遠すぎるから」と綾華を納得させてはいた。
(なんか調子悪いって光兄も言ってたし……近いうちにジムカーナも見に行ってみるか……)
何となく事情を察した律は、試乗会と平行して応援に行く事に決めた。
そんなこんなですごしていると午後の部が始まるということで集合アナウンスが響き渡る。
律はまず参加受付を行い、その上でWR250Rを受け取りにレンタル受付へと向かって燃料満タンになったWR250Rを再び借り受けると、そのまま初級コース参加場所へと向かった――。
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初級コースが始まると、律は先ほどと全く違う状況に顔が引き締まる。
律以外全てのメンバーが持ち込み。
そしてその中には律より若い10代後半と見られる青年の姿も何名かあり、ややピリピリとした空気が伝わる。
そもそも指導員自体が若い。
明らかにレーサーか何か、そういった経験がありそうな装いをしており、指導用とみられるバイク自体もレーサーといった感じのステッカーだらけでカスタマイズされたものとなっていた。
車種は律はそれを色合いやフレームの見た目からWR250Rの改造車と考えたが、実はYZ250FXという競技車両であった。ヘッドライトどころかウィンカーもついていないそのバイクは外観こそWR250Rと似ているが、性能はまるで違う。
実は指導員自体はクロスカントリーレースのレーサーだったのだ。
入門と初級ではまるで違う雰囲気とのことだったが、これから本格的にその手のレースなどを目指す者なども少なからずいる様子だったのはそのレーサーが指導者ということで、その者に教えを請うべく集まった人間が少なからずいるためである。
律は事前に何も調べずに当日急遽参加を決めたため、その事に気づいていない。
目の前にあるのは非常に貴重な本物のレーサーが練習用に使う競技車両と、競技参加者たる純然たる現役レーサー。
またとない機会を得ている。
そんな状況のため、車両の顔ぶれではセローが数台といった以外はWRの姿が何台もあり、TT250Rといったやや古い車種の姿もあったが、それ以上に「競技向け」とされる車両を持ち込んでいる者も存在していた。
入門コースの顔ぶれと律と違いは何よりもヘルメット。
律はGT-Airであるが、他の者はオフロードヘルメットやジェットヘルメットにゴーグルといった姿である。
(中級……ではないんだよね……初級と言ってたよね……)
明らかに本格的といった印象がするので自分が来る場所を間違えたのではないかと勘違いしてしまうほどだが、指導員は「初級の皆さんは~」といった話をしているので間違いなく初級で合っていた。
どうやらやる気に満ちすぎた者達が集まってしまっているのだと律は理解する。
無論、自分も装備が中途半端なだけでやる気は他の者に負けなかった。
そのあたりは律がWRを選んでいるという時点で周囲にもその空気が伝わっている。
「えー、さて初級コースではまず最初にカーブの走行方法を学んでもらいます。デュアルパーパスの特性というのはここにいる皆さんも大半の方がご存知かと思いますが、バイクとしてはカーブの反応速度が遅いとよく言われます。しかし実際にはそれは乗り方の問題でして、リーンアウトを用いればキビキビ曲がるんですよね。ここがオンロード向けのスポーツバイクと大きな違いかと思います」
午前の終盤で聞いた「リーンアウト」という言葉が再び出てきたことで律は緊張する。
いきなり「やれ」と言われてもどういう姿勢なのかわからないので「はい」とは言えないためである。
「ご存知かとは思いますが、改めて説明すると……リーンアウトというのは、車体を大きく内側へ傾けつつ、体をカーブの外へ持っていく姿勢のことですね。ちょっと図を見てもらいましょうか」
指導員がアシスタントの方へ目を向けると、アシスタントが何か大きな額縁のようなものを持ち込んで指導員の前に展開する。
「はい。これがリーンアウトの構図です。まあ真正面から見るとものすごくバランスが悪く振り落とされるか内側にバイクが倒れそうな感じですが、遠心力の関係で非常に安定しています。体は外を向いているので、バイク自体の傾きの制御も案外しやすいんです。リーンアウトを用いて走るということは、バイク自体をカーブの手前から傾けて走らせるため、他の走法よりかカーブへの対応は早めになります。この走り方だとバシッと走行ラインが決まるわけですね。ではもう1つの図を見てください」
すると、アシスタントは額縁を取り出し、まるで紙芝居で次のページをめくるがごとく次の写真を展開する。
律は気づかなかったが、2枚以上の写真を持ち込んでいたのだった。
「はい、これはスライド走行時のスタンディングリーンアウトというものですね。低速走行時こそグリップを意識して通常のリーンウィズでいいと思います。ですが、それは今日みたいな乾いた土の路面だけでの話で、仮に今路面が湿っていたら速度によっては間違いなくズルッと滑って大変なことになります。そういった場合の路面においてはスタンディングしながら、カーブのイン側に足を出しつつリーンアウトの姿勢をとり、スライド走行をしたほうが逆に制御はしやすいです」
スタンディングリーンアウト。
よくオーバースライドさせてドリフトさせるように走行させる方法ばかりイメージ図として披露されるが、別段それだけではない。
低速においてもあまりにもトラクションに不安がある路面なら有効な走法。
スルッとイン側に足を出し、状況によっては路面を踏み込むことで遠心力なども活かしてスッと曲がっていく。
この時、バイクはどうしても後輪が滑るのでスライド走行となるが、例えば後輪ブレーキなどを一時的に短い時間ロックさせ、大きくバイクをカーブの内側へと傾けつつ後輪を思いっきり派手に滑らせてカーブを曲がる方法をパワースライドという。
ただの魅せ技であり、スタンディングリーンアウトによるスライド走行とはまた違うものなのだが、どうも一部では混同されている節がある。
スタンディングリーンアウトの場合は足はチョイチョイといった感じでし地面と接地させず、またバイクのスライドも路面状況にもよるがスルスルと僅かに滑る程度。
実はこの走行方法、律はすでに自然と出来るようになっていた。
構図をみた律は、自分が入門コース終盤にて何となく楽に曲がれる姿勢だからとやっていたことがスタンディングリーンアウトだった事に気づく。
ちなみにリーンアウトについてはバイクの中心線に体を据え置く関係上、滑った場合の対応がとてもしやすい。
オンロードかつオンロード向けスポーツバイクにおいてはその走行特性から殆ど意味がないものではあるが、オンロードでもオフロードバイクならば広いハンドルの切れ角を利用して砂などで滑った際にリーンアウトで上手く上体を復帰させるということは可能である。
どちらかといえばそんなものよりも近年、大型二輪を中心に装備しているトラクションコントロールの方が有効に働く場面も多いのだが。
「ま、リーンウィズが悪いわけじゃないです。変に小回りしないならリーンウィズでハンドルの切れ角を利用してゆっくり回るのもアリです。ですがそれなりにスピードに乗せたいと思ったらリーンアウトを使わざるを得なくなるかと思います。では、まず最初は様々なカーブ走行をやってみましょう」
指導員はそう言うと、視界が開けた広い広場の方へ参加者を案内した。
入門コースでいろいろやった所とはまた違う場所である。
そこにはコーンが配置されており、かなりの小回りでオーバルを周回するレイアウトの仮設コースが出来上がっていた。
「ではこちらでまずはリーンアウトの基本からみっちりやっていきますよ!」
指導員の掛け声に参加者は一同「はいっ」と応え、いよいよ初級コースの実践が始まったのだった――。




