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道志と騒音取締(前編) 東京→神奈川(相模原)

 まだ肌寒い季節。

 桜がようやく暖かい地域を中心に都心でもそのつぼみを付け始めた頃。


 2台のバイクは中央道を越え、相模湖ICをおりていた。


 意気揚々と進むグレーのベスパGTS300の後に続くCB400SB。

 ゆったりとしたペースで進むこの2台の周囲には「ルージュの伝言」あたりでもBGMでかかっていそうな雰囲気がある。


 実際には律のヘルメットの中ではなぜか本家本元の「カントリー・ロード」がこだましていたが。


 枯れ木も葉をつけ始め、梅が周囲に散らばる山間を2台のバイクは進む。

 まずは国道20号を少し進み、上野原へ。


 そこから南側へシフトし、国道413号線から「道志道」へと向かう。


 CB400SBはこの日のため、昨日届いたばかりのゲルザブRとデイトナマルチウィングキャリアを新たに装備していた。


 そのキャリアに巨大なキャンプ用のスポーツバッグをバックル付きナイロンベルトで縛りつけ、キャンプや着替えなどの道具を満載している。


 シュラフやテント、レインコートなどはミッドシートバッグの中に。

 バッグの外に銀マットのみがくくりつけられ、当初の予定と異なり外にくくりつけられた物は少なくなった。


 当初積載予定だったPVCレザーのスーツケースは実際に積載してみると大きく後ろに伸びる構造からきわめて不安定となった。


 スポーツバッグは横に向けて配置するとキャリアのサイズとピッタリである。

 60L以上の容量はありそうなこのバッグの中には食材を含めた様々なものが詰め込まれている。


 走りながらに律は前日のことを思い出していた。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「どうし?」


「そうっ、どうし! 道志の森キャンプ場! そこに行くからっ!」


 電話越しに久々に聞くのは18歳の少女の声。

 免許取得中に再び再開した、同じ小学校を卒業し、その後その小学校にて開始された児童保育の場にて出会った子である。


 律はそこのアルバイトとして、彼女はそこに通う児童として。


 時のいたずらか7年ぶりほどに二人は再会していた。

 名前を松田マツダ 優衣ウイという。


 幼い頃から目が悪く、メガネをかけ、やや暗く引き篭もりがちだった少女は、律ら同郷の若いアルバイト職員の手助けによってなのか明るさを取り戻し、現在ではかつての面影もないほど太陽のように笑顔のたえない元気で活発な女の子となっている。


 律との繋がりはそれだけではなかった。

 律の卒業時の担任と彼女の卒業時の担任は同じ人物であり、教員の同窓会を開いても彼女とは出会えるような妙な間柄でもあるのだ。


 だからこそ律は優衣と再び再開した際、妙な縁を感じずにはいられなかった。

 どうやら同じ思いはあちらもしていたようで、頻繁に連絡を取り合う仲となっていた。


 恋人ではないが友達以上の関係、そんなものがあり、インパルス400で街乗りしていた際に何度かマスツーがてら散歩のようなツーリングもしていたほどだった。


 律は「綾華がこの姿を見たらどういう反応をとるか」と、土日の街中ツーリングにおいてはやや不安にかられるほどであったが、不思議なことに綾華はCB400SBが納車されるまで一切、律の目の前に現れなかった。


 実際には本気で挑んでいるジムカーナに集中しており、綾華は何度か「ジムカーナに応援にきてほしい」といった旨のメールを送ってきてはいたが、ジムカーナにさほど興味がない律は「そのうち」とだけ返答していた。


 実のところ、律はジムカーナについて勘違いをしていた。

 律の考えるジムカーナとは車のソレである。


 アマチュアがやる、初心者向きのレース。

 初心者向きといいつつも、なぜかお笑い芸人などが絡む、おそらくこのままでは永久に世界に認められないレース。


 GTレースなどには劣るもの。

 しかもGTレースなどのオンロードのサーキットレースとは異なる技術が要求され、特殊すぎる何か。


 しかも律の中でジムカーナというと、ドリフトとも結びついていた。

 D1曰く速さに拘らない何かというアレ。


 律自身はドリフトキングたる土屋圭市氏は高く評価しており、彼が中心となっていたD1グランプリも評価していた。


 だが、D1グランプリはどうなったかというと、「二足歩行ロボット大会」と同じく、TV局が目をつけたあと、お笑い芸人などと絡ませてバラエティ番組のようになってしまった。


 信じられないほどスピードを乗せたままカーブにつっこませ、それに対して車を制御する技術を見せつけ「美しいドリフトを魅せるか」という大会は、「よくわからない機械」を装着させ、それによってGなどを算出して評価するふざけた大会と成り果てる。


 どうなったか。


「今のドリフト駄目じゃね?」

「だよなー。すげえ遅いわ」


「その人が今のマッチの勝者です! 機械が高得点をつけました!」


「は?」

「はあ?」


 こうなった。


 ギリギリのスピードでもって車体をドリフト制御する技術を競い合い、その上で芸術点も考えようとしていたD1グランプリは、いつからか「機械のご機嫌を伺いながらタイヤを滑らすだけ」の競技に堕ちたのだ。


 その上でお笑い芸人と絡ませ、競技参加者達に三文芝居まで強要し、「競技とは何か」を崩していく。


 その様子を会場にて見ていた律がこの様子に激怒しないわけがなかった。


 問題はここからだ。

 D1を支えていたメンバーはジムカーナにも大きく関わっている。


 彼らはD1が完全に終わったコンテンツといわれ始めたあたりで離脱するのだが、土屋圭市氏を追いかけてドリフトマッスルを支えるようになった。


 しかし、律のように車にアツい者ならば知っている人間は知っているのだ。

 彼らこそ「D1をああした元凶の1つ」である。


 採点競技を軸に調整しようとして機械を導入したまではいいが、そこにTV局まで入り込んでカオスとなったら、土屋圭市氏を追いかけて「ドリフトマッスル(ドリフトキングダム)を正式競技に押し上げてまいります!」などという状況に。


 気持ちはわかるがそうじゃないだろうと。

 後始末をするべきは、お前たちであったはずだと。


 D1を一度解体してしまってもう一度やり直す、その方向性もあっただろうに。

 TV局が見放してガタガタになってきたD1は、ほぼ米国などでの盛り上がりによって支えられている。


 戦隊ヒーローが日本で苦戦しても仮面ライダーと異なり収益状態がいいのと同じである。


 しかし米国自体はドリフト=土屋圭市というイメージはきちんとあり、リスペクトしている。

 その米国として最も混乱するのが今の状態。

 土屋氏にも多少問題がなかったような気がしなくもないが、終始問題点を指摘しつつもどうにもならず祭り上げられる状態に嫌気が差して彼は去った。


 だが彼が去る前の段階でどうにかすべきだったろう。


 律はその状況を冷静に見ていた一方、それらの混乱した動きにジムカーナがそれなりに関わっていたことを知っている。


 そしてジムカーナもまた、タイムを競うといいながらもどこか間違った方向にシフトしてしまっている事を律は知っている。


 彼らは「日本にスポーツ車を復活させるため」と主張していたが、実は現在の最上位の大会では「古い年式の車」の参戦が殆どのクラスにて許されていない。


「手軽に参加できる」をモットーに始まったが、15年ほど前ぐらいにルール改定された影響だ。


 あまりに批判が出たため「古い車種でも参加できるクラスを増やした」が、最上位クラスは手軽に参加できるようなものではなくなった。


 また基本素ノーマルでカスタマイズが許されなくなった関係で競技者の腕よりも「トヨタや日産、マツダ、スズキ」といった国内メーカーの「よりジムカーナに向く新車」が重要となっており、車種とメーカーが偏る。


 それならワンメークレースにすればいいのに、妙にそこには自由度を設けたいようで、現実世界においては「とあるクラスは新型ロードスターが過半数」「とあるクラスはスズキスイフトスポーツが過半数」などという状況となっている。


 D1も似たようなことを仕掛けて潰されていったわけであり、TV局だけが潰したわけではないのはこれでわかるだろうが、


 律から言わせれば、現在のジムカーナに競技性などというものは一切ない。

 競技性とはすなわり「ルールの下に公平であること」


 基本が排気量別のルールなら排気量別に早すぎる車などにハンディを課すべきだ。


 ただ「タイムを競えば」いいわけではないのだ。


 ルールの下に不公平であり、実質的ワンメークレースになるものになっておきながら「腕の差を競う大会」というのは首をかしげる。


 完全なワンメークレースでなければその言葉は当てはまらない。

 公平にするなら車体も排気量別に対し公平となるよう調整すべきではないだろうかとずっと考えつつジムカーナとは距離をとっていた。


 つまり、律にとってジムカーナにいい印象がない。

 参加するドライバー自体を否定したいのではなく、レース形態が競技という状態になっていないと考えているのである。


 そもそもがジムカーナ自体が「他のレースと異なる技術を要求される」というが、それも新車を中心に展開しなければならず、各種機器を一切外せない状態となっているからだ。


 腕を競うだけならもっと安い共通車体でやるべきだが、なぜかそれはしない。(例えばスズキやホンダがやってる軽のワンメイクレースね)


 このイメージが律には強すぎた。

 二輪の「ジムカーナ」と四輪の「ジムカーナ」はまるで違う存在で、二輪のジムカーナは究極的には腕がモノを言う世界であり、そこからモタードなどに躍進したライダーもいるが、アマチュアレースでそこからプロ転向の話をまったく聞かなくなった四輪と同一視してしまっていたのだ。


 一方、ドリフトマッスル改めドリフトキングダムについては多少なりとも応援してはいた。


 ドリフトキングダムについては、最新の機器を利用してコース側から車の状態を計測し、ライン取りや速度を集計しつつも、いかに早い速度で突っ込んで車を制御しつつ美しいドリフトを描けるかに重点をおいており、


 追走という、後から他の車種がおいかけて1対1のバトルを繰り広げるというようなルールがある。


 2010年までのD1よりもさらに車の制御が重要だが、参加者の中には元プロやプロレーサーなども多数抱える。


 理由としては「進入速度とライン」に重点をおいているためだ。

 そのため、最上位のクラスだとその辺のサーキットレースと遜色ないカーブ走行をグリップではなくドリフトで見ることができる。


 車がグリップを失うギリギリでカーブを滑らすという、現在のレースでは「タイヤの無駄遣い」という状態を短距離走行でやっているだけなのでそうなるのだ。


 お遊びとなったD1とは完全に決別している。

 元来、二輪のジムカーナと似たようなポジションにいる競技だ。


 こういった四輪に本気すぎた影響が律の二輪ライダーとしての人生に少なからず良い面、悪い面にて影響を与えていた。


 綾華は当然そんな事など知らない。

 現在の律にとっては「ジムカーナ」と「キャンプツーリング」どちらかに誘われたら当然後者を即答するのである。


 というのも、実際に今日、この日、律はジムカーナ応援の誘いを「光からも」受けていたのだが、断っている。


 この日、綾華はA級昇格がかかったレースであった。


 A級とはどういう存在かというと、ゴールドウィングですさまじい小回りUターンをやるような化け物が蔓延る「止まる、曲がる」というバイクの基本走行を「極めた者たち」だけが名乗ることを許された存在。


 教習所の指導員や元白バイ隊員、現在白バイ隊員ですらここに参加してもA級に簡単になれないというすさまじい領域である。


 そもそもがこのジムカーナは、教習所の指導員や白バイ隊員が日常の練習や訓練の先に彼らが独自に行っている全国大会を土台にしており、競技主催者となっている事もあるのだ。


 ジムカーナの大会に白バイ隊員がゲストとして参加し、パフォーマンスを見せるのは恒例行事となっているが、この競技事態が教習所などの指導員向けの大会から派生した競技であるので、基本走行を意識したコースレイアウトとなっているのである。


 A級クラスには普通に以降プロレーサーへと成長した者もいるぐらいである。


 光はやや大規模となる今日の大会を律に見てもらうことでよりバイクを知ってほしいと考えていた様子だが、先に約束を取り付けたのは優衣という事もあり、理由を話した上で断っていた。


 ~~~~~~~~~~~~~~


「リッくん? 気分わるい?」


「ハッ……いや、ちょっと考え事をね……ごめんごめん」


「ん~?」


 ヘルメット越しに優衣が心配そうな声色で話しかけてきて律は白昼夢のような状態から醒めた。


 実は律、断った後で光がわざわざ後から念押しで誘ってきた事に気にかけていたのだ。

 そのようなことをあえてやる男ではないことを律はよく知っている。


 かといって、ジムカーナについて何もしらない律には車と同様、勝手すぎる負のイメージがあり、それだったら土日を楽しみたいと今に至っているわけである。


 ここには光の説明不足が大きく絡んでいた。

 多少でも「違い」を説明しておけば律は自分で調べて動画などを見て考え直したはずである。


 そうはならなかったのは完全に光の失策であった。


 負のイメージを背負ったままでは当然自発的に動画など見るわけもなく、スーパーモタードやモトクロッサー、GPレースなどの動画を見るようになった一方、大会規模が小さすぎてなかなかオススメにも上がってこないため見過ごしていたのだった。


 ツーリングで検索すればキャンプツーリングが山ほど出てくる状態とは違っていた。


「そういえば、今でなきゃこれないってどういう意味なの?」


 これではキャンプツーリングを楽しめないと考えた律は気分の切り替えを行うため、話を切り出した。

 現在走っている道の先にある道志道まではまだ距離があり、律には理由を実感できていない。


 現在、県道76号線にて相模湖から南下中。

 一旦山梨に入った後、神奈川県に入り、このまま進むと再び山梨県へと入っていく状態である。


「あそこは人が多いからね~。 寒い季節じゃないと、とてもとても……」


 優衣は先頭を走りつつ振り向かないまま、律の質問に答えた。


「キャンパーがそんなに? 家族連れかな?」


「いんや~? ツーリングキャンパーの方が多いんじゃないかなー」


 ツーリングキャンパーが多い。

 どうしてなのだろうか。

 律は頭の中を想像で巡らす。


 キャンプ地といえば、4つほどジャンルがあると思われる。

 1つは、湖畔、海岸、河川敷などの水際。

 1つは、草原地帯などの平地や盆地。

 1つは、山。

 1つは丘など、山や景色を楽しめる高台、それに準じた場所。


 それぞれ、他の目的と合わせて利用されるためその場所によってキャンプしに来る人種も異なってくる。


 ライダーで山登りをする人間は少ないと思われる。

 というか、山キャンプするような軽い道具で構成されたツーリングキャンパーはどれだけいるのだろう。


 となると、山というのは違う。


 草原地帯や盆地はおそらく車が入れない。

 ライダー向きではないのではないか。


 残る2つのどれかに今日の目的地が当てはまっている――。


(待てよ、ただバイクが入れるだけじゃライダーが好むわけがない……ライダーが好むのは……峠道。峠道と快走路と様々な地域との接続性……)


「もしかして……道志ってライダーめっちゃ多い?」


「そうだねー。シーズン入っちゃうと女の子一人じゃ怖いかな」


「この間走った日光あたりと同じか……」


「あー、リッくん一人でそんな所に行ったのかー……誘ってくれればいいのに」


 律は思わずフフッと息を漏らした。

 光はいつしかこのような独り言を漏らしていたことを律は覚えている。


「ライダーは必ず惹かれあう運命にある」


 優衣は大型二輪免許も持つ人間ではあったが、彼女もまたライダーであるのだと。

 だとすれば再開も必然。


 律がライダーになったからまた会ったのだと。


 そしてライダーだからこそ、ライダーが集まる場所に自然と向かうようになっているのだと。


「まあ目的地を探さずに適当にブラブラしたかったからね……今度は誘う」


「うー。約束だかんね~?」


「ああ」


 そのような日常会話に花を咲かせると、国道413号が見えてくる。


「ここ右ね」


 ウィンカーを出しながら右にバイクを寄せる。

 彼女のベスパGTS300はこの日、フルパニア状態であった。


 もともと純正のトップケースを装備していたが、シートバッグにサイドバッグまで装備。

 バッグだけで4つも装備していた。

 シートバッグはやや大型。


 ここにさらにシート下にラゲッジスペースすらある。


 総容量120Lといった状態であった。


 やや軽装な格好をしつつもしっかりブーツなどを着込んでいる優衣は、普段「キャンプツーリングが趣味でほぼ土日はいつもどこかへ行っている」と豪語するだけにこの状態で平然と走行できていた。


 一方の律はフラフラ状態。

 足がまともにつかなければ何度倒していたかわからない。


(トップケースがそんなに影響しないとか言ったバイク屋の元オートレーサーの店員がいるらしい……)


 律は怨念のようなものを飛ばしつつも必死に右折する。


「ヘックシ! ウー……風邪か?」


 彼の知らぬところでバイク屋の男は270kmほど離れた先でクシャミをしていたが、律の恨み言はきちんと伝わっていた。


 国道413号線。

 またの名を「道志みち」という。

 ここから山中湖までは都留につながる道を除けば一直線に向かうしかない一切迂回等ができない道。


 だがここは奥多摩と並んでライダーの通行量がが非常に多いライダーの聖地の1つ。


 行き交うライダーの数が尋常ではなかった。


 右折したばかりの律と優衣はその洗礼を受ける。


「うおおっ、なんだこれは!?」


 スローペースで走る二人を大量のバイクが追い抜きをかけていき、二人は道路の左端を走ることを余儀なくされた一方、右車線にも大量のバイクがどこへ向かうのかと言わんばかりに大量に走行していた。


 ヘルメットの頭頂部にカメラをつけた者、手を振る者、すさまじいスピードで追い抜きをかける明らかに免許が金色と程遠い者、


 ライダーだけでなくバイクも千差万別。


「あっはは、いつ通っても土日はこれだよ。今日の目的地も人が多くなければいいんだけど……」


 前を法定速度で走る優衣はやや焦った様子を見せる。


「なぜ?」


 律は漫画ならば額から汗を流していそうな状況に疑問をもっていた。

 いくらライダーは多いとはいえ、明らかに気温は低くキャンプにはまだ早い時期であることは走行中の外気温からわかる。


 手をグリップから離してかざせば手にはひんやりとした冷たい空気が突き抜けていくほどである。


「フリーサイトだからねえ……バイクも入っていける分、人が多いとうるさかったりとかさー」


「あぁ……なるほどね」


 優衣の不安からキャンプ地の状態をなんとなく想像できた律は、彼女の後についていきながら光と綾華を一旦忘れようと自己暗示をかけていた――

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