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敵地(聖地)へと向うCB(前編) ~浜松~

ミスって翌日分を投稿してしまったい(涙目)

 1号線から県道323号線に入っていた律は、1号線をそのまま進んでいたらガソリンスタンドがすぐ近くにあったことをスマホで知り、思わず――


「くっそ、裏目った」


 ――と、頭を抱えた。


 何も知らないとそういうことがよくある。

 例えば「側道を走ればスタンドに行ける」のになぜか「本線」に入ってしまったばかりに、本線側の高いスタンドに入るハメになったとか。


 ガソリンスタンドは「入りやすい場所にある」ところほど高いのだ。


 また、スマホで調べるとすぐ近くに非常に巨大なネカフェがある事に気づいた。


 食事と就寝の双方はもう面倒なのでそちらで行うことにし、ひとまず1号に戻ってガソリンを補給することにする。


 立ち寄ったガソリンスタンドはやや高めであったが、特に問題なかった。

 タンクキャップにカギを差込み、パカッと開く。

 

 しかしやはりCB400は思ったより量が入らない。

 原因は古い車体らしくガソリンタンク自体に問題があった。


 実はCB400シリーズのガソリンタンク、他のホンダ車両と異なり、ガソリンタンク内にノズルを受けるノズル受けともいうべき部品がない。


 現在の殆どのバイクのガソリンタンクにはこのノズル受けともいうような細い穴が設けられたプレートのようなパーツがガソリンタンク内に装着されている。


 ここにノズルを引っ掛け、このプレートのやや上辺りまで燃料を入れれば「満タン」という状態。

 これより上に大きく入れすぎるとタンクキャップを閉めた際に溢れ出す。


 しかしCB400、なぜかNC42の2014年モデルになっても未だにそんなものが装着されなかった。

 他のモデルにはマイナーチェンジと共に装着され、「引っ掛けて全力噴射で止まるまで」といった状況で良かったにも関わらずCB400にはそれが出来ない。


 ホンダの中では「コストパフォーマンスモデル」と言われるNC750シリーズにも簡易的なプレートが装着されており、他にもグロムなど125cc程度の小型バイクやスクーターにも装着される時代であるにも関わらず、


CB400シリーズはどこまで入れればいいのかセルフだと迷うレベルの入れ辛さがある一昔前の燃料タンクであり、今やそんな古い形式のタンクはスーパーカブシリーズとCB400ぐらいしか存在しないのだった。


 律はあまりにも違和感を感じたものの、いつものようにしてタンクの奥までノズルを突っ込み、溢れない程度に留めて補給する。


 それでは16L~17L程度しか入らず、最大で2Lも少ない状態となる。

 

 慎重すぎる律が溢れるのを嫌った結果、適量までがわからず本来の「満タン」という状態にならないためであった。


 実際、上記ノズルプレートとも言うべきものがあると溢れるリスクが大幅に減るため、スーパーカブを除いたすべてのホンダ車両は装着すべきであろうと思われるのだが、「いや、ちょっと前に販売終了したCBR250Rですら普通にソレついてたし、今装着してないのCB400とスーパーカブだけっしょ?」と言われているので通常のバイクにおいてはCB400だけの弱点ということなのだろう。


 ガソリンを補給した律は、一路ネットカフェへ。


 ネットカフェへと向うと駐車場が信じられないほど大きく、まるで地方の巨大スーパーマーケットのようであった。


 駐車場の端の方にバイクを停車させた後はカバーをかけ、盗難防止の措置をとる。

 光からは特にアドバイスされていなかったが、個人的にそうしたかったのでいたずら防止もかねてカバーをかけた。


 そのまま荷物持参で店内へと入る。

 初見のため、中に入り、登録を済ませてそのまま座敷席を選択し、ナイトパックを選び、座敷席の中に入ると、夕食を注文し、それを食して休息に入った。


 その時であった。

 走っている際はさほどではなかったが、休憩すると尋常ではなく太ももが痛むことに気づく。


 まるで日焼けした後何もしなかったような状態だ。


 急いでズボンを脱ぐと、太ももの内側が真っ赤に腫れていた。

 低温やけどであった。


(走ってる際は集中しててジンジンしてるとしか思わなかったが…これは……)


 激痛というわけではないが鈍痛でもない。

 それなりの痛みである。


 CBは現在の排ガス規制に対応させんがためにやや無茶な設計となっており、その設計によって生まれた弱点が律にダメージを与えたのだ。


 よく見ると脛のあたりも痛みはないが赤くなっている。

 水冷のファンが送る高熱が律の脛にダメージを与えたのだった。


 加えて、頭部や耳への強い圧迫感からの開放を感じた。

 ヘルメットがキツいとは思っていたが、どうもおかしい。


 まるで孫悟空が身に付けさせられた輪っかを締め付けられたような感覚から開放されたような状態である。


 耳も圧迫により赤くなっていた。


「もっと休憩を増やせばよかった……」


 初日の失敗続きの状況に、自分自身が情けなくなる。


 どうして自分は行けると思ったのか。

 ネットカフェにて、いまさら正気に戻ったように考え直す。


 どうしてこんな事になったのか。


 ここまでの状況、必死すぎて運転が楽しいとも思わなかった。

 景色を楽しむ余裕もなく、せっかくの静岡のバイパス区間の海岸線沿いも暗くなっていたために見事にスルーした状況。


(これは……俺が求めたものではない……よな?)


 自分自身のツーリングの手法と同時にCB400について違和感を感じる。

 まだ慣らし運転で、パワーについての最大値については不明であるが、少なくとも低速のパワーについてはインパルスより上。


 燃費については渋滞もあり、とてもよろしくないがそれでも300kmは走ってくれたものの、たった半日程度移動しただけで律が受けたダメージは少なくなかった。


 忠告はされていた。


 ドリームにて店員から「バイクは楽な乗り物ではない」とは言われていたが、疲れるとか疲れないとか以前に何か対策をしなければ「肉体的ダメージを受ける」ような乗り物はどうなのだろうかと。


 特に、インパルスではそういうことが無かったことから、恐らく1つ前の世代の「NC39」ではそのようなことはないのではないかと考えた律は早速PCを使い調べると、やはりNC42から固有の大問題として指摘されているものだった。


「なるほど……NC39より増加したパワーによって犠牲になったのは快適性か……」


 まだ肌寒い季節でですら、それなりに熱を遮断できる厚手の綿のチノパンを用いていたにも関わらず、タンクの熱で火傷した律は、CB400シリーズが長距離ツーリング向けではないのではないかということを認知させられたのだった。


 CB400のタンクが過剰に熱くなる原因は、インジェクションがリターン式になったことによるもの。


 どういう構造になっているかというと、排ガス規制の問題をクリアするた犠牲になったものがあるのだ。文字通り、犠牲の犠牲に律がなったために生まれた火傷なのだ。


 2008年の排ガス規制においてはCO2の大幅な排出制限が設けられた。

 その結果、それまで「ガソリンの気化熱」によって冷却していたエンジンは、その「気化熱分の噴射」を削減することで排ガス規制を突破しようと試みる。


 CBも例外ではない。

 だが、その際、旧来のインジェクションでは、燃料を送る圧力の調整のため、「大量の燃料を送りつつ、一部を噴射し、一部は再びガソリンタンクに戻す」というような仕組みとなっている。


 これが「リターン式」と呼ばれるもので、エンジンの高熱に晒された燃料がタンクに戻ってくる。

 インジェクション化されたバイクでも「熱すぎるもの」「ほどほどに熱いもの」「従来と変わらないもの」で3つのパターンが存在するが、それらはそれぞれ、


「エンジン熱量が高すぎる(高回転エンジンなど)」「エンジン熱量が低い(基が空冷エンジンだったり低回転型のものだったり、フリクションロスなどを低減させてエンジン自体が殆んど熱くならないものなど)」「従来と変わらない(リターンレス)」という2つの方式と2つのエンジン設計の違いによって生まれる。


 高回転型のエンジン+リターン式というのは、「高熱化する」と言われているが、現行400cc帯だとホンダではCBR400Rはリターン式だがフリクションロスなどを低減しているため特段問題視されていない。


 やや高回転よりのエンジンであっても、きちんと新技術を投入すればリターン式であろうが問題ないわけだ。


 大型の最新型は現在殆んどがリターンレス式になっているため、ホンダ含めて最新鋭のバイクほどこの問題と遭遇しなくなるが、一昔前のバイクだとCB400以外にも問題視されるようなバイクがかなりあった。


 その結果どうなるかというと、夏場は「ニーグリップ不可能」な状態となるし、春先でもちょっとでも気温が高ければ油断すれば火傷という状態となる。


 タンクパッドなどを貼り付けたり、耐熱用の素材が縫い付けてあるライディングパンツを身に着けることで緩和可能。


 だが、もう1つCBには緩和方法が提案されていた。

 それは……


「ハイオクを使う?」


 PCを見た律の頭の中に「?」の文字が浮かぶ。


 ネット上で何名かが提案していた話だった。

 無論、きちんとした理由もある。


 元々、この方法はCB1300の対処方法であった。

 CB1300は現行型になって以降、センサー類がさらに最新かつ優秀なものとなったため、エンジン内の状況をより把握できるようになっていた。


 そのため、ホンダがレースにて培った技術をフィードバックし、「ハイオク」と「レギュラー」などのオクタン価の違いを認識し、それに合わせた燃料噴射量に調節することが出来る。


 ECUでその調整を本気で行っている。


 これは「元来はそういう風にしてノッキングを防ぐ」という防衛的システムと「なるべく燃料噴射量は適切にしたい」という設計者の考えによるものと思われるが、ハイオクを入れてしばらく走った後にレギュラーを入れたりすると明らかにアイドリングなどがおかしくなるのですぐわかるほどだ。


 CB400はNC42でも、高価格路線にシフトしCB1300と共有パーツが増えた2014年モデル以降、このようなことが可能となっているらしく、ハイオクとレギュラーで目に見えて状況が変わることがあるといわれる。


 少なくとも2014年式にはクランクシャフト側にもセンサーなどが付くなど、目に見えない改良がかなり施されていることがわかっている。


 あると言われるというのはどうも「エンジン内のカーボン」などの影響でそれなりに走行距離を経た状態だとハイオクを入れても燃料噴射量は改善せず、殆んど意味がないとのことだが、


 この問題をハイオクで解決するというのは「リターン式のシステムは全体の燃料噴射量を減らせば結果的に抑えられる」というやや強引な解決方法によるためだ。


 ハイオクとレギュラーを見分けられるエンジンは、当然にしてレギュラーよりもハイオクのほうが空気を増やす分、噴射量を減らす。


 ということは「燃費に寄与し、その分、全体の循環する燃料が減れば温度が上がりにくくなる」という可能性は十分あるものの、


 正直言ってオカルトの部類に近い。


 いや、実際にはオカルトではない。

 オクタン価を上げ、シリンダー内圧力を上げることができれば当然「エンジン内の熱エネルギー効率」は改善される。


 だからハイブリッドカーなどにおいては、

 ・まずは圧縮比をあげ、より少ないエネルギーで必要な熱量を取り出す。

 ・ノッキングの原因とそれに伴って圧縮比を上げられない原因は吸気した外気の温度が一定ではなく低すぎたり熱すぎたりすること。なので一旦排出した高温の排気ガスから再び燃焼に使えるものを取り出して外気と混ぜ込み、温度を一定にさせ再び吸気ポートへ回す(ターボに近い発想だがタービンは用いない)

 ・シリンダー内にセンサーを配置した上で、様々な方向へ噴射場所を調節できる最新鋭のインジェクターを搭載することで、ノッキングが発生しそうな地帯に燃料噴射量を調節させる

 ・エンジンシリンダーなど各種の摩擦が発生する部分の見直しを行い、エンジン全体が摩擦などによって生ずる抵抗などによって無駄に熱を発生させることを防ぐことで、水冷式の冷却水の循環量を減らし、過剰な冷却水によってエンジンが過冷却に近い状況となって熱効率が悪化するのを防ぐ


 などといった、もう特許系だけでも各メーカーがどれだけ特許を出しているかわからないようなぐらい大量のものが登録されている塊を装備し、レギュラーで圧縮比14とかいう大昔のハイオク専用のスポーツカーすら真っ青になるような状態となり、


 それらの技術はバイクにも部分的あるいは全面的にフィードバックされ、二輪も凄まじい高圧縮比エンジンが主流となりつつある。


 CB400ではそれらの技術のほとんどは搭載されていないが、センサー類やECUなどを用いて、燃料噴射量をより適切化する能力はある。


 坂道など、エンジン負担が増す状況などで燃料を濃くしたりする際に濃くしすぎてノッキングを起こしたり、スパークプラグがかぶらないようにするためだ。


 その能力はハイオクとレギュラーを見分けて自動で燃調を行っているほどであるとのことだが、それが結果的に「本当にタンクの熱を落とすのかどうか」については、10人中4人ぐらいしか「YES」といわない問題なので、アテにならない。


 アテにならないが、エンジンオイル添加剤などのシリコン配合による燃費改善とかいう意味不明なオカルトよりかは、理論自体は科学的でよほど信頼性のある話ではある。


 ようは「冬より夏の方が燃費がいい」のと同じような話だ。

 律は次の給油からハイオクにすることを考えるが、それと合わせてどんなハイオクがいいのか調べることにした。


 ハイオク。

 ただ高いオクタン価にしただけではなく、様々な添加剤が仕込まれているのが一般的。


 巷で有名なのは昭和シェルのVパワーとエネオスのヴィーゴ。

 提供店舗が多いからというだけではなく、両者は「ガソリン洗浄剤の能力」の高さにより評価されていた。


 律にとっては本当にそれが優秀なのかどうかはよくわかっていなかったが、これはPEA(ポリエーテルアミン)によるもの。


 現在の所PEA(ポリエーテルアミン)が最もエンジン内洗浄力が優秀で評価され、ガソリン添加剤としても販売されている。


 これらはエンジンの保護を行うことで、エンジン能力の劣化を緩めようと試みるものだが、カーボンなどは最悪エンジンをブローさせる危険な存在で、PEA(ポリエーテルアミン)はそれをより防ぐことが出来る能力がある。


 BMWモトラッドなどは純正添加剤などを販売しているが、この中に入っているのも同じもの。


 ハイオクだから入っているわけではないので、こういうものを販売しているが、国内ではフューエルワンが効果が高いと有名だろうか。


 エンジンオイルは意味がないと誰しもが言う中、ガソリン添加剤で、かつPEAのものは効果が多少なりとも認めるという化学系に強いドライバーが多いのも、実際にそれだけの能力があるからだ。


 だから、PEAを添加したハイオクを提供する昭和シェルとエネオス(一部は統合の影響により提供していないのでわかりにくい)がハイオクでは二大巨頭と言われるが、PEAを添加した分オクタン価が微妙に低いので、純粋なふけ上がりを求めて他のブランドにする人間もいる。


 ただ、JXTGガスは今後全てエネオスブランドに統一し、提供ガソリンもハイオクはヴィーゴで統一予定のため、最終的にはキグナス、JA、出光などを除けば日本で提供されるハイオクガソリンの8割はPEA配合のものになる予定だ。


 ――その後、律は上記のような、化学的な話について深く調べることはなかったものの、「ヴィーゴかVパワー」という所だけ頭に入れ、他にも何か観光地がないか調べることにした。


 そこで意外な盲点に気づいてしまう。

 現在いる場所は、敵地であるのだと。


 すぐ近くにスズキ本社があるではないか。


 調べてみると、その近くにはスズキ歴史館なるものがあると知り、面白半分で訪れてみることにしたのだった。


(そうだ……それと忘れないうちに彼女について調べておくか)


 一通り調べた後、横になった律は再び起き上がる。

 西湘パイパス下りPAにて出会った女性、「こばやかわみすず」という人物についてである。


 自身を多少なりとも有名と自負するからには調べればすぐ出るのだろうということで、平仮名の名称を入力する。


 高末京子という文字も添えて確実にヒットするようにした。


「げ……wikiに登録されているの人なのか……俺はなんて失礼なことを……」


 基本的にそれなりの有名人でなければ登録されないwikiにて彼女の詳細が書かれていた。

 高末京子の娘にして、パリコレにも招待された経験がある元トップモデル。


 TV出演もそれなりに経験がある19歳。

 すでに18歳を越え、成人こそしていたが見た目に反してまだ年齢は若かった。


 現在はモデル業は休職中で、モデル業を行っている間に開花させたアパレル業にて生計を立てているという。


 アパレルは女性向けの衣服が基本だが、女性ライダー向けのものもあり、それなりに評判が良かった。


 当人は年1万7000kmもの距離をバイクで移動する旅人で、旅先で得た経験から着想したデザインなどは非常に高く評価されており、年商数十億という金で手に入るものなら殆どのものが手に入るセレブであった。


「ははは……そりゃあ、あんな高そうなヘルメットも余裕なわけだ……」


 ネットのサイトには彼女が見につけるヘルメットのメーカーと商品名も書かれており、その額20万円以上と凄まじい数字であった一方、その年収は数億をくだらないとされている事からそんなものを消耗品として用いても屁でもないということが律にも理解できる。


 その一方、バイクはスズキをこよなく愛し、さらに変にカスタマイズせず基本的には純正かプチカスタマイズで乗るらしく、バイク自体にはそれほどお金をかけていないという。


「え……GSX-S1000Fって俺のCBと殆ど値段変わらないの!?」


 ネットで彼女の乗るバイクを調べていた律はその車種がGSX-R1000ではなくGSX-S1000シリーズだということを知り、その上でGSX-S1000Fだということを理解する。


 しかもその価格はAGVのヘルメット6個分。

 ここで律は初めて知ったが、GSX-S1000Fは律が見たことがあり、低価格だとスズキスポーツにて感じたGSX-S1000とほぼ同一車種だった。


 あまりにも見た目が違う印象があったので別のものだと考えていたが、ただのカウル付モデルだったのである。


 彼女はそこにパニアケースを装着した程度であり、総計でも140万未満しかバイクにかけていなかった。


 彼女の身なりや装着されたブレンボのブレーキキャリパーなどからGSX-S1000Fを高額な大型バイクと考えていた律は拍子抜けする。

 GSX-R1000Rという非常に高額なバイクではなく、GSX-S1000Fを選んだ理由が律にはよくわからなかった。


(バイクは性能や価格だけでは語れないってことなのかな……よくわかんないな)


 この時点での律は、高級車=値段に見合う存在という認識しかなかった。

 そのため、美鈴が「ツーリング用途としての大型車」として、「カタナの再来とされるスズキの名車」としてGSX-S1000Fを選んだことに気づいていない。


「はぁ……」


 一通り調べて美鈴を多少理解できた律は再び天井を見上げるようにして横になる。

 疲れからか、いつの間にか自然と目を閉じてしまった。

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