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ツーリングドランカー! ―現代二輪ライダーの備忘録―  作者: 御代出 実葉
第二章:明日行きたい所にバイクで行く
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そしてライダーは西へと消えていった

砂丘に留まった男は1時間ほど鳥取内で過ごして西へと向かった。

最終的に出雲、当初目的だった本州最西端である下関へと向かい、故郷である烏山へと戻っていった――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「そういえば、あの時もこんな感じで西へ、只管西へと向かってたっけ……今回は四国から周ってみるか」


 421号線を走る男は目を覚ましたように現代へと戻される。


 このまま真っすぐ進めばあの時立ち寄った近江八幡へと行ける。

 そう思うと久々に休暇村などの方角へと舵を切りたくなった。


 あれから数年。


 再び遭遇した事故によってあの時の愛車は廃車となったが、現在は同じシリーズの新車を手に入れ、あれこれ手をかけて乗り続けている。


 同じシリーズの別の派生モデルにした理由は、事故に遭遇したのに今度は無傷だったから。


 それは願掛けのようなものだ。


 あれから何度も林道などを走りこんだ結果、最終的な結論としては、自分はビッグオフのほうが向いているということに律は気づいていた。


 軽量オフローダーは林道内では楽しいが、舗装路との兼ね合いでは不利となる。


 律はあの後の自分を思い出してなぜか腹の底から笑いが込み上げてきた。


 テント購入を決意したものの、そこから四苦八苦したこと。


 特にテントは当初DODの安物を購入したが、すぐフレームが折れて使い物にならなくなり、そんな話を知人にしていたら知人からムーンライト2型を貰ったことや、


 ムーンライト2型を貰った後も、自分のテント泊の在り方に迷いが生じ、何度も試行錯誤した結果かなりの出費となったこと。


 例えば寝るだけなら小型のミニマムテントで十分だったのだが、そんなミニマムテントは設営時間が通常のものとそう変わらず、しばらくはムーンライトを使っていたが、結局バイクのためを思ってサーカスTCへと辿り着いた。


 出費がかさんだ結果、仕事を探すことになりなぜか東京都内の商社に入社するなど、以降の人生もまるでそれまで想像していたものとは違っている。


 以降は休日の全てをツーリングに割く影響で休憩をほとんどしなくなり、それを妙なあだ名で揶揄われることになってしまった。


 走行中にクスクスと笑うその男は「全部いい思い出だった」と思いながら西へと消えていくのだった――

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