表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/197

4

「IDとパスワードって……何の?」

 霧ヶ原が後ろから覗く。

「ikloudのヤツやって……やっぱり伊里塚君待つしか」

「あ、それなら僕のスマホに入れてるかも……」

「「へ」」

 ポロリと爆弾発言が降ってきた。

「ホンマに!?」

「うん。ちょっと待って……」

 霧ヶ原は巧みな指さばきでスマホを高速操作する。

「あった」

 うわぁー……、と思わず明崎と須藤は顔を見合わせる。

 今はめちゃくちゃ有難い、けど……!

「……キリオ君、つかぬ事を聞きますが」

 明崎は霧ヶ原のスマホを受け取りながら聞く。

「はい」

「俺らの分もあるん? これ」

「あるよ?」

 ぅわぁあああ。

 聞かなきゃ良かった! ホンマ聞かなきゃ良かったわ!

 明崎は内心叫びつつ、自分のスマホでIDとパスワードを入力していく。

「これで……行け!」

 送信ボタンを押した。ページが変わった。マップが出た。

 海沿いの道路を表す灰色の線に……赤い丸印があった。

「いたー!」

「よっしゃあ! よくやった明崎っ!」

「良かった! 良かったぁー!」

 三人の中でブワッと歓喜が押し寄せ、喜びのあまりお互いの背中をバンバン叩き合った。

「で、ここどこ」

「ちょっと待ってやー……って、アレ?」

 赤い丸印は確かに笠原の現在地を指している。

 ――ただし時間表示は十八時三十三分とあった。つまり今から十分前の現在地を指していたのだ。

「……どゆこと」

 見出しには『リアルタイムで現在地を更新』とあるのに。そう思ってふと、マップ画面の枠下に目を移した瞬間。

『現在電波の繋がらない所にあるか、電源が入っていない可能性があります』と、小さく赤字の表示をされた文を見つけてしまった。

「………………」

 程なく、他の二人もそれを見つけた。三人共、言葉も継げずに固まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ