ドラゴンとの死闘!?
50階層の試練の間は50m四方くらいの広さだ。
中央には赤黒い鱗のドラゴン。
二階建ての建物くらいを超える体長。
爬虫類を大きく、太くした感じだ。
有鱗目と言われるトカゲ目をしている。
背中には大きな羽が生えている。
身体の奥底から震えが来る。
距離にして30mくらいだ。
私は右手で魔力球を作り放った。
間髪入れず左手でも魔力球を放つ。
すぐに右手で魔力球を作り放つ。
左手で放つ、右手、左手、右手、左手…。
「おい、もう倒しているぞ」
アイヴィーの声に我に変える。
無我夢中で魔力球を放っていた。
終わっていたのか。
アイヴィーは私の頭にポンっと手を置く。
「ちょっとパニックになっていたな。まぁおいおい慣れてくる。次の階層からはドラゴンばかりだからな」
そう言って奥の祭壇にある宝箱を開けにいった。
私のドラゴン戦の初戦は何も記憶に残らなかった。
51階層の魔法石に魔力を登録する。
51階層も空がある草原エリアだ。
少し歩くと飛行しているドラゴンがいる。
「ほら早くドラゴンを撃ち落とせ!」
マジですか。あんな巨体を呼び寄せるなんて。
私は渋々飛行しているドラゴンに魔力球をぶち込む。
魔力球が当たったドラゴンはバランスを崩して落下していく。
ドラゴンは50mほど前方に墜落した。
「ほら、瀕死になってるぞ。トドメを刺せ。それにしてもエルシーの魔力球も威力が上がっているな」
アイヴィーに言われた通りにドラゴンに魔力球をぶち込む。
鱗に当たったらしく、ドラゴンの表面が爆発する。
「ちゃんと狙ってやれよ。それとも嬲り殺しが趣味なのか?」
「そんな趣味してるわけないでしょ!分かったわよ。ちゃんと狙ってやるわ!」
ドラゴンの鱗が無くなったところを目掛けて魔力球を撃ち込む。
魔力球がドラゴンにぶち当たる。
鱗が無い部分に当たったため、内部にダメージが入ったようだ。
ドラゴンはそのまま生き絶えた。
落とすのに一発、鱗破壊に一発、トドメに一発かぁ。
三発でドラゴンが倒せるなんて、改めて魔力球の破壊力を思い知る。
その後も飛んでいるドラゴンを討伐して行く。
魔石は既に60㎝を超える大きさだ。
持ち帰るのも厳しい。
持てない魔石は放置して進んでいく。
その後、予定通り56階層の入り口の魔法石から帰還した。





