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再開した特訓

「良いか、ハルが持っているペンダントは魔力を暴走させるものだ。普通なら少し体調が悪くなる程度だが、俺の場合には同郷の奴の魔力から作っているため共鳴度が高いんだ。つまりあのペンダントがあると俺は役立たずになる。魔力を固定化して石になるしかないからな。だから眷属の力がとても大切になる。つまりエルシー、お前の力だ。しかしハルは王都ダンジョンを最低30階層を突破している。実際はどの程度強いか分からん。その為にはエルシーを限界まで強くする。わかったか?」


意味はわかったが、理解はしたくない。

アイヴィーが私に近づいてくる。

もう抗えない。

アイヴィーの牙を受け入れた私は王都ダンジョン行きを承諾した。


久しぶりの王都ダンジョンである。

階層は41階層。

ここも空がある階層だ。空にはレッサードラゴン、地上にはオーガがいる。

オーガの中にたまに小柄のオーガがいる。

小柄だが油断してはいけないオーガキングだ。


オーガキングは身長は180㎝程度だ。

スピードは速く、パワーもオーガを超えている。

生意気に装備もしっかりしている。

オーガキングは40階層の試練の間の魔物でもあるが、今回は魔力球無しの縛り戦闘ではない。

私は両手から魔力球を次々と撃ち込んでいく。

アイヴィーがすぐに私の服に手を入れて直接左胸を触る。

眷属の紋章を通して魔力を補充してくれている。

安心して魔力球が撃てるのは良い事だ。


46階層の入り口の魔法石に私の魔力を登録した。

今日は56階層まで行く予定らしい。

アイヴィーのスパルタは変わっていない。

魔物の出現は空は変わらずレッサードラゴン。

地上はほとんどがオーガキングになっている。

少しでも気を抜くと、レッサードラゴンは火の玉を吐き、オーガキングは突っ込んでくる。

魔力球の連射が欠かせない。

その為、殆どずっと私の左胸はアイヴィーに握られている。

魔力の補充が必要だからしょうがない。

こんなところ眷属1人では抜けることはできないだろう。

これより先で鍛錬すれば、ハルに負ける事はないはずだ。


50階層の試練の間の前まで来た。

ここの魔物はドラゴンだ。

現在の私の魔力球の大きさは最大25㎝くらいだ。

アイヴィーから攻略法を教わる。


「ドラゴンの鱗は今のエルシーの魔力球で破壊できるはずだ。一発目で破壊して、同じところに二発目をぶち込むんだ」


恐怖の象徴、それがドラゴン。

考えただけで怖くなる。

何も考えるな。

ただ魔力球を撃ち込むだけ。

50階層の試練の間の扉が開く。

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