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絶対的強者の自由

ロード王国高等学校で私はとても有名だ。

二年生の首席。

魔力球の使い手。

Aランク冒険者。

最近ではファンクラブもできてるようだ。

まるで他人事のように感じるわ。


生徒会に行くと一年生のサマリー・エバンビークが話しかけてきた。


「エルシーさんは、アイヴィー様の婚約者なんですよね?」


アイヴィー様?

なんで様で呼ぶ?


「そうね、アイヴィーとは婚約しているわよ」


「今度、アイヴィー様と会ってみたいんです。ブランバル伯爵家まで遊びに行って良いですか?」


「あら、ソフィア姉さんからエバンビーク侯爵家はブランバル伯爵家と距離を取ると宣言されているんだけど、サマリーは大丈夫なの?」


「ザインお兄様はソフィアさんに騙されているんです!アイヴィー様が悪い人のわけがないじゃないですか!」


お前にアイヴィーの何が分かるというのだろう?

どうやらサマリーはアイヴィーのファンらしい。


「一応、お父様とアイヴィーに確認を取ってからにするわね」


「わかりました。是非私を招待してください!」


サマリーはトレードマークのクリクリとした瞳をキラキラさせてこちらを見て頼みこむ。

クリクリのキラキラって結構、威力が高いわ。


帰宅してお父様とアイヴィーにサマリーを家に招待して良いか確認をしてみた。

2人とも招待する事を承諾する。


夜にアイヴィーに真意を確認しなきゃ。

いつもどおりの吸血の後にアイヴィーに話しかける。


「サマリーを本当にお家に招待して良いの?エバンビーク侯爵の女だけど」


「まぁ良いんじゃない。どんな子か興味もあるしね」


「サマリーはアイヴィーのファンみたいだったわ」


「憎っくきサラ・エバンビークの子孫が俺のファン?笑っちゃうね。隙を見て眷属にしちゃうか?」


「さすがに左胸に紋章が出たらバレない?」


「そうだな。俺の眷属はエルシーで間に合っているから良いか」


少し嬉しくなる。

私はアイヴィーにとってどう言う存在なんだろ?


「アイヴィーは私の事をどう思っているの?」


「いきなりの質問だな。大事な眷属筆頭かな」


「それだけ?」


「なんだ、それ以上の関係を望んでいるのか?」


「そりゃ世界征服を一緒にする人ですから」


「じゃ、エルシーは俺が世界征服をした後に世界の女王になってくれ。俺はまた楽しい事を探す事にするからさ」


世界の女王!?

全く考えていなかった。


「世界の女王になっても良いけど、私はアイヴィーと一緒にいたいの。その希望は叶えてくれるの?」


「まぁ眷属筆頭の願いはなるべく叶えたいな。それじゃ俺が飽きるまでエルシーは女王をやれば良い。飽きたらまた何するか考えよう。その方が楽しいだろ」


なんて自由人なんだろ。

そしてその自由を押し通す力がある。

自由は義務を果たした上で得られる物と言う人がいるが、それは弱者の論理なんだろう。

絶対的強者の自由は、本当の自由なんだな。

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