アイヴィー流の金儲け
ロード王国の東方がキナ臭くなっている。
エクス帝国との国境で小競り合いが起きたみたい。
アイヴィーは中規模の商会を買収して、ハマス商会を立ち上げた。
買収した商会は武器関係の販路を持っていた。
エクス帝国との緊張感が増したせいで、商会の武器の売り上げが上がっている。
またエクス帝国との小競り合いが起こる前に、サライドール公爵家の領地から安値で穀物を買い取りをしていたようだ。
エクス帝国との小競り合いのせいで穀物相場が上がっている。
どうやら大儲けしたみたい。
アイヴィーって商才があるのかな?
夜に私がアイヴィーに尋ねてみるとアイヴィーは笑い出した。
「エルシー、商売なんてものは簡単さ。安く買って、高く売る。それだけだよ」
「そんな単純じゃないと思うんだけど…」
「少し言い方を変えよう。安く買って、高くしてから売るんだよ」
「高くしてから?」
「戦争の緊張感が増せば穀物と武器の価格が上がるだろ?安い時に買っといて、後は戦争の緊張感を起こせば高くなるだろ」
「それってどういうこと?」
「現在のロード王国とエクス帝国の小競り合いは俺が起こさせただけだ。小競り合いを起こさせるなんて簡単だろ。人を使って国境の砦に魔法をぶち込ませるだけで良いんだ。両国の砦に数回行えば勝手に争いに発展するよ」
アイヴィーはそんな事までやっているんだ。
「後は魔石で儲ける予定だ。ロード王国は魔石の輸出国だ。エクス帝国は魔石を輸入している。この流れが停滞するからな。魔石をエクス帝国に密輸してやるんだよ。鷲の翼の連中にやらせる予定だ。冒険者は全国フリーパスだからな」
説明をしてくれるアイヴィーは微笑みを浮かべていた。





