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神童!?

鷲の翼のクランハウスを出た足で冒険者ギルドに行った。

受付でギルド長への面会を要請する。

すぐにギルド長室へ案内された。


ギルド長室に入るなり、アイヴィーはギルド長の腹に中断蹴りを放った。

虚をつかれたギルド長は鳩尾に蹴りが入ったようで膝をついてうずくまった。


ギルド長の後頭部を踏みつけるアイヴィー。


「オッちゃん、やってくれるな。鷲の翼に依頼を出した事を聞き出したぞ。どう言うつもりなんだい?」


苦しくて声の出せないギルド長の頭をグリグリと踏みつけるアイヴィー。


「何か言ったらどうなんだい?鷲の翼は俺の傘下に入った。これがどう言う意味か分かるだろ?俺はAランク冒険者で王都最大のクランを傘下にしている。名実共に王都の冒険者のトップになったって事だ。お前は死にたくなかったら、早く辞表か、移動願いを出すべきだと思うぞ。忠告はしたからな。じゃあな」


アイヴィーは最後にギルド長の顎を蹴り上げて、部屋を出て行った。



「今日は何かダンジョン気分じゃないな。王都でも散策しようか?」


アイヴィーの思いがけない言葉に私は間髪入れずに首を縦に振る。


「エルシーはどこか行きたいとこある?買い物?食べ物?景色?美術?」


私はアイヴィーと街中でぶらつければ何でも良い。


「特に無いなら小物を売ってる店でも行こうか?暇つぶしになるでしょ」


そう言って歩き出すアイヴィー。私は急いでアイヴィーの腕にしがみ付いた。

ちょっと驚くアイヴィー。

私は気にせずアイヴィーと腕を組む。


「眷属の特権です。それでは行きますよ」


私は笑顔を見せる。

呆れ顔のアイヴィー。


「まぁそういう特権があっても良いかもね」


オシャレなお店に入った。

女の子が好きそうな小物がいっぱい売っている。

アイヴィーは嫌な顔せずに付き合ってくれている。

周囲の視線が感じる。

今、アイヴィーは13歳の姿だ。

さらさらの白銀の髪に透き通るような肌。

切長な目に整った鼻筋。

色気を感じさせる容貌に女性の視線を集める要因だ。

ここまで視線を集めると落ち着かないなぁ。

気に入った髪飾りを一つ買ってお店を後にした。

そういえばアイヴィーは500年封印されていたんだ。

ならばその間に開発されたお菓子を食べたら喜ぶかな?

王都で一番人気のある喫茶店に入った。

この店は多くのお菓子がメニューに載っている。

見た事のないメニューの名前に驚いているアイヴィー。

ここに来たのは正解だったかな?

ケーキと紅茶を注文したところで男性と女性の2人連れが喫茶店に入ってきた。

女性のほうが知り合いだ。

同じクラスのフラウ・サライドール。

今日も凛々しい顔つきは健在だ。

フラウは私に気付き近寄ってきた。


「エルシーさん、こんなところで会うなんて嬉しいわ。そちらはもしかして婚約者の方かしら?」


「フラウさん、私も嬉しいです。こちらは私の婚約者のアイヴィー・ブランバルです。よろしかったらご一緒します?」


「あらそうね。せっかくだからそうさせてもらいましょうか。こちらは私の兄のカイフ・サライドールよ。これでも時期サライドール公爵だからよろしくね」


私はアイヴィーの隣りの席に移動して2人分の席を空ける。

フラウの兄のカイフは一目、運動が苦手な印象を受ける。

完全な内政官って感じだ。

ただ陰気な感じはしない。

軽い笑みを浮かべている。


「これでもとは酷いな。ブランバル伯爵家の後継ぎが神童って噂になっていたけど、それが君か。知り合えて嬉しいよ」


アイヴィーは完全に外面モードだ。


「どうやら過分の噂が流れているみたいですね。神童なんて言い過ぎですよ」


「いや、一流どころの家庭教師が皆んな教える事が無くて返されたと聞いている。知性もさることながら美形でも有名だからね。実物を見てなるほどと感心してしまったよ」


「ありがたい褒め言葉と受け取っておきます」


フラウが言葉を挟む。


「エルシーの婚約者がこんな美形で知性もあるなんてね。羨ましいわ。こんな男性なら私も結婚したいんだけど」


カイフが困ったような声を出す。


「フラウ。お前もサライドール公爵家の一員なんだ。しっかり自覚を持ってくれよ」


サライドール公爵家の次女なら、どうしても政略結婚になるのだろう。


「だから私は結婚をする気はありません。勉強を頑張って王国の官僚になりますから」


フラウはぶれないなぁ。

将来は働く女性か。

私はアイヴィーのために生きていければそれで満足だ。

フラウとカイフとの会話は盛り上がった。

アイヴィーが聞き上手なんだ。

上手いこと合いの手を入れて気持ち良く話をさせている。

目は赤くなっていないから催眠術ではないようだ。

フラウとカイフとの別れ際、今度二人でサライドール公爵家に遊びに来て欲しいと誘われてしまった。

凄い、社交ってこうやるんだ。

アイヴィーは本当になんでもできるわ。

二人が去ってすぐにアイヴィーが声を上げる。


「やるじゃないか、エルシー。サライドール公爵はロード王国の穀倉地帯の南方が領地だ。戦略的に外せない場所だよ。そこの家と(よしみ)を通じる事ができたのは大きいな」


まさか学校での唯一の友達とは言えない雰囲気だわ。

曖昧な返事を返した私に興奮するアイヴィーだった。

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