ピクニックデート気分
冒険者ギルドを出て王都ダンジョンに歩いていく。
「世の中には馬鹿が多いな。殺さないだけ俺は優しいな」
「今日はこれからどうするの?」
「エルシーのダンジョンの深度を更新かな。今は31階層だろ?冒険者ギルドで時間を取られたから今日は36階層の入り口までかな」
王都ダンジョンの1階層の魔法石から31階層まで転移する。
31階層からは草原のエリアだ。地下なのに空がある不思議な空間。
空にはガーゴイルが飛んでいる。
ガーゴイルは人間型の姿で翼がある。
細長い尻尾があり、体表の色は灰色だ。
嘴状の口で、炎を吐いてくる。
本格的に遠距離攻撃をしてくる敵である。
ただ空を飛ぶスピードはそんなに早くなく、魔力球の良い的だ。
魔石を拾いに行くのが面倒なため、近くに寄ってきたガーゴイルだけ倒していく。
ガーゴイルの炎は軽く躱していく。
学校の授業で対人戦を結構こなしたので、攻撃を躱すのも様になってきた。
アイヴィーは私の後を付いてくるだけ。
面倒な訳では無く、私のレベルアップを考えてくれていると思いたい。
途中から種類の違うガーゴイルが出てきたが、違いがよく分からなかった。
「ねぇアイヴィー、なんかガーゴイルの種類が違っていない?何が違うの?」
「雑魚の魔物なんて興味ないから知らんな。気にせず魔力球を当てれば良いから」
そんなもんか。
まぁそんなもんだな。
私はアイヴィーの指示通りに魔力球を当てていった。
36階層の魔法石に私の魔力を登録した。
草原地帯のダンジョンは軽く風が吹いていて気持ちが良い。
何かアイヴィーとピクニックしているみたいだ。
アイヴィーと街中でデートしたいなぁ。
今度誘ってみるかな。
断られたらショックを受けそうだ。
アイヴィーを誘う勇気の無い私は魔法石で1階層まで転移して、王都ダンジョンをあとにした。





