見果てぬ先
夏休みが明けてから2週間が過ぎた。
私は今日からD組に昇格した。
親友のナタリーとはクラスが変わってしまった。
D組には知り合いがほとんどいない。
仲の良いグループ同士で集まっている。
少しの寂しさを感じてしまう。
私の成績だと、どこまでクラスが上がっていくのだろう。
剣術と魔術の授業ではたぶんA組になれる実力がある。
あとは座学を頑張ればA組になれそうだ。
A組の二番までになれば生徒会に入れる。
そこでならアイヴィーの指示どおり優秀な人と交流が持てそうだ。
やる事は座学の勉強か。
そう思い1人の休み時間を勉強で過ごした。
アイヴィーは王都ダンジョンでドラゴンを駆りまくったようだ。
もう全盛期の力にほとんど戻ったと言っていた。
また毎日オークの魔石を10万バルト分納品している。
オークの魔石にしているのはDランク冒険者でいるためである。
目立つようだが、アイヴィーはあまり気にしていない。
コツコツと金策を続けたいらしい。
また2週間が経った。私は当然のようにC組に昇格した。
このままいけば、あと1ヶ月でA組まで上がれる。
座学をもっと頑張らないと。
今は朝と晩の2回、アイヴィーに血を吸ってもらっている。
1日1回の吸血では我慢ができなくなっている。
どんどんとアイヴィーに依存している。
怖いけど嬉しさもある複雑な感情。
アイヴィーの希望ならなんでも叶えてあげたい自分がいる。
アイヴィーのいない世界なんてもう考えられない。
アイヴィーのためなら世界を敵に回しても後悔はしない。
アイヴィーの望みが世界征服なら、私の望みも世界征服だ。
見果てぬ先に何があるのか?
楽園なのか?地獄なのか?
アイヴィーと一緒なら悔いはない。





