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気まぐれしょうもナイト【更新不定期】  作者: すっとぼけん太
24/25

024 絵馬に書かれた、知らない子供の願い

※今回は今年最初の投稿なので、

オチのない、少しだけ真面目な話になります。



毎年の恒例行事として、

今年もカミさんと一緒に明治神宮へ初詣に行ってきた。


2025年は、振り返ると

世界でも、身近なところでも、

暗いニュースや、気が滅入る出来事が多かった気がする。


地震、争い、事故、

そして、どうにもならない理不尽さ。


そんな一年を胸のどこかに残したまま、

今年も多くの人の列に並び、静かに手を合わせてきた。



参拝を終え、

カミさんがトイレに行くというので、

俺は一人、境内で待つことにした。


何気なく視線を向けると、

そこには、毎年見慣れているはずの祈願絵馬がずらりと並んでいた。


いつもなら、

「すごい数だな」と思って、そのまま通り過ぎてしまう。


でも今年は、なぜか足が止まった。


ひとつ、またひとつと、

ゆっくりと書かれている願いを、静かに読んでみる。


健康のこと。

家族のこと。

受験や就職。

どれも、どこにでもある、切実な願いだ。


その中に、

明らかに子供の字で書かれた絵馬があった。


「サッカーがうまくなりますように」


「おとうさんの仕事がきまりますように」


どれも、短い言葉だけど、

その向こうにある生活や不安が、少しだけ見える気がした。



そして、一枚の絵馬に、目が止まった。


少し歪んだ、

一生懸命書いたであろう子供の文字で、

こう書かれていた。


「世界も、みんなの家族も

 幸せになりますように!」


……しばらく、動けなかった。


自分のことでもなく、

欲しいもののお願いでもなく、

こんな大きな願いを、

この子は、どんな気持ちで書いたんだろう。


大きな地震で被災した人たち。

苦しい生活を送っている家族。

それでも、自分の立場を守ることに、

必死なこの国の政治家たち……。


理不尽なことが多いこの世界で、

こんな願いを持てる子供がいるという事実に、

胸の奥が、少しだけ締めつけられた。



そうだね。

――そうだよね。


君が願うように、

世界も、みんなの家族も、

少しずつでも幸せになってほしい。


木枯らしが吹く境内は、

相変わらず冷たかったけれど、

心のどこかが、じんわりと温かくなった気がした。


2026年が、

誰かの願いを踏みにじる年ではなく、

小さな願いが、少しでも叶う年でありますように。


そして、

これを読んでくれた皆さんにとっても、

笑顔が溢れている、

明るく、穏やかな一年になりますように。


【了】

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