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気まぐれしょうもナイト【更新不定期】  作者: すっとぼけん太
19/23

019 高輪ゲートウェイ―人様々の何気ない朝の風景

――今日は朝から、高輪ゲートウェイの客先で打ち合わせ。

相手はア〇センチュアとオ〇クル。


……遅刻=社会的死亡だ。


気合を入れて少し早めに家を出たら――まさかの30分前着。

(おい、俺にしては奇跡の快挙)


今回は、少し余裕ぶっこいて、駅前のTULLY’Sに入ったときの話です。


◆ 朝のタリーズ劇場・第一幕 ― 謎のおばちゃん


カウンター横のガムシロップ&ミルクコーナーで、

ホットコーヒーを注文した、一人のおばちゃんが……まったく動かない。


後ろが詰まってるのに、微動だにしない。

(なんかの儀式か……?)


そっと覗くと、

トレイの上には――山盛りのフレッシュとレモン汁。


いや、待って。レモンは紅茶だろ。

ホットコーヒーに何を召喚する気なんだ。


まぁ、そこは見なかったことにして、

俺はさっさと席に座って、手帳を開き、

「今日の議題……クラウド連携、AI自動化、RPA……」なんて書いてた。


ふと気づくと――そのおばちゃん、

空席だらけなのに、なぜか俺の横の席に。


……おいおい。なんでピンポイントで来るんだ。

(いや、もしかして、俺、そんなにイケメン?)


トレイには、さっきの“山”がそのまま鎮座。


「それ、テイクアウト用かな」と思った次の瞬間――


コーヒーの横に置かれた紙コップの水へ、

レモン汁全部投入!

さらに、コーヒーにはフレッシュ8個と砂糖山盛り。


……そして、それを交互に飲み始めた。


――うまそぉ~~~に、満足げな顔で。


え、ちょっと待って。

それ、何て名前の飲み物!?

ホット・スイート・アシッド・ミックス・カオス?

(飲む者に一時的な勇気と胃もたれを与えるカオス飲料?)



◆ 第二幕 ― 謎の男


その時点で、すでに情報過多。

だが、朝のタリーズ劇場はまだ終わらない。


ふと顔を戻すと、

一個空けた向かいの席に黒スーツのお兄さん。


IBMのノートPCを広げ、

鬼のようなスピードでキーボードを叩いている。


できる男、感満載。

腕時計も金色でゴツい。ネクタイもキマってる。


……が。


袖口からチラリ――黒いタトゥー。


え、なに?サイバー系反社?

それとも「ORACLE認定インク腕刻印済エンジニア」?



◆ 第三幕 ― そして、俺の現実


ここは異世界――?


得体の知れぬ“名も無き爆弾ドリンク”で微笑むおばちゃんと、

――タトゥ、そしてノートパソコンと会社員。


ん~、今日も朝から、様々な人間模様を見てしまった。


――この二人が、同じ朝の喫茶店にいる不思議。


俺はカフェラテをすすりながら思った。


人の数だけ、朝のドラマがある。

(そして俺の朝は、それと比べたら、これ上なく地味だな)


そんなことを感心していたら――


「……あれ、会議5分前じゃん!!」


立ち上がって走り出す俺。

背中では、タトゥーの男がキーをチャカチャカ、

隣ではおばちゃんがフレッシュを一気飲み。


高輪ゲートウェイの朝は、今日も“カオス”が一杯の平和でした。

……そして、誰もが自分だけの“第一幕”を演じてる。


【今日の教訓】

・おばちゃんのドリンクは、もはや錬金術。

・タトゥーの男は、たぶん俺より仕事が早い。それに力もある。

・そして――早く着いた朝ほど、だいたい最後はギリギリになる。


でもまぁ、社会人の朝なんて、だいたいそんなもんだ。


【了】

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― 新着の感想 ―
お邪魔します♪ 最新のから読みましたが、気になるタイトルが色々あったので、はじめの方もまた読みますw 同じタリーズで同じ時間帯にすごい濃いキャラのお二人に出会ったんですねw 日常は色んなネタに溢れて…
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