表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生を果たした、おば、コホン、お姉さまは、お嬢様生活のために悪役回避、頑張ります!  作者: 渡 幸美
第三章 建国祭と学園と

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/84

55.学園祭。当日。

「お母様、大丈夫?無理しちゃダメだからね!」

「安定期に入ったもの。大丈夫よ、リリー。マリーアの展示と魔術大会、楽しみよね」

「父様もいるからな!」


今日はいよいよマリーアの学園祭当日。

家族みんなで来ています。


「リリー!ごきげんよう~」

「イデア!ごきげんよう!」


待ち合わせをしていた、ドゥルキス家の皆様とも合流。

いつもは厳しい魔法学園も、学園祭の時は広く門戸を開いている。日本の学園祭に近い感じ。

違いと言えば、やはり結界があることかな。悪意がある人や、武器を持った人は入れない。もちろん、魔獣も。


王国一の学園だし、普段は入れないから、学園祭は町中の人たちが集まってくる。


「ドゥルキス伯爵、いつも娘たちが世話になっているね。なかなか挨拶もできずに申し訳なかった」

「とんでもないことでございます。こちらこそ、ご挨拶が遅れまして…」


なんやかんやと両家が会えるタイミングがなかったが、無事に対面を済ませて。私とイデアーレは、ここから別行動だ。


「ではお父様、お母様。わたくしはイデアと一緒に参りますね!」

「ああ、気をつけて。イデアーレ嬢、よろしく頼むよ」

「はい!」


それぞれの家族がにこやかに見守る中、イデアーレと二人で手を繋いで歩き出す。両親たちとは午後の魔法と剣術の大会で落ち合う予定。

家族との時間も大好きだけど、お祭りは友達と回るのがやっぱり好きかな!特にこの世界だと、親がいると爵位周りがなんやかんやあるしねぇ。


と、いう訳で。


「わあ、ドーナツおいしい!」

「おいひいです、フィス様」

「良かった。城のパティシエに簡単に作れるドーナツレシピを教えてもらったんだ」


まずはフィスのクラスのドーナツ屋さんで、さっそくの腹ごしらえ。いわゆるシンプルな、砂糖のかかった揚げドーナツ。それが素朴で美味しい。王子様レシピと王子様接客で、なかなかないチャンス!と、始まったばかりなのに行列ができ始めている。


「本当はリリーとゆっくり学園祭巡りをしたかったけどね。三年後まで我慢かな」

「ぐふっ」

「リリー大丈夫?はい、お茶!」


少し係から抜け出してきた王子が変なことを言い出したせいでドーナツが変なとこに入った。優しいイデアーレのお茶のお陰で落ち着いたわ。


「っ、もう!早く持ち場に戻りなよ!お客様が待ってるよっ」

「はいはい、つれないなぁ。イデアも学園祭楽しんでね」

「はい、ありがとうございます」


「じゃあね」とサーフィスは歩き出してすぐに立ち止まり、「午後は見に来る?」と聞いてきた。 


「もちろん行くよ!頑張ってね!あ、それより楽しんでね!」


グッと親指を立てて返事をすると、サーフィスは目を眩しそうに細めて、優麗な笑顔を浮かべた。

 

「うん。ありがとう。絶対優勝して、花冠をリリーに贈るから楽しみにしていて」

「!?それっ…」


っ、あまーい!そうか、いろんなお話の中であるように、そんなイベントもあるのか。って、しみじみしている場合じゃない。そんなの、悪目立ちするだけじゃん!イデアーレも何かを察して一瞬きょとんとした。


恥ずかしいから止めてくれと言う前に、サーフィスは爽やかな笑顔を浮かべて、クラスへと戻って行った。


「はわわ。これはフィスが負けるのを祈るべき……?」

「かわいそうだから、それは止めてあげて」


私のテンパった一人言にイデアーレがすかさずツッコミを入れてきた。「だって~」と慌てる私は、遠くからこちらを見ている視線には全く気付けずにいた。


そんな私たちは引き続き、マリーアとテンダーの手芸部の展示を見に行った。テンダーのまたまた超超芸術的な刺繍のタペストリーを堪能して、マリーアの家族をモデルとした編みぐるみにほっこりして。

魔道具同好会の展示を見ていたらイデアーレの存在に気付かれ、部員さんに囲まれてしまいわちゃわちゃしたり。

さらに続けてクイズや迷路に参加したり、と、これぞ学園祭を満喫した。やっぱりお祭りは楽しいね!


「あ、リリー、そろそろ時間みたい。競技場に向かいましょう」

「はーい」


お昼の焼きそばをしっかり食べて、魔法トーナメントと剣術大会の会場に向かう。ここからはファンタジーイベントである。


「楽しみだけど、ドキドキする。姉さま、怪我とかしないといいけど」

「きっと大丈夫よ。マリーだもの」


そうだよね、と、少し早足で歩いていると、


「あら、イデアーレ様とリリアンナ様じゃない。お久しぶりね」


と、見知ったお嬢様が声を掛けてきた。


「グローリア様。お久しぶりでございます」

「ご無沙汰しております」


わあ、ここでグローリア様に会うのかあ。

いや、ダメじゃないけどさ。それに。


私とイデアーレの視線が、隣に並ぶ女子生徒に向かう。


「ああ、紹介するわね。こちら、エレナ=グリッタ様。わたくしの友人よ。この学園の一年生」

「……よろしくお願いいたします」


控え目な笑顔。

透き通るような水色の髪と、意思の強そうな紺色の瞳。でも全体的にたおやかそうな、儚く見える人。


この人が、グリッタ様。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ