挿入話 マリーア=サバンズ 4
ーーーティティはそんなつもりで言ったんじゃないわ!あなたの勝手な負の感情でしょう!!
誰?誰に怒って……怒っているのは、私?でも、誰に?
ーーー君のそれだって、負の感情じゃないの?光だなんだと言ったって、所詮は人間だ
そうよ、所詮は人間よ。あなたたちとは違う、でも……
ーーーねえ、本当はこちら側でしょう?嫉妬と焦りで彼女をーーー……
違うわ!私は……!!
ーーーーー本当に?悪意のないキレイなニンゲンなの?ふふっ、おもしろいなあ……
何を、言って……
ーーーーーーーああ、今度はマリーアと言うのか…楽しみにしようか……きっと…いず、れ……
「っ!!」
がばりと飛び起きる。
「何なの……また、夢……?」
夢にしては、ぎゅっと締め付けられた胸が痛い。そしていつものようにその輪郭はぼやけてきてしまう。
「……嫉妬、か」
その言葉だけは妙に心に残っている。
している、のかもしれない。あの、天真爛漫のかわいい妹に。
グリッタ様に言われなくても、自分でも思っていた。聖魔法の成長が遅すぎる自分に。
ーーー本当は、私には相応しくないんじゃないかって。
昨日だって、先に動いたのはリリーだ。
私は、動けなかった。
悪意の怖さに、固まってしまった。
「みんなは、ああ言ってくれたけど……」
光の妖精も見えない。女神様も何も言ってくれない。ルシーいわく、女神は人間界にそうそう干渉できないみたいだけど。
それでも、自分で選んでおいて、とか勝手な言い分が過る自分に嫌気がさす。
「いい子ぶってるだけか…本当にそう、なのかも」
弱っている時は、心無い言葉が棘となって突き刺さってくる。
ーーー私は、あちら側ーーー……
「ううん、違う!行かない!」
リリーが眩しく思う。それは本当。
リリーが羨ましい。きっと、それもある。
情けないけど、それが私。
でも、それ以上に、リリーを守りたいと思う。
「……負けない、こんな心に負けたくない」
きっと私の弱さが見せる夢だ。
ただの、夢。




