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回避特化のメイン盾  作者: Bさん
3章 海と俺達
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サーシャとエイミー②

*サーシャ視点*


「エイミーとグレッグって付き合っているの?」


「ブッ!な、何でそう思うのかしら?」


 私がエイミーに最近思っていた疑問をぶつけるとエイミーが持っていた飲み物を噴出し質問で返してきた。二重の意味で汚いと思う。


「最近、2人がいい雰囲気に見えるからかな」


「それはえーと、あれよ。生産の都合上一緒に居る事が多くなったって事なのよ」


 明らかに苦しい言い訳だと思う。目を逸らして言ってくるのが余計に怪しい。今は隠したいのだろうか。


「そう。言いたくないのならこれ以上は聞かない。もし明かせるようになったら言ってね」


 私はそう言って話を終わらせようとする。これ以上無理に聞いてこじらせる方が嫌だ。


「あーもう解かったわよ。付き合ってます。これでいいかしら?」


 エイミーの顔が凄く赤い。かなり恥ずかしかったのかも知れない。いい雰囲気だと思ったら案の定、恋人同士だったようだ。


「そうなんだ、おめでとう。グレッグは優しいもんね」


 とりあえず、祝福とグレッグの良い点を1つ挙げておく。エイミーはそれを聞いてありがとう、と恥ずかしそうに言う。いつも大人っぽいのにこういう表情は新鮮だ。


「それで、どこに惚れたの?告白はどっちから?」


「え?それは……あっちからかな」


 いくら私が普段感情の起伏が乏しいからと言っても、こういう話には興味がある。それも両方知っている人なら尚更だ。私の今後の為の知識として役立たせて貰おう。


「一緒に採掘に行っている途中で……とその前に私の性癖に関して言わないと駄目そうね」


 2人で向かっている途中で何かがあったらしい。性癖とはまた変な話になりそうだ。


「私にはね。嗜虐趣味があるのよ。簡単に言うと相手を傷付けてその表情や仕草を楽しむ趣味ね」


 エイミーがとんでもない事を言い出す。私は無意識の内にかなり後ろまで下がったと思う。背中に壁がぶつかる。


「あ、大丈夫よ。ちゃんと相手は選ぶし、リアルでは優等生を演じているからね。表には出してないわよ。そのストレスを発散する為のVRMMOだったのよね」


 どうやらすぐに襲い掛かられる事はないらしい。良かった。でも、それと付き合う話がどう繋がるのだろう。


「グレッグと2人で一緒に戦った時にそれが出ちゃったのよね。でもグレッグはそれをみて引くどころか、僕を叩いてくださいって言ってきたのよ。凄く嬉しかったわ」


 変態だー。何でそこで叩いてくださいなのだろう。グレッグの性格からして優しく受け流すんじゃないのだろうか。本当に良く解からない。


「グレッグに聞いた話だとあっちは被虐趣味だったらしいのよ。痛みを与えられて喜ぶ人って意味ね。もうそれだけで足りないパーツが埋まったような気がしたわ」


 本人たちからしてみたら本気なのだろう。私からして見たら……うん、参考にならない。


「そ、そうなんだ。もしかして告白って僕を叩いてくださいというやつなのかな?」


「ええ、そうよ。理想的な告白だったわ」


 それを聞いて唖然とする。本当だったらしい。変態趣味のカップルの考える事は解からない。とは言え、エイミーの趣味はグレッグに向かうと考えれば良いのかな?


「私とグレッグはそんな感じね。サーシャはどうなの?最近良くフィルムと一緒に居るみたいだけど」


「私は良く解からない。一緒に居て安心はするけど、それが恋愛感情なのか、家族と一緒にいる感覚なのか……」


 私は家族を思い出すと少し胸が苦しくなる。


「それはアレね。きっかけが1つもあれば変わりそうね。楽しみだわ」


 エイミーが何かブツブツ言っている。嫌な予感しかしない。でも、2人の良い雰囲気を見ていると恋人も良いんじゃないかな、と思えてくる。そう考えて思い浮かぶのがフィルムの顔なのは、きっと他の異性を余り知らないというだけだと思う。

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