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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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鉄壁のディフェンス


そしてこの流れでレオもお箸の扱い方のレクチャーを強請って来るであろうと思っていた通り、やはり他の皆様と同じ様にお箸の扱い方を聞いて来ようとしてきたのだが、それをシャルロッテさん、ミシェル様、リリアナ様により鉄壁のディフェンスにより阻止されてしまう。


何をこんなにムキになって阻止するのか分からないのだが、兎に角この三名からはそこはかとなく怒気と軽蔑のオーラが感じ取れるので触らぬ神に祟りなしである。


「何でだよっ!!」

「どうせいやらしい下世話な下心をお持ちなのでしょうっ!?そんなの却下に決まってますっ!!」

「シャルロッテさんの言う通りですっ!!」

「言う通りですっ!!」


しかしそろそろレオのみが一人仲間はずれというのも見ていて、虐めの様で良い気はしない上に可哀想に思えて来るので助け舟を出すことにする。


「まぁまぁ、皆様もこのくらいにしてあげましょう。レオ様も仲間外れは嫌でしょうし」

「さ、流石フランだぜっ!!俺は信じてたぞっ!!」

「はいはい、分かりましたから、少し五月蝿いですわよ」

「ぐっ、ぐぐぐ………フラン様がそう仰るなら………っ」


すると先程までのパワーバランスは一転して地獄から天国、天国から地獄に落とされたかのように皆様の表情がコロコロと変わっていく。


その、各々の表情の変化はそれはそれで面白いのだが、たかだか箸の持ち方一つでここまで一喜一憂する様な事ではないと思うのですが───と思ってしまうには仕方の無いことであろう。


だって、箸の持ち方にしては不自然過ぎますもの。


「では、まだまだこのお箸は一杯ありますので皆様一人につき一膳差し上げますわ。これをお持ちになって今から一緒に基礎をやっていきますわよ」


しかし、食器作りで使用される材料の中には竹もあった為わたくしは余った時間で余分にお箸を作っておいたのだが、どうやら作っておいて正解だった様である。


「グヌっ……」

「流石フラン様ですっ!!変態対策は既にバッチリって事ですねっ!」

「それを言うならばお前も変態に入るじゃねぇかよっ!!シャルロッテっ!」

「あら、負け犬がワンワンと吠えて少し五月蝿いですね」

「ほらほら、そこ喧嘩しないっ」

「お、俺も混ぜてくれっ!!」

「はいはいそう言うと思ってノア様のお箸も一膳用意ご用意しておりましてよ」

「助かるっ!フランっ!」

「そんな大袈裟な」


そして尚も騒がしくなって行くわたくしの周り。


その光景にわたくしは思わず見入ってしまう。


あぁ、わたくしは今青春……青春してますわ………。


しかしこの光景に騙されてはいけない。


神の野郎はこの先に大口を開けて今か今かと獲物が落ちてくるのをひたすら待っているかもしれないのである。


そして次の瞬間、森林の奥深くから爆破音の様な轟音が響き渡るのであった。





俺は誰だか最早分からない。


何処かの国の偉い人であった様な気もするが、この様な人間とはかけ離れた容姿では、俺が人間であったと思うのは無理があるだろう。


恐らくは自分自身、人間への憧れが強過ぎてその様な馬鹿げた事を考えてしまうのであろう。


俺はこんなにも見るに堪えないおぞましい身体の化け物であるにも関わらず。


「がぁあぁぁうあうあっ!!」


そしてこの怒りの感情をコントロールする事が出来ず俺は思いっきり地面に向けて攻撃をする。


すると、およそ普通の人間であればそんな威力等出る筈のない攻撃を俺は地面に向けて放ってしまう。


その威力により自分周辺の地面はえぐれ、木々は倒れて行く。


そして自分の感情をコントロール出来ない事自体に新たに怒りがフツフツと湧き上がってくると、俺はまた地面に向けて二度三度と自身の拳を振り上げては殴りつけて行くと共に、俺は元人間ではまず出さない様な化け物のような叫び声を上げる。


「うがぁあぁぁうがうあぁっぁっ!!」


いやむしろ化け物である事は間違いない為実に自分らしい化け物の声であろう。


「居たぞっ!!コッチだっ!!」


恐らくはこの俺の、最早獣の咆哮に近い叫び声を聞き付けたのか近くに居たであろう冒険者達がわらわらと茂みの中から一人、又一人と現れ、気が付けば六名もの冒険者に囲われているでは無いか。


そして俺は彼ら冒険者を見た瞬間この者達を殺したい、それも出来るだけ残酷な方法でもって一人ずつ丁寧に殺して行きたいという衝動に襲われ、俺は意識を又手放すのであった。





「実に上手い具合に囮として奴は働けているみたいだな。お陰で俺たちは簡単に帝国帝都へと侵入出来そうだぜ」

「ほんと、バカとハサミは使い様とはよく言ったものですね。いやーしかし、まさか只の人間からあのような化け物が作れる等大したものであるな」」

「褒めても何も出ませんよ?それにもともと私は彼の身体を研究し尽くした後は殺して裏山でもその死体を捨てるつもりでしたしね。褒めるのならあのバカの使い道を示して下さったホルンさんを褒めやって下さい」

「いやまぁ、俺はもしこういう風に使えれば良いのになと、誰しもが思う事を思ったまでで実際あの化け物を作った訳ではないからなぁ」

誤字脱字報告、ありがとう御座いますっ!!

本当に、ありがとう御座いますっ!!

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