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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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フランお嬢様の為ならば

「うーん、やはりこの木の良い香りが気持ちいいですわね」


そう言い、わたくしが一度身体を伸ばしながら深呼吸をすると杉や檜の良い香りが肺を満たして行く。


実家も基本は木造なのだが年数が経っているのと要所要所はレンガとセメント擬き、そして粘土である為木の香りを堪能出来る程の香りはしなかったりする。


それでも木造の廊下などは多少なりとも木の香りはするのだが、ここまで木の香りに包まれる程では無い。


しかしこの世界にセメントの様な物(どちらかと言うと三和土の方が近い)があった事に当初驚きはしたのだがそもそもセメント自体前世でもピラミッドやローマの遺跡で使われていた位、過去から既に存在していた事を考えると逆にそれ程昔の技術が改良されながらも前世では何千年と変わらず使われて来ている事に気付き、むしろその事に驚いた位である。


「そうですね、フラン様っ!木の良い香りもしますけど、フラン様も良い香りがしますよー」

「きゃぁっ!?」


そんな事を考えているとシャルロッテさんがいきなりわたくしの背中に飛びついて来た為驚いて思わず声が出てしまう。


あぁ、でも背中に感じる柔らかな感触がなんとも言えませんわね。


控えめに言って最高ですわ。


これで死亡フラグ製造元で無ければと本日何度思った事か。


むしろこれこそがシャルロッテさんの狙いでありわたくしが気を抜いた瞬間に………考え過ぎですわ、それだけはありえませんわね。


それだけは断言出来ると言っても良いだろう。


何故ならばそういう姑息な手段を用いるのは本来であればわたくしの役であり、シャルロッテさんがその様な、わたくしを騙してトドメを刺す様な事をしてしまえばそれこそ本末転倒であろう。


それはゲームでも同様でありシャルロッテさんはどのルート、どのエンディングであろうと常に正々堂々と真っ向からわたくしと相対していたのである。


そのためシャルロッテさんに関して警戒する事はただ一つ、誰とくっ付くかという事であり、その為当初より付かず離れず、偶に手を差し伸べて悪い人じゃないアピール作戦をして来たのである。


でなければメインキャラクターであるシャルロッテさんと同じ部屋で寝なくてはならないこのイベントは全力で別の班にさせて貰ったであろう。


そしてシャルロッテさんには是非ともレオとくっついて頂き授かり婚かつ授かり退園がおすすめですよとテレパシーを送る。


「いきなりその様に抱きつかれては危ないではないで───」

「私も抱きつきますっ!」

「私もですっ!」


そしてわたくしが一応シャルロッテさんへ一言注意しようとした時、ミシェル様とリリアナ様も一緒になってわたくしへ抱きついてくる。


良いでしょう、良いでしょう。


このまま一緒にお風呂へ入れて差し上げましてよっ!!





水を弾く化粧を施しているのかフラン様の左肩だけやけに水を弾いているのが見て分かる。


レオ様やノア様から話は伺っていた傷を恐らく隠しているのでしょう。


よくよく見てみれば化粧で隠してはいるものの何かに噛まれた様な傷跡がある事が見て取れる。


レオ様はフラン様の肩を強引に掴んだ際、服がズレてその傷を見てしまった為フラン様の側付きに叩かれたとは聞いていたのだが当然であるとその傷を見て再度思う。


最近のレオ様はそうでもないのだが、少し前のレオ様は本当にどうしようもない男性であったと今思い出しても腹立たしく思うと共にむしろビンタ一発ではなく拳で数発殴っても良かったのでは?と思う。


しかしながらフラン様のこの美しくしなやかな肢体、それはまさに美という言葉が相応しい身体である。


フラン様に助けてもらったあの日よりフラン様を目にすればその姿を追いかけ、また心臓は心なしか早くなるのがわかる。


そして今私はフラン様の裸を見て興奮を隠せないでいた。


同性だと言うのに。


それが世間一般からはズレた考えであるという事は理解しているし、フラン様以外は普通に異性である男性が好みである。


だからこそ自分のこの気持ちは押し殺してフラン様のご学友達と今を楽しむ事にするのであった。





なんだか最近聖教国の動きが怪しい。


王国も最近変な動きをしているのだがこれはただ単に王国国王の急激な価値観の変化であろうと片付ける事が、その一つ一つの動き方を見ればそう断言できる。


王国の場合は今までとは真逆の事、民を第一に考えて動く様になったのだが動かし方の癖は何一つ変わってない為である。


しかし聖教皇国は違う。


王国同様全く違う動きをし始めたのだが、王国とは違い動かし方も全くと言って良いほど変わっているのである。


「以上が私が両国を監視していて思った事である。王国は現段階は国外ではなく国内に重きを置いている為脅威とはなり得ないと判断した。しかし聖教皇国に関しては警戒しておくに越したことはないでしょう」

「成る程、リカルドさん、貴重な意見ありがとうございます」

「いえ、フランお嬢様の為ならば。それと、私はフラン様の奴隷であり、フラン様に忠誠を誓っております。それは即ち私の知識や経験などそれら全てにおいてもフランお嬢様物でありフランお嬢様の為に使う事こそが最高の誉れでございますので」

いつも誤字脱字報告ありがとうございますっ!!^^非常に助かっておりますっ!!

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