想い人のフルネームを言うのはお恥ずかしい事でしょう
※11月より他作品との差別化を視野に入れ、作品タイトルを「転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る(悪の組織とは言っていない)」へと変更させて頂きますので何卒宜しくお願い致します。
そしてわたくしの言葉で顔から血の気が引いて行き汗を流し始めるノア様とレオ。
「何をそんな聞いていないみたいな顔で驚いているのですか?イカサマがバレたらそれ相応のペナルティを負う、これは古今東西この様な賭け事ではその賭けの対象にあった代償が付き物である事くらい少し考えれば子供でも分かる事でしょうに」
「し、しかしだな───」
「言い訳など無用ですわノア様。イカサマに手を染めた時点でバレた時の代償も同時に受ける覚悟をして行ったものとわたくしは判断致しますわ。だってそうでしょう?イカサマをすれば簡単にリターンを得れるんですもの。ですが、簡単になった分の負けた時の代償が大きくなってしまうのは当然の事でしてよ」
そしてこれからノア様とレオへのペナルティについて話そうとした時、ノア様が言い訳がましく口を挟んで来ようとしていた為それをピシャリと遮り死刑執行人の様に話を進めて行くと同時にノア様とレオの顔が青ざめて行くのが見て分かる。
「待て待て、フランっ!ノア様がペナルティを受けるのは分かるが何で関係ない俺までペナルティを受け無ければならないんだよっ!?」
「ほほう、ノア様の手札にあったジョーカーをアイコンタクトで抜き取り、そしてわたくしに回して来たこの行為は全くもって一切レオ様には関係無いと、そう言いたいのですか?」
「それは、その……だな、あのー………はぁ、流石フランだな……簡単には見逃してはくれねぇか。大人しく腹を括るとするよ」
以前のレオならば都合の悪い事が起こると怒鳴り散らして有耶無耶にするかこちら側が折れて逆に謝罪させようとするのだろうが、しかし今のレオは抵抗する事もせず素直に自分の非を認めてペナルティを受ける覚悟を決めた様である。
こういう部分が目に見えてレオの人として成長した事が垣間見えるので素直に凄いと思う。
「あら、男らしくて潔いですわね。そう言う男らしいのは好きですわね」
「お、俺も男らしく腹を括るぞっフランっ!!」
そしてレオのこの成長に当てられてノア様も今の自分のを客観的に見て恥ずかしくなったのであろう。
レオと同様にノア様はペナルティを受ける覚悟を決めたみたいである。
このあたりは第二王子と言う高貴なお方でも年相応の男の子の様でなんだかその人間味が微笑ましくも思えてくる。
「素直でよろしいですわ。でわペナルティの内容で御座いますが………」
「………」
「………」
わたくしがペナルティの内容をどこぞのバラエティ番組かの様な煽り文句とタメを使うとノア様とレオの喉が「ゴクリ」と唾を飲み込む音が聞こえて来る。
たかだかババ抜きでイカサマをしただけのペナルティで些か緊張をし過ぎではないだろうか?
「好きな方の名前を言って頂きますわ。これで手を打たせて頂きましてよ」
「フランだ」
「さぞ意中の想い人のフルネームを言うのはお恥ずかしい事でしょうが此処はイカサマをしてしまったご自身を恨んでくださいま………し………………はえ?」
「だから俺の好きな女性はフランであると言っている。今はその答えは要らないが、その心に留めておいて貰えればありがたい」
「………え?……は?…………ええっ?」
はぁぁああああああああああっ!?
ちょっと待ってちょっと待って、レオの好きな人はシャルロッテでは無いのですかっ!?
いきなり死亡フラグ執行者であるレオからまさかの告白をされてテンパってしまうも一度深呼吸をして冷静さを取り戻すとレオの告白の意図が分かって来る。
………あぁ、成る程、此処は意中の女性を言うのは流石に恥ずかしくて言えないが、代わりにわたくしの事を好きだというおべっかを使いご機嫌取りをすると言う事ですわね。
一瞬本気で驚いてしまったのがなんだか恥ずかしくなって来ましたわね………。
まぁ、前世でもこう言う時は目上の者を煽て倒すと言う手法は良く見てきたしかの言うわたくしも散々使ってきた手法ですのでこの様にペナルティをあえておべっかとして利用する頭の回転の良さを持つ者が言葉巧みに目上の者を持ち上げて気に入られて出世をしていくのであろう。
そもそもの問題としてこのゲーム攻略キャラクターであり将来わたくしを亡き者にする様な者がわたくしに好意を寄せるなど、冷静に考えればない事くらい簡単に分かりますものね。
そしてお世辞を真に受けるバカでも御座いませんわ。
「まぁ、そう言う事にしといて上げますわ」
そしてわたくしは咳払い一つしてレオの言う通りに告白の返事はせず言葉を返す。
「お前絶対何か勘違いしているだろ?」
「大丈夫で御座いますわ。わたくしはちゃんと理解しておりますわレオ様」
そうです。
ちゃんと理解しておりますのでそう心配しなくとも大丈夫でしてよ。
「お、俺もふ、フフフフフ………フランの事が、す、すぅー……好ぅー………愛しているっ!!」
「はい、ノア様もありがとう御座いますわ」
ノア様の大根役者もビックリなおべっかを受け取ってこのペナルティと言う茶番は終了で良いだろう。
そしてノア様はその顔を真っ赤にしていた事から自分が大根役者であると分かっているのであろう。
であるならばこれはこれで良いペナルティだったのでは無いかとわたくしは思う。
本人達も流石に懲りて次からはイカサマはしてこないであろう事を信じ、そしてわたくしは目的地までノア様とレオ、時にお互いの護衛や側仕えも交えてトランプを楽しむのであった。
昨日バドミントンから帰ってお風呂へ入りご飯を食べてライトノベルを読んだ後、この作品の次話を書き終え少し休憩しようとベッドで横になって目を閉じたら朝でした。
焦ってタブレットを開くと次話全て消えてました。
神よ、私が何をやったと言うのですか?^^くっ、ぅぅぅぅううっ!!




