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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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手が滑って十枚ほど

しかし、そんなシャルロッテの可愛すぎる満面の笑顔も腕に伝わる幸せな感触もわたくしは断腸の思いで断ち切ると担任であるレンブラントへ異議申し立てる。


「レンブラント先生、この学園は貴族や平民も平等では無いのですか?ノア様が第二王子だからと忖度した様にしか見えないのですが、その件についていかがお考えでしょうか?」

「いやいやいや、それはとんだ言いがかりりだなドミナリアさん。そんな学園の教師という聖職者であるこの俺が相手の肩書きを見て忖度をする訳がないだろう?ただ、そうただ純粋に俺は君たち学生に素敵な学園生活を過ごし、そして様々な思い出を作って貰いたいだけなんだ」


しかしそんなわたくしの抗議も馬の耳に念仏、全くもってこの教師には効いていないみたいである。


こんな教師であるにもかかわらず人の懐に入るのが上手いのであろう。


むしろこんな教師だからとも言える。


その為他の生徒や教師達には高い好感度を得ているのだが、だからと言って全ての生徒にそれが通用するとは思わない事ですわね。


「成る程成る程。では、わたくしはちゃんとした学園生活の思い出を作りたいので、班決めをクラス毎にして頂けますか?」

「ほうほう、成る程成る程。だがしかしドミナリアさん、貴女はいつから班決めの範囲が一クラス四人迄とお思いで?」


しかしわたくしの指摘を受けたレンブラント先生は悔しがるどころかしたり顔で言い返して来る。


「ま、まさかっ!?いや、でもそんな直ぐに許可など降りるはずが御座いませんわっ!即ちこれは年端も行かぬ学生を欺く為のブラフ!ハッタリでしてよっ!ふふ、残念でしたわね。レンブラント先生の最大の敗因はこのわたくしを只の世間を知らない小娘であると侮った事でしてよっ!!」


しかしこのわたくしに頭脳戦を挑んでくるなど、レンブラント先生もまだまだですわね。


しかし、仕方ないんですの。


こんな可憐な少女がここまで頭が切れる天才であるだなんて誰が分かろうか。


そう、これは仕方のない事だったのですわ。


「あぁ、実は恩を最大限に着せる為にこれは言いたくなかったんだが前回の遠足のイレギュラーが出てしまった瞬間お前達が卒業するまではイベント毎でクラスで分ける必要を無くして場合によっては班の定員も増やして良いという許可を学園長から既に頂いているんだな、これが」


レンブラント先生はそう言うと実に嬉しそう且つ勝ち誇った笑みで学園長からあのサインが書かれた用紙を一枚わたくしに見えるように用紙を揺らして見せびらかしてくる。


わたくしはその用紙をレンブラント先生からぶん捕りサインされた項目を穴が開くほど読むのだが、確かにそこには先程レンブラント先生がおっしゃった内容が書かれているではないか。


更に学園長のサインも学園長自らの魔力で書かれている為ご本人である事は疑いようもなく本物のサインである。


「ぐぬぬぬぬぬっ!後出しなど卑怯ですわよっ!汚いですわっ!」

「ふはははなんとでも言うが良いっ!その負け惜しみと化した言葉で今日は実にうまい酒が飲めるからなぁっ!ま、これが大人の世界だよ、ドミナリアさん。ああ、それとその用紙を破損したら夏休み補習確定だからな。くれぐれも『これさえなければ、この証拠さえなければ』などとその用紙を破らないように」


きぃいいいっ!!今に見てなさいよっ!絶対誰にも知られたくない秘密を手にした暁には全世界へ映写魔術で写し取った上で複写し、その写真をばら撒いてみせますわよっ!





そして、無情にもわたくしの班は遠足の時のメンバーにミシェル様とリリアナ様が加わった六人体制の班となったのであった。


因みにわたくしはこの後ブラックローズの面々を動かしてレンブラント先生の恥ずかしい映写魔術が刻まれた水晶を見つけ出すと、それを木版に現像した物をとある教師の机の中に入れておいた事は言うまでも無い。


これでどちらに今主導権があるのかを、わたくしに逆らえばどうなるか否が応でも思い知った事であろう。


ちなみにその恥ずかしい内容なのだが、レンブラント先生がイキリにイキリ倒していたモヒカン頭時代である中等学部の頃のものである。


え?なんでわざわざ紙ではなく木版に現像したんだって?これでは破れもしない、と。


だって先生、紙はお高いでしょう?そんなお高い物に現像するだなんて勿体無くてわたくしには出来ませんわ。


決して嫌がらせの為に木版にしたのでは御座いませんので悪しからず。


ほんと、嫌がらせだなんて失礼しちゃいますわね。


あんまりしつこいと思わず手が滑って十枚ほど木版が学園内に落ちてしまうかもしれませんわね。





とりあえず、担任であるレンブラント先生への制裁、ではなくてレンブラント先生との仲も深まった頃、班決めより一週間が経った今現在わたくしは馬車に揺られながら合宿の目的地へと向かっていた。


馬車のメンバーは、何故か、六人プラスそれぞれの側仕え又は執事も一緒となると流石に手狭になる為二台に分かれていた。


そのメンバー構成であるのだが、何故わたくしの馬車のメンバーがノア様とレオとの三人なのかと天を仰ぎたくなる。


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