脳内メモリーへ永久保存の刑
しかしだからと言って何もしないのは下策も下策。
であれば初めからこの運命に抗ってなどいないのである。
そもそも天才的な頭脳の持ち主であるわたくしが何も策を練っていないという事はないのである。
「おいフランっ!俺と班を組む───」
「そもそもわたくしは一組でレオ様は二組、クラスが違いましてよ。そして林間学校の班決めは各クラス毎で決めましてよ。こないだの遠足が例外だっただけで決められたルールは、守りなさいな」
「えぇっ!?じゃあ私もフラン様と一緒の班になれないって事ですかっ!?そんな殺生なっ!!」
「残念ながらその様なルールですの。わたくしもシャルロッテさんと一緒の班になりたかったのですがこればっかりは仕方がない事ですわね。ええ、仕方がない事ですわっ」
そしてやはりというか当然の様に隣のクラスからレオとシャルロッテが我がクラスへと乱入してくると何故かわたくしと一緒の班になりたいとやって来る。
しかしである。
一度は成功したからと前回の遠足と同じ流れで通用すると思っておいででしょうが流石に同じ方法はちょっと手を抜き過ぎではございません事?
あの時は予想外すぎて流されるままのわたくしでも流石に二回目ともなると余裕を持ってあしらう事くらい出来ましてよ。
と言いますか前回もそうですけどレオとシャルロッテさんは違うクラスですからねっ!!
その様な捨てられた子猫の様な表情をされても困りますわっ、シャルロッテさん。
あぁ、ただでさえメインヒロインという圧倒的な美貌のシャルロッテさんが目を潤ませながら上目遣いでわたくしを見つめて来る、無条件に助けてやりたくなるその姿にわたくしは、わたくしはもうシャルロッテさんの為ならと折れてしまいそうですわっ!
流石わたくし最大の天敵っ!!わたくしの良心に訴えかけて来るなど卑怯でしてよっ!!
そんな打ち捨てられた子猫の目線ビームは断腸の思いで扇子を広げて視野に入らない様にシャットアウトですわっ!
「そうだぞレオ。お前は自分のクラスへ戻りたまへ。フランはこの俺様と一緒の班になるのだからなっ!!」
「いえ、わたくしはミシェル様とリリアナ様ともう一緒に組む約束をしておりますわ。流石にミシェル様とリリアナ様の意見を聞かずに勝手に班へ加入を決めるのはどうかと思いましてよ」
「そ、それはそうなのだが……」
教室を見渡せばミシェル様とリリアナ様が「ノア様と同じ班になりたいっ!!ノア様と同じ班になりたいっ!!ノア様と同じ班になりたいんですのフラン様っ!!」という無言の圧が飛ばされて来ておりますが無視である。
わたくし知ってますのよ。
ノア様は他の女性の前だと日和ってしまう事に。
ミシェル様とリリアナ様へ「一緒の班に入れて欲しい」という言葉が言えるものならば言ってごらんなさいな。
もしノア様がミシェル様とリリアナ様へ一緒の班になりたいと申す事が出来てわたくしと同じ班になれたとしてもミシェル様とリリアナ様によるノア様へのアピールという鉄壁のガードによりわたくしは守られるという完璧の戦法でしてよ。
完璧すぎてわたくしの頭脳が恐ろしいですわねっ!ふふふふ。
あらあら、そんな打ち捨てられた子猫の様な表情でわたくしに助けを求めて来ても無駄でしてよノア様。
男性のノア様がそんな目線をしたところで気持ち悪いだけでしてよ。
その目線が効果的なのはノア様の事を好きな異性だけでありまさかではございますがこのわたくしがノア様の事を好いているだなんて思っておいででは───
「よし、お前ら全員同じ班で良いぞー。先生が許可してやろうではないか。他のクラスや、約二名程多くなってしまう事など先生が握りつぶしてやるからなー。何、些細な事だから大丈夫だぞー。人生で一度しか訪れない合宿という青春の一ページの思い出はやはり甘酸っぱい方が良いだろう?」
「流石我が担任であるっ!!この恩の見返りはいずれっ!!」
「おう、良いってことよ。まあ、どうしてもって言うならその見返りは受け取ってやらん事もないぞっ!」
───いましたわ。
これ見よがしに我が帝国第二王子であるノア様に恩を着せまくろうとしている我が担任が。
聖職者よ、それで良いのかと小一時間問いただしてやりたい上に何時もの気怠げな態度から一変、最後の方は無駄にハキハキと喋りいつも一重の目もこの時ばかりは二重なのが腹立たしい。
そしてそんな担任の提案に即座に食い付くクラス委員のノア様。
これで良いのか、このクラスはと頭痛で頭を抱えたくなるのも仕方のない事であろう。
あぁ、完璧な作戦こそ予期せぬイレギュラーで全て破綻してしまうという結果にわたくしは悔しくてたまりませんわっ!!
「フラン様っ!遠足と同様同じ班になりましたねっ!!」
そして同じ班になれた事が余程嬉しいのかわたくしの腕に抱きついて来るシャルロッテ。
あぁ、シャルロッテさんのこの眩しい笑顔とわたくしの腕に伝わる柔らかな感触により「まあいっか」と思ってしまいそうですわねっ!卑怯でしてよっ、シャルロッテさんっ!その笑顔と腕の感触は脳内メモリーへ永久保存の刑ですわっ!!
紅茶王子とゲットバッカーズを大人買いして読み終えましたので天使禁猟区を大人買いするかレイアースを大人買いするか迷っておりましたら友達からそらあおの映画の誘いを受けまして、私は何故か結ばれない恋愛アニメ映画(秒速五センチメートル等)が本当に苦手でしてそらあおのキャラクターが、ヒロイン、ヒロインの妹、主人公、過去の主人公の時点でどちらかフラれるか両方実らず終わるパターンかなぁーと思っただけで無理かなぁーというやり取りの末何故か冴えカノを観に行く事に………。
と、言うわけで次大人買いするのは冴えカノに決まりました^^w
映画観に行くXデーまでに冴えカノ全巻一気読みした上でアニメ全話観なくちゃっ!!^^ww




