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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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数十分ですわ

「それで、どうやってここまで……いや、良いですわ。どうせ貴方の事ですから身体強化でジャンプして来たとかいうのでしょう?」

「はぁ、お前にはお見通しって訳か」


少し悔しそうに言うレオなのだが、その表情はどこか得意げであり、それがまた腹が立つというものである。


何がお見通しでしてよ。

頭に筋肉しかし詰まっていないレオのやりそうな事など猿でも分かるというものですわ。


「そう言うお前達はどうやってここまで来たんだよ」

「そうですわね……秘密ですわ」

「は?俺だけ知られているのは不平等だろっ!!」

「ふふ、秘密の多い女性はそれもまたミステリアスで魅力的なのですわ」


やいのやいのいくら騒いだところで敵に手の内を教える筈が無かろう。

悔しければこのわたくしみたいに推理して当てて見せれば良いのですわ。


「それよりもいつまでそこに突っ立っておりますのよ。お昼休みは有限でしてよ、まったく。ほら、わたくしの隣を空けてあげますから座りなさいな」


そう言うとわたくしは敷き布の上を少し横にずれ、それによりできたスペースをパンパンと叩く。


ほんと、以前の様にわたくしの天敵然とした態度をとってくれた方がまだあしらうだけであった分マシであったと言えよう。


何だかんだ今現在何もしていない、そして敵意を向けていない相手を無下にする程わたくしは腐っていない。


まぁ、だからこそ極力相手にしないよう避けているし逃げれるのならば逃げるのだが。


「お、おお。俺達を明らかに避けているお前からそんな事を言う何て珍しいな。明日は槍が降るかもしれねぇなぁ」

「失礼な。………まぁ避けてる事は否定しませんわ」


そんな当たり障り無い会話をしつつ残りのお弁当を食べて行く。


屋根の上と言えども人目を避けるために校舎裏側の屋根上であり目の前はただただ至近距離で雑木林の木々が見えるだけで風流も何も無いのだが、偶に吹く風で枝葉の擦れる木々の音、キラキラと輝くような木漏れ日にあちこちで聴こえて来る小鳥のさえずりはコレはこれで良いものだとわたくしは思う。


「なぁ、フラン」


そんな、ある意味で贅沢な時間を過ごしているとレオが急に真剣な表情で話しかけて来る。


「何ですの?急に改まって」

「いやな、少しは俺達を頼ってくれても良いんだぜ?」


こないだのノア様と言いレオと言い、ここ最近一体何なんですかね、まったく。


「そうですわね………例えば人が好きな異性の前で永遠の愛を誓ったとしてその愛はどの位の期間その者を変わらず愛し続ける事が出来るかご存知ですか?レオ様」

「永遠と誓っているんだから死ぬまでなんじゃねぇのか?」

「数十分ですわ」

「………は?」


なんでも前世の知識で人間は好きな人を前にした時著しく知能が低下してしまう為であるというものであるらしい。


「残念ながら事実ですわ。ですがその数十分後もまた変わらず同じ人を好きになる事を繰り返して紡いでいく。だからこそ愛は儚く、また尊いのですわ」

「その話が本当か嘘かは置いといて、一体何が言いたいんだ?」

「人間の気持ちや価値観などその時の感情や体験、様々な要因で簡単に変わってしまうという事ですわ。即ちそれはわたくしにとって信頼できないと同義でしてよ」

「俺のこのお前の力になりたいと言う気持ちは変わらないとお前に誓ってもか?」

「そうですわね、以前のレオ様でしたらわたくしがドミナリア家、又は女性ってだけで見下していたのだけれども最近は価値観や考え方がお変わりになられたのかその様な態度は少なくなっているとわたくしは思います。この様につい最近価値観や考え方が変わり始めたレオ様の言葉を一体どれほど信用して良いのでしょうか?しかし先程も申した通りそれが人間というものですわ。その件に関しましては自分の価値観を変えるには難しい年頃にも関わらずレオも様々な経験をして成長している証でもあるので素直に尊敬出来る箇所であるとわたくしは思っております。しかしながらだからこそわたくしは側に奴隷を置いているのですわ」


そこまで言うとわたくしは、好意と善意で女性でありドミナリア家でもあるわたくしに対して頼っても良いと言ってくれたレオに対して少し言い過ぎたという罪悪感を誤魔化す様に、少しだけ落ち込んでいる様に見えるレオの頭をくしゃくしゃと強引に撫でる。


「おいコラっ!やめろ!子供じゃねぇんだから頭を撫でるんじゃねぇっ!」

「ふふ、少し言い過ぎましたわ。ですがほっぺにご飯粒をつけている様では、まだまだ子供ですわね」


そしてわたくしはそう言うとレオの頬に付いたご飯粒を摘むとそのまま自分の口へと入れる。


しかしながらわたくしは前世も含めてご飯粒をほっぺに付けている者を見たのは前世の妹以外では初めてだったりする辺りまだまだレオは子供と言う事であろう。


「それではわたくし達はそろそろ教室へ戻らせて頂きますわね」

「あ、あぁ……」


そしてわたくしは何故か惚けているレオを残して、お昼休み終了を告げる予鈴が鳴った為教室へと戻る。


顔を真っ赤にしたレオに気付かずに。

誤字脱字報告ありがとうございます!!



今回は難産プラス睡魔でヤバかったです^^


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