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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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思い出として納めたくなるのも仕方がない





珍しい。


最初に思った事はそれである。


というのも今現在未だ学園の学業は本日分は残り終ホームを残してまだ終わって居らず、担任の教師が本日の学業の終わりに向け着々とやるべき事を一つ一つ終わらしている所である。


もうすぐ行われる梅雨明けの短期合宿について、どこそこで殺人事件が起きたので外出は出来るだけ避ける事、サークル加入届けの最終締切日が近づいている為加入の意思があり未だ提出していない者は提出する事、などなど今日の授業の終わりへと淡々と進んで行く中教室の後ろの方でフランが気持ちよさそうに眠っている姿が見えたからである。


元々フランは昔から根が真面目であり授業中は勿論の事こういった勉学にあまり関係ない時間ですら真面目に聞いている、その様な人物である。


であるからこそ今現在眠ってしまっているフランを見て珍しいと思ったのである。


因みに睡魔と戦いうつらうつらと船を漕ぎ出し眠りに落ちる一部始終を見ている俺からすればやはりフランは可愛いと思ってしまうのも仕方のない事であろう。


因みに俺は今年も例年同様クラス委員なので今現在担任教師の横で補佐をしている為堂々とフランの事を盗み見る───ではなくてフランの事を見る事ができる。


今まではただ単に面倒くさいと思っていたこの役職もフランと同じ教室となった今年に限っては実に良い役職であると思う。


そしてそんなフランに担任の教師が気付かない筈がないのだが特に起こす事も無く、つつがなく終ホームは終わり本日の学業が終了した。


そして俺はというとこのまま教室に留まってしまうとクラスメート達も同様に俺と話をする為に留まってしまう為一旦教室をでて、小一時間経った後少しの期待を胸にまた教室に戻ると未だ静かに眠っているフランの姿があった。


違うのは座ったまま眠っていた姿勢から今は机に突っ伏し自らの腕を枕にして眠っているくらいであろうか。


いや、机の上に突っ伏して眠るというフランのその姿はもう一生見れないかもしれないとさりげなく映写の魔術で盗さ───ではなくて学園生活の思い出として納めたくなるのも仕方がないくらいに珍しいと言えよう。


ここ最近のフランは常に何かを警戒しており、更にこの俺を避け始めている為そもそもフランの寝顔が見られるという事自体が奇跡と言えよう。


そんなフランなのだが、陽が傾き出しオレンジ色に染まり始めた教室で眠る天使と思ってしまいそうな程美しく、思わず数秒程見惚れてしまうのだが、その間も俺の手は無意識に術式を書き上げ思い出を映写魔術で撮り貯めていた。


そして本日のベストショットは自室に飾ろう。


しかしながらよっぽど深く眠っているのか一向に起きないフランを見て俺は思う。


もしかしてフランに触れるのでは無いか?


そう思うと実行せずにはいられなかった。


俺はフランの前の席でフランと向かい合わせになる様に座ると、フランと同じ様に自らの腕を枕にして突っ伏す。


するとどうだ?俺の目の前にフランの美しく可愛い無防備な寝顔が視界に入って来るではないか。


思わず映写の魔術式を目に施し、視界に映るフランを撮影してしまう。


そして至近距離のフランの寝顔を堪能した後、恐る恐るフランのほっぺをつついてみると「んん………っ」と吐息を漏らすだけで一向にフランは起きる気配を見せない。


そしてフランのほっぺは柔らかく触り心地は最高であった。


思わずもう一度触りたいという欲求を抑えきれす何度もつついてしまうのだがやはりフランは起きる気配を見せない。


ならばと俺は大胆にもフランの頭に掌を乗せ優しく撫で始める。


なんだこの幸せな時間は?


なんだこの感覚は?


フランを撫でれば撫でる程フランを愛おしいと思う気持ちが、幸せだと思う気持ちが強くなって行くではないか。


人間はこれ程までに他人を愛おしいと思えるものなのかとある種の驚きに似た感情も感じてしまう。


もういっその事今この瞬間が止まって仕舞えばいいのにと、いくら王族といえど──いや、王族故にそんな不謹慎な事を思ってしまうのは仕方のない事だと俺は言いたい。


あれから何度撫でたであろう。


時間も忘れて俺はフランを慈しみながら優しく撫でていたのだがその幸せな時間もフランが起きてしまう事により終わりを告げる。


そのフランの表情は、驚愕、恐怖、羞恥、怒り、で塗りつぶされていた。


その事に少なからずショックを受けるもだからと言ってフランの頭を撫でる事は辞めてあげない。


撫でるのをやめたら逃げてしまうような気がして、お願いだから逃げないでと思いを込めて優しくフランの頭を撫で続ける。


「起きた?」


そしてできるだけフランを刺激しない様に優しく語りかける。


するとフランの表情には微かではあるもの確かに好意の感情が加わる事を俺は見逃さなかった。


それだけの事で俺は嬉しくて叫びそうになるのだがそこはグッと堪える。


「お、乙女の寝顔を盗み見るなどというその行為、セクハラで訴えましてよ……っ!」

「どうぞ。でもそれだとセクハラで訴えられる前にフランを堪能させて貰うとするよ」


誤字脱字報告ありがとうございます!!

書き終えた後寝落ちの如く眠ってしまうので、とても助かっております!




おかげさまでブックマーク400突破致しました!!ここまで来れたのは、ここまで読んでくださった皆様のおかげです!!^^

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