【完】わたくし死亡フラグは回避できていたようである
「あぁ、良かったっ!間に合ったみたいですねフランお嬢様っ!!メイさんに何かされてませんかっ!?大丈夫ですかっ!?」
「フランお嬢様ぁぁぁあああっ!!フランお嬢様フランお嬢様フランお嬢様っ!!」
「お身体はっ!お身体は大丈夫なのですかっ!?」
そしてわたくしの部屋へと次々と入ってくるブラック・ローズの面々達は皆私の身体心配をしてくれる。
その面々は皆涙を流していた。
そしてわたくしは気付く。
わたくし一人いなくなる程度と思っていたわたくし自身が、ブラック・ローズのルールを破っていた事に。
わたくしがブラック・ローズのメンバーの内誰か一人でも欠ければ、悲しむのと同じようにわたくしがいなくなればブラック・ローズのメンバーが悲しむという事に。
「ご、ごめんなさい………皆様、わたくしの自分勝手でご心配をお掛けしてしまって、本当にごめんなさい」
その事に気付いたわたくしは、あふれ出る涙を止める事もせずただただ頭を下げて謝罪の言葉を口にする。
「ああ、まったくだな」
「少しは反省しやがれ」
「フラン様の意識が戻り、本当に良かったですっ!」
「体調も万全………とはいかないものの峠は越えたみたいですね。安心したら眩暈がしてきました」
「本当に、本当の本当に良かった………」
「フン、しつこいババァだな全く。心配させやがって」
そしてブラック・ローズの跡に続くようにメインキャラクター達とわたくし唯一の友達二人は入ってくると各々言いたいことを口にしていく。
皆溜まっていた物があったのだろう。
少しばかり失礼な事を言われてもわたくしの禊として受け入れましょう。
それ程の器はわたくしございましてよ。
しかし、ババアという言葉が聞こえたのは気のせいでしょうか?こればっかりは後でお仕置きが必要だとわたくし思いますの。
そんなこんなで皆泣きながらも和気あいあいとしたり、五年も意識が無かったことにビックリしたりとしていたその時、わたくしはある事に気付き悲鳴を上げてします。
そして皆一様に心配げな表情と視線でこちらを向き、何事かとわたくしの次の言葉を、聞き逃すまいと静かに待ってくれている。
「わ、わたくしの胸が………」
「「「「「胸が………?」」」」」
「成長しておりませんわぁぁぁあああああっ!!!!」
そしてこの日一番の絶叫がドミナリア邸に響き渡るのであった。
そしてわたくしは、五年も経っているという事はいつの間にかわたくし死亡フラグは回避できていたようである、と後日気付くのであった。
完
誤字脱字報告ありがとうございますっ!
ブックマークありがとうございますっ!
評価ありがとうございますっ!
皆様、一年間、本当にありがとうございましたっ!!いろいろな事がこの一年の間にありましたが、無事完結までたどり着けることが出来ました。
これも全て私と一緒に歩んでくださった皆様のお陰でございます。
本当にありがとうございましたっ!
物語としてはこれで完結ではありますが後日下記内容三点、ifの物語を追記予定でございますのでこちらの方も読んで頂ければ幸いでございます。
●ノア様編
●レオ編
●百合ハーレム編
そしてこの作品でございますが、ハーメルンのバイオリン弾きという漫画の作風(作品の雰囲気)を真似て作らせて頂きました。
しかしながら書き終えてみてプロと素人の差をまざまざと見せつけられた形となり(悪役の魅力を引き出せなかったり、シリアス展開を掘り切れなかったり、バトルシーンもETC)まだまだ勉強不足、経験不足であると痛感致しました。
精進あるのみでございます。
ここからは宣伝となりますが新たに【ネトゲの夫の中身がクラスのイケメンとか聞いていない】を新たに執筆し始めましたので興味があるお方は覗いて頂ければ幸いでございます。
では、寂しくなりますが、皆さま、本当にありがとうございました。




