表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/288

繋がるパイプ

そして俺たち三人は影でフランを支える事を誓うのであった。


因みに遠足中のシャルロッテはまさに神々の世界の住人の様に美しく綺麗であったとノア王子に言うとフランこそまさに神々の住人の様に美しく可憐であったとかほざくので二時間程シャルロッテの美しさについて懇切丁寧に教えてあげたのだが一行に理解できないみたいである。


シャルロッテの美しさが理解出来ないとは人生半分、いや八割は損していると言っても過言では無いので実に勿体ないと思う。





学園まではわたくしの見事な狸寝入りによりそのまま何事も無く帰り着く事が出来た。


まぁ、正直なところ途中から本当に眠ってしまったのだがウルに涎は垂れていなかったか、イビキは出していなかったか確認してみたのだが「フラン様はフラン様でしたっ!!」とキラキラした瞳で見て来るのでおそらく大丈夫であろう。


ちなみに花売りの少女なのだがウル曰く匂いさえ覚えて仕舞えば後は自身の能力で離れていても相手に気付かれなければ尾行できるとの事で、あの後直ぐさま匂いを覚えてわたくし達と一緒に帰って来ていた。


獣人族ならではの能力と言えよう。


実に頼もしい限りである。


そしてウルやメイ、アンナがわたくしに対する忠誠心はDVによる共依存に近いものであると思っている。


その為申し訳ないとは思うものの今のわたくしには最早掛け替えのない大きな存在となっているので今更手放したりしない。


しかし、万が一わたくしが死んだその時はわたくしという呪縛から解き放たれて自由に生きて欲しいと思う事くらいはさせて欲しい。


そんな事を思いながらわたくしは考える。


花売りの少女が出たという事はこれから起きるイベントの根本は間違いなく麻薬、へアンである事は間違いない。


ゲームのわたくしはこの麻薬を使いヒロインを蝕ませ最終的に破滅へと向かわせるという方法なのだが、我が事ながら麻薬はちょっとやり過ぎなのでは?と原作をプレイしてた時は思ったものだ。


結局ヒロインに麻薬を盛る前にその時の一番高い好感度を持つメインキャラクターに阻止されてしまうのだが、阻止されて良かったと思ったものである。


しかし根本は分かるのだが、だからこそ悩む。


我が秘密結社ブラックローズにはその麻薬へアンと通じるパイプがない為である。


しかし、原作のわたくしはこの麻薬であるへアンを入手しているわけであり、という事は我がドミナリア家にはへアンと繋がるパイプが確かに存在するという事である。


そのパイプは何を隠そう我がドミナリア家の執事、セバス・チャンである。


彼を使えばそのパイプを使いブラックローズを動かす事により即座に潰す事が間違いなく可能である。


それぐらいブラックローズの面々は見事に育っているので教育係でもあるアンナやメイ、ウルには良くやりましたと労いの言葉と共に後日何かしらのプレゼントをあげようと密かに思う。


もちろんいつも頑張ってくれているブラックローズの面々にもである。


しかしながら悩んでいるその時間にも死亡フラグは着々と進んでいるのだ。

最早背に腹はかえられない。


わたくしは腹を決めると家族との朝食の後に執事であるセバスを呼ぶ。


「何でしょうか?お嬢様」


セバスはわたくしの部屋に訪れると洗礼された所作で一礼の後わたくしに呼ばれた理由を問いかけて来る。


その瞳は力強くやる気に満ち満ちておりあわよくばわたくしを喰ってやろうという気持ちがビシビシと伝わって来る。


そんなセバスにわたくしは一瞬怯むももう呼んでしまった手前後戻りは出来ないと自分を鼓舞して負けるもんかと睨み返す。


「セバス、あなたに一つお願いが御座いますわ」


わたくしは扇子で口元を隠しながらセバスに問う。


「へアンという物をご存知でして?」





私はこの家族団欒の食事が見せ掛けである事を、恐らく使用人の中で私だけが知っている。


しかしだからといってフランお嬢様の為に何か出来る訳でもなく日々燻っていた。

しかしそれも昨日までの話である。


ついに今日私はお嬢様に呼ばれたのである。


最早溜まりに溜まったやる気が今にも身体から溢れ出ししまう程私はこの時を待ちわびていた。


フランお嬢様が産まれて来て十五年、今まで私はフランお嬢様を偏見の目で見てその本質を見ようとしていなかった。


その十五年という歳月はフランお嬢様にとってどの様な歳月であったか想像するだけで胸が痛む。


だからこそ、これからの歳月はフランお嬢様の為ならば私は全身全霊をもって動くと決めたのである。


そして遂にお嬢様は私にお声をかけてくれた。


お嬢様は普段奴隷にしか心を開かず、成人した事により遂に動き出したその高貴な行動も奴隷を介して活動していた事を私は知っている。


かの違法奴隷事件もまたフランお嬢様による手によるものであると。


「セバス、あなたに一つお願いが御座いますわ」


扇子で口元を隠しながらそう言うとお嬢様はその視線で人を殺せるのでは無いかという視線を私に向けて来る。


それ程迄に今から喋る内容は重要である事が伺えて来る。


その事に私は武者震いをする。


「へアンという物をご存知でして?」


知っているも何も今帝都で少しずつ蔓延している魔族国が原産の植物シケ科の植物からなる麻薬である。

評価入れて下さった方、ブックマークしてくれた方、作品を読んで下さった皆様ありがとうございますっ!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ