説教をされることが決定
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「この期に及んでまだしらばっくれるつもりかっ!?」
「だからさっきから何を言っておると申しておろうがっ!この人間風情が調子にのるんじゃぁないわっ!!神である我に対しての数々の無礼っ、死んで詫びるが良いっ!!」
そして今までわたくしの拳を生意気にも全て避けていた糞神は一転、反撃してくる。
そう感じた瞬間にはわたくしの左腕がはじけ飛んでいた。
◆
「なに?フランが聖教国へ単身乗り込んで行っただとっ!?」
そうオズウェルから聞かされた俺は思わず叫んでしまう。
「フランの奴、どこまでも自分勝手なんだよっ!?」
「全く、この件につきましてはレオの仰っている事が正しいですわね。フラン様お一人だけ全てを抱えようとしている様な怪しい動きは確かにありましたが、本当にフラン様お一人で特攻するなんて………」
「わたくし達を置き去りにした事、そして不安にさせた事を、それらをしっかりと後悔させた上で今後二度としないと思う位には後でしっかりとお仕置きをしないといけませんわね」
「ホントッ、その通りだと私も思いますっ!!そもそも私たちを置き去りにしたまま全てを終わらせられると思っている事がいかに傲慢であるかという事を教えてあげますっ!!」
そして風嵐の誓いのメンバー全員が各々フランの今回の行動に対して強い怒りを感じており、このメンバーでは珍しく口々にフランに対して悪態をつく。
「そうだな。フランには我々を無視できないという事を教えてやる必要がある。そして全てが終わったあと説教をしなければならない」
俺がそう言うと、全員「当たり前だ」という表情をしていた。
どうやらフランは世界を救った後に感謝されるどころか長い長い説教をされることが決定したみたいである。
その事に関してはほんの少しだけ、髪の毛一本分程位には可哀そうであるとは思うものの我々を、そしてブラック・ローズの面々を置いていったという大罪の前では何の役にも立つこともなく吹き飛んでいってしまう。
「では、行くぞ」
そして俺の言葉と共に一斉に、この場に居合わせている全員がフランの元へと向かうのであった。
◆
わたくしの身体から離れ、吹き飛んでいった左腕はクルクルと空中を回転しながら飛んでいった後、床に落ちると血の痕跡を残しながら滑ったあと止まるのが見えた。
「痛いですわね………」
「ほう、あれを避けるか」
「確かに痛いけど、あの時感じた全身を強く打つ様な痛みよりもっ、そしてあの時以降感じる心の痛みよりもっ、痛くはございませんわね。貴様を殴れると言うのであれば安いものです。腕の一本や二本程度捧げましてよ。そして、腕が吹っ飛んだ痛みで少し冷静になることが出来ましたわ。その点に関してだけは感謝いたしましょう。」




