黒い軍服
しかしながらあの老害含めて使えないという事実には変わらない。
そもそもこれだけの力を得ながら未だに三国を攻めあぐねている時点でどうかしているとしか思えない。
むしろこれだけの力を得ながらどうやれば攻めあぐねてしまうのか教えて頂きたいくらいである。
全く、その結果私が彼らの尻を拭う羽目になるのだからたまったものではないとは思うものの、ここで私が体制を立て直す事ができれば我らが神から今一度寵愛を頂けるかも知れない為、それはそれでこの機会を作ってくれて有り難いと思う。
そして、我らが聖教国軍の体制を整えるにあたりやはり帝国をまず攻めるという考えに至った。
その理由としてはまず攻めやすさが上がるだろう。
オウルデストウッド帝国は周辺が森で囲まれており、森に潜むエルフを敵にした場合非常に厄介であり負ける事は無いといえど厄介故に時間もかかり面倒臭い。
次に王国であるのだが、国全体を魔法陣としその恩恵を受けれる騎士団の存在がまた厄介な存在でありオウルデストウッド帝国同様に攻めるのに時間がかかるという事である。
そして消去法で選ばれたのが帝国という訳である。
帝国であれば他の二国と違いスムーズに攻める事ができる為聖教国の士気向上もその分早く回復する事であろう。
「っ!?」
「ほう、アレを避けましたか。なかなかやるようですね」
そんな事を思いながら帝国へ向かい国境付近に差し掛かった所で僅かではあるものの殺気を感じた為避けると、見えない何かが私の髪の毛を一房切り落として行く。
そして声の方向へ目線を向けると黒い軍服を着て、更に黒い仮面を被っている女性が翼も無いのに私の前で浮遊している姿が目に入って来る。
一体何処から現れたのか、翼も無いのにどうやって浮遊しているのか等気になる事は色々あるものの、それ故に此処で始末しないと厄介な事になると私は捕虜にして情報を引き出すという考えは捨て、いかにして殺すかという事を考える。
そうと決まれば御宅は無用。
倒すべき敵と判断した瞬間私は腰に刺している剣を手にして件の女性へと斬りかかる。
「おっと、名乗りも無しに切り掛かって来るとは。せっかちな女性は嫌われますよ。あ、ちなみ私はメイというものです。お見知り置きを、生きて逃げ切る事が出来ればの話ですが。
しかし、私の奇襲は難無く交わされてしまい、相手に背中を見せてしまうという失態をしてしまうのだが待てど相手からの反撃が来る様子はない。
相手に舐められている、直感的にそう思った。
誤字脱字報告ありがとうございますっ!
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寝落ち致しました(*'▽')




