膝をつきただ首を差し出すだけで
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我らが神の言葉を反故にしたこの三国にはそれ相応の神罰が必要である。
私がブラックローズへ話をしに行っていた時同じく、三国へ同胞が私がブラックローズの面々へ説明した同じ内容をしたみたいであるのだが、三国とも全て交渉は決裂であるという嘆かわしい結果に私は悲しくもあり、同時に嬉しくもあった。
何故ならば、この聖戦により我々は神から頂いたこの力を存分に振るう事が出来、あの畜生にも劣る者達へいかに我らが神が偉大であるかという事を見せつける事が出来るからである。
そして勿論、未だあの三国に住んでいる国民も同様に反逆者である為この聖戦が終わったとしても反逆者達の禊にかかる時間を考えれば、この戦いに時間をかけるのは得策ではないだろう。
そう思いながら私は空の上から地上を眺める。
そこには我らが神の使徒達による蹂躙が広がっていた。
死んで新た命に生まれ変わり、一から我らが神へ信仰を捧げれば良い。
その時、地上から何かが破裂するような乾いた音が響き渡る。
そしてその後には立て続けに同じような乾いた破裂音が鳴り響き、その音と共に我らが使徒が少なからず傷を負い始めていいるのが目に入ってくる。
「おぉ、何と愚かな。抵抗せず、膝をつきただ首を差し出すだけで良いと言うのに………そんな簡単な事も分からぬとは」
無駄に抵抗し、我らが使徒を傷つける等、畜生どころか羽虫にも劣る。
恐らくあの反逆者達は最近出て来た『銃』という武器を使用しているのであろうが、所詮は威力が高く射程距離が長くなった石礫に他ならない。
そして、我らが神の使徒が高々石礫ごときにやられるはずが無いと言うのに、所詮は我らが神の慈悲を袖に振るような低能共である。
我らが使徒は神よりその御身の一部である生き血を頂いているのだ。
例え人間であれば致命傷であろう傷を受けようとも時間が経てばその傷はたちまち癒え、また戦場へ復帰できるのである。
そこまで考えた私は眼下に広がる戦場に違和感がある事に気付く。
我らが神の使徒達の傷が一向に癒える気配が無いのである。
そして、あの銃全てがブラックローズ製である事を思い出すと共に自身の中に抑えきれないマグマの様な怒りが火山の様に噴き出すような感覚を味わう。
神は絶対である。
故に神の使徒も絶対である。
その絶対をあの羽虫にも劣る反逆者達は何らかの方法で摂理を曲げた攻撃を行っているのである。
それはまさに神への冒涜であり、神に向かって唾を吐きかける行為そのものと言わざるを得ない。
「このゴミムシ共がぁああああっ!!!!」




